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腸内の毒素が体内にしみ出る!?全身の不調の原因になる【リーキーガット】の対策を医師が解説

  • 2026.1.16
教えてくれたのは…

代官山クリニック院長・医師

蘆田英珠先生

皮膚科、美容医療、アンチエイジングの分野に携わる中で、分子栄養学に深く傾倒し、食を軸とした体の内側からのアプローチを重視した診療を行っている。

聞いたことあるけど、よくわからない……リーキーガットとはどんな症状?

聞いたことあるけど、よくわからない……リーキーガットとはどんな症状?

※左:整っている腸、右:リーキーガットを起こしている腸のイメージ図

腸のバリア機能が低下することで、本来体内に入るべきでない物質が腸管を通過し、血液を介して全身に炎症反応を引き起こす状態のこと

蘆田先生

リーキーガット(LeakyGut)とは、日本語では腸管壁浸漏(ちょうかんへきしんろう)や「腸もれ症候群」とも呼ばれる状態です。腸内環境の乱れなどにより腸のバリア機能が低下すると、腸の壁に並ぶ細胞同士の結合(タイトジャンクション)が緩みます。その結果、本来は体内に吸収されないはずの未消化成分や細菌由来成分などが腸管を通過し、血中に取り込まれることで、全身の炎症反応につながることがあります。


身に覚えのある症状ばかり!“なんとなく不調”はリーキーガットのせいかも!?

リーキーガットは全身・メンタル不調の原因になる可能性も

蘆田先生

リーキーガットは、腸だけでなく、全身やメンタルの不調と関連する可能性があります。熱心にスキンケアをしても改善が見られないニキビや肌荒れ、アトピーなどの肌トラブルも、腸のバリア機能低下によって炎症反応が起こることが一因となっている場合があります。また、「脳腸相関」という考え方が示すように、腸の状態が脳やメンタルの不調と関係することもあり、さまざまな不調につながる可能性があります。こうした症状は、ちょっとした不調として見過ごされがちですが、体からのサインであることも少なくありません。


リーキーガットが引き起こす可能性のある症状例

【胃腸の症状】
・下痢や便秘
・膨満感やガスの増加
・腹痛や腹部の不快感
など

【全身の症状】
・皮膚のトラブル(ニキビ、肌あれ、湿疹、アトピーなど)
・頭痛
・慢性的な疲労感
・アレルギー
・自己免疫疾患との関連が指摘されるケース
・関節痛
など

【メンタルの症状】
・抑うつ気分
・不安感
・ブレインフォグ(集中力が低下する)
・気分の落ち込み
など

リーキーガットの原因のひとつは小麦・砂糖・乳製品の摂りすぎ!?

・食生活の乱れ
小麦、砂糖、乳製品、人工甘味料、食品添加物、カフェイン、アルコールの摂りすぎ
・ストレス
・抗生物質の長期使用
・腸内環境の乱れ

蘆田先生

リーキーガットに関与する要因のひとつとして、食生活の影響が考えられています。糖質や人工甘味料、カフェイン、アルコールの過剰摂取は、腸内フローラのバランスに影響を与え、腸のバリア機能低下に関与する可能性があります。また、小麦に含まれるグルテンや乳製品に含まれるカゼインについても、体質や摂取量によっては腸管バリアに影響を及ぼす可能性が指摘されています。そのほか、ストレスや睡眠不足、抗生物質の長期使用なども、腸内環境を乱す要因のひとつです。


リーキーガットと腸内環境の乱れの違いは?

リーキーガットと関連が深いのが、腸内環境の乱れ!?

蘆田先生

腸内環境の乱れは、リーキーガットに関与する要因のひとつと考えられています。腸内フローラのバランスが崩れ、特定の細菌が増えることで、腸の粘膜やバリア機能に影響を及ぼし、その結果、リーキーガットの状態と関連する可能性があります。


リーキーガット対策は、小麦・乳製品・砂糖を抜くことから!

小麦・乳製品・砂糖抜き生活を約3週間やってみる

蘆田先生

リーキーガットが気になる場合は、まず食生活を見直すことがひとつの方法です。臨床の現場では、小麦・乳製品・砂糖を100%控える期間を3週間程度設けることで、“なんとなく不調”が軽減するケースも経験されます。その期間の体調変化を観察し、再度摂取した際の反応を見ることは、腸や代謝の状態を見直すひとつの手がかりになる場合もあります。肌や体調管理の一環として、無理のない範囲で取り入れることが大切です。


食べ物以外でのリーキーガット対策は?

自律神経を整えるクリーンな生活を心がけて

蘆田先生

リーキーガットが気になる場合は、腸内環境を整え、腸のバリア機能を保つことが大切です。その一環として、小麦・乳製品・砂糖を控えめにすることもひとつの考え方です。加えて、添加物や保存料の多いコンビニごはんや加工食品に偏らず、生の素材から調理した食事を意識できると理想的といえます。また、腸の働きには自律神経が深く関わっているため、ストレスや過労、夜更かし、冷え、刺激物の摂りすぎなど、自律神経を乱しやすい要因をできるだけ避けることも大切です。


腸粘膜をケアするサプリメントを取り入れるのも手

腸粘膜をケアする方法として、栄養補給を意識することもひとつの考え方

蘆田先生

腸の粘膜や腸内環境の維持には、たんぱく質や各種ビタミン、ミネラル、腸内細菌に関わる栄養素が関与しています。こうした栄養素は、食事からの摂取を基本としつつ、不足が疑われる場合にはサプリメントを活用する選択肢もあります。ただし、栄養素の種類や量によっては体調や体質に影響することもあるため、自己判断での長期使用は避け、体調の変化を見ながら取り入れることが大切です。


リーキーガットは改善されるのもの?

一度クリーンな腸に整えたら、ゆらぎにくい腸になる

蘆田先生

腸の状態には個人差がありますが、腸内環境に影響する生活習慣や食事内容を見直すことで、腸のバリア機能が徐々に整っていく可能性はあります。一度、腸のコンディションが安定すると、日常生活の中で多少のゆらぎがあっても、影響を受けにくくなるケースも見られます。砂糖や小麦、乳製品などは嗜好品として楽しむ側面もあるため、不調が続く場合には、一定期間控えて体調の変化を観察することが、体調管理のひとつの目安になることもあります。


※小麦・砂糖・乳製品とリーキーガットの明確な因果関係は、現時点では十分に確立されていません。ただし臨床では、これらの食品を一定期間控えることで、炎症や血糖値の変動が落ち着き、体調の改善を感じる方も少なくありません。不調が続く場合は、体調を見ながら食生活を見直すこともひとつの方法です。

イラスト/二階堂ちはる 取材・文/金子優子 構成/剱持百香

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