1. トップ
  2. ファッション
  3. 「監督から抱きついてと言われて…」「普段はクールだけど意外と」南沙良×出口夏希が明かす、互いの“素顔”とふたりの距離が縮まったきっかけ

「監督から抱きついてと言われて…」「普段はクールだけど意外と」南沙良×出口夏希が明かす、互いの“素顔”とふたりの距離が縮まったきっかけ

  • 2026.1.16

数々の話題作に出演し活躍する、俳優の南沙良さんと出口夏希さんが1月16日から公開の映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』で共演。本作は波木銅氏の松本清張賞受賞作を、『猿楽町で会いましょう』の児山隆監督が実写化した、不適切でキケンな青春映画だ。

南さんはラッパーを夢見ながらも、学校にも家にも居場所を見いだせず鬱屈とした日々を送る朴秀美を、出口さんはスクールカースト上位に属しながらも、家庭では問題を抱えている映画好きの矢口美流紅を演じる。お二人に映画の魅力や撮影時のエピソードを伺った。


撮影の三日前に……

南沙良さん、出口夏希さん。

――本作は、お二人が演じる女子高生2人と、吉田美月喜さん演じる毒舌家で漫画好きのクラスメイトが中心となって、同好会「オール・グリーンズ」を結成し、未来が見えない田舎町でのどん詰まりの日々から抜け出そうとする物語です。魅力的なシーンがたくさんありますが、お二人は脚本を初めて読んでどう思われましたか。

爽快感、疾走感のある作品だなと、最初に読ませていただいたときに思いました。登場人物たちが置かれている環境は決して明るいものではないけれど、彼女たちにはあまり悲壮感がないところがとても魅力的でした。

出口 私も読み終えたときにとても爽快感がある作品だなと思いました。今までいただいた役は、比較的明るくてまっすぐなキャラクターが多かったので、今回みたいに影がある役は初めてで、読み終えたときには「やってみたい」っていう気持ちが一番大きかったですね。

――お二人にとって、初めての挑戦が多かった作品だと思います。お二人が一番苦労したことはなんでしょうか? 南さんのラップのシーンは圧巻でしたが、練習も大変だったのではないでしょうか。

実はラップよりもスケボーが難しかったですね。私、ラップは元々好きでよく聴いていたので、全く馴染みのないものではなかったんです。

出口 でもラップのリリックを撮影の三日前に渡されてたよね(笑)。

南沙良さん。

そうそう(笑)。ラップシーンは何回かあるけど、終盤のラップシーンがすごいギリギリで。あれは覚えるのに必死でしたね。

出口 私は、今まで演じたことのないキャラクターでしたが、無理なくすぐになじめた気がします。アドリブも結構ありましたが、それも自然と出てくるもので、演じていてとても楽しかったです。

出口夏希さん。

――アドリブが多かったのですね。

出口 美流紅ってキャラクター的に三人の中で一番よく話すタイプなんですけど、美流紅のセリフが多いシーンで監督がいつもカットをかけてくれないことが多くて(笑)。そのまま続けなきゃいけなくて、でもそれもやっていて楽しかったんですよね。

――中でもお二人が特に気に入っているシーンはありますか。

私は映画のタイトルが入るところが好きでしたね。

出口 うんうん、一緒!

とても粋でしたし、そのときの美流紅の「これは私たちにとっての第二部なんだよ」っていうセリフもすごく素敵だなと思いました。かっこよくて、あそこが一番好きです。

出口 私もあそこが一番好きです。夜中に東海村の大っきい交差点を封鎖して撮影したんです。そこを三人で走っていくと、撮影しながらも本当に気持ち良くて、これから物語が始まるんだなって思えるシーンでしたね。

――では原作の中で印象に残っているところはありますか。

三人の会話劇が読んでいてとても面白かったです。これをお芝居として昇華していくことがすごく楽しみだったので、原作が持っているテンポ感、キレの良さは、なくさずにやりたいなと思っていました。

出口 私はやっぱり映画と同じで、「高校生活が小説なり映画なり、物語だったとするじゃん」「だとすると、ここからが『第二部』ってわけ」っていうセリフですね。物語の始まりって感じがして、好きです。

そこで一気に縮まったんだなって。

南沙良さん、出口夏希さん。

――近しい関係ではなかった朴と美流紅はある夜急接近するわけですが、お二人は距離感の変化をどう感じていましたか。

出口 美流紅はたぶん朴秀美のラップを聞いて、本当にかっこよくて感動したんでしょうね。実際私も初めて沙良ちゃんのラップを聞いて本当に感動したから、気持ちが分かるんです。

――美流紅が朴に「すっげえじゃんお前!」と抱きつくシーンは、出口さんの本心に近かったわけですね。

出口 あのシーンは最初は抱きつく予定じゃなかったんですけど、何回も撮った後に、監督に「抱きついてみて」って言われて(笑)。私は「え?」って思ったんですけど、完成した映画を見ると、そこで一気に美流紅と朴秀美の距離が縮まったんだなって。

――南さんは抱きつかれていかがでしたか。

いや、私も監督が「抱きついて」っておっしゃって「え? 抱きつくんだ」って思いましたよ(笑)。だって二人で「ええ!?」ってなったもんね。

出口 ね、やっぱり思ってたんだ(笑)。

――お互いに現場で相手の役を見て、感じたことはありましたか。

夏希ちゃんの美流紅が輝きすぎていて、本当に素敵でした。現場でももちろん思っていましたし、完成した映像にも夏希ちゃんがもともと持っているキラキラしたものが詰まっていて、やっぱりどうしても見ちゃう。ああ、美流紅だなあって思いました。

南沙良さん。

――美流紅はご自身に似ていると思いますか?

出口 撮影しているときは自分に似ているところを探したことはなかったんですけど、「私っぽい」とは言われました。私が現場に立つことで感じた美流紅らしさを、その場で出せたので、話し方や座り方も含めて自然に見えたんじゃないかなって思います。

沙良ちゃんの朴秀美はやっぱりかっこよかったですよね。台本を読んでいる時は想像上の朴秀美でしかなかったんですけど、沙良ちゃんが演じる朴秀美を見ると一つ一つの仕草が本当にかっこよかった。すべてがすごく様になっていました。美流紅から見た朴秀美は、かっこいい存在なんだとそのとき思いました。

――南さんご本人と朴秀美を比べるといかがですか?

出口 たぶん皆さんは沙良ちゃんと朴秀美の間にギャップを感じられると思うんですけど、口調とかサバサバした感じの雰囲気が、私はちょっと似ている部分があるなって思います。

出口夏希さん。

――お二人は久しぶりの共演ですが、お互いにイメージの変化はありましたか。

以前、同じ作品に出演したことはありますが、一緒のシーンはなかったので、がっつり共演するのは初めてでした。私は、夏希ちゃんのイメージはそんなに変わっていないんですけど、驚きはもちろんありました。こんなにあっけらかんとした、可愛らしい方なんだ、と(笑)。撮影の合間もすやすや寝ていたりとか、なにかをもぐもぐしてたりとか。

出口 いつも“すやすや”か“もぐもぐ”してたもんね(笑)。私は沙良ちゃんに対して口数が少ないイメージがあったんです。でも、意外と顔に全部出してくれるんですよ。だから今こう思ってるのかなってわかっちゃう。そういう自然体なところが、より好きになりました。だからお友達になりたいと思ったのですが現場では恥ずかしくて自分から連絡先を聞けなかったんです。それで、釜山国際映画祭の後にみんなでお疲れ会をして、ちょっとお酒も入った時に「連絡先交換しよ~」って勇気を出して言いました(笑)。お友達になったらもっとびっくり。普段はクールで、かっこいいって思っていたんですけど、意外とバブ味もあって(笑)。

私たちはバブちゃんとバブちゃんってことだね(笑)。

南沙良(みなみ・さら)

2002年6月11日生まれ。映画『幼な子われらに生まれ』(2017年)で俳優デビュー。初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18年)で、報知映画賞、ブルーリボン賞他、数々の映画賞を受賞。近年の主な出演作品に、Netflixシリーズ「わかっていても the shapes of love」(24年)、主演映画「愛されなくても別に」(25年)、NHK大河ドラマ『光る君へ』(24年)など。主演映画『禍禍女』が公開を控えている。


出口夏希(でぐち・なつき)

2001年10月4日生まれ。近年の主な出演作品にNetflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』(2023年)、連続ドラマW-30『アオハライド』(23年)、Netflix映画『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』(24年)、映画『赤羽骨子のボディガード』(24年)、主演映画『か「」く「」し「」ご「」と「』(25年)など。2025年にはヨコハマ映画祭にて新人賞、エルシネマアワードでライジングスター賞を受賞。

衣装クレジット

[出口さん]
ニット275,000円、スカート581,900円/ともにエトロ(エトロ ジャパン 03-3406-2655)、ブーツ132,000円/ノダレト(アマン 03-6805-0527)ピアス(右耳)38,500円、ピアス(左耳) 154,000円、リング(右手人差し指) 66,000円、リング(右手中指) 77,000円/ともにビジュードエム(ビジュードエム六本木ヒルズ 03-6271-5353)

文=文春文庫編集部
撮影=平松市聖
ヘアメイク=竹島健二(南さん)、井手真紗子(出口さん)
スタイリスト=梅田一秀(南さん)、道端亜未(出口さん)

元記事で読む
の記事をもっとみる