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和田雅成「発信し続けていけば世の中は変わる」作品作りに向き合う心情を語る

  • 2026.1.16

登録者89万⼈超の⼈気Youtubeチャンネル『kouichitv』のコウイチさんが監督・脚本を務めた初劇場⻑編映画『とれ!』が2026年1月16日(金)より公開。Vlogに霊のようなものが偶然映り込み、動画がバズった⾼校3年⽣の美咲(中島瑠菜)は、親友の皐⽉(まいきち)と心霊動画の投稿にのめり込むが、廃墟撮影の道中に地蔵を拝んだことをきっかけに神様に憑きまとわれてしまう。母子家庭で育った美咲と母の親子愛も描かれた、“ちょっと怖いけれど後味のよい⻘春ホラー映画”となっている。

本作で、神様に翻弄される美咲と皐⽉をサポートする一風変わった霊能者を演じている和田雅成さんに、作品作りの裏側や自身の青春時代のエピソードなどを語ってもらった。

映画『とれ!』に出演する和田雅成さんにインタビュー
映画『とれ!』に出演する和田雅成さんにインタビュー

力量を試されていると感じた現場

──今まで出演されてきた映画とは異なる趣向の作品かと思いますが、まず本作のお話があったときのお気持ちをお聞かせください。

【和⽥雅成】何度かお仕事をご一緒したことのあるプロデューサーさんからお話をいただいて、「おもしろそうだな」と思ったのが一番初めです。30歳を越えて、知らず知らずのうちに型にはまってきていると感じている今、自分で自分をぶっ壊している最中なんです。そんなタイミングでお声掛けいただいたこともあって、やってみたいなと。

──監督の印象はいかがでしたか?

【和⽥雅成】初めて監督とお会いした瞬間、なんだかすごくワクワクしたんです。顔合わせのあとにプロデューサーさんから、“監督が役者さんと会えたことに興奮していた”というようなお話も聞いて。そういうことも含めて、日頃関わる作品で当たり前のように感じていた空気感がないのが新鮮でした。

──現場でもこれまでと違う感覚がありましたか?

【和⽥雅成】「この撮影方法は自分のセオリーにないなぁ」みたいなことが多かったです。それがたぶん監督が表現したい部分だと思うし、(役者としての)力量を試されているようにも感じました。ある程度いろいろな経験のある僕が、若いおふたりが主演を務める作品へ参加することにおいて求められているものもあると思ったので、芝居でどれだけ相手に渡せるかということは意識していました。

──YouTuberの方ならではの撮影方法や演技経験があまり多くないキャストとの共演が、自分をぶっ壊している最中の和田さんにとって刺激になったんですね。ちなみにコウイチ監督のYouTubeはご覧になりましたか?

【和⽥雅成】すごくおもしろいですよね。独特な空気感というか。撮影中も「どんなことを考えているんだろう」と感じる瞬間はありつつ、お話していく中で、自分のおもしろいと思ったものを突き詰めたいという、少年の心を持った方なんだと気づいたんです。「僕がおもしろいと思うものはこうなんだ」という監督が作りたいものが明確に見えていたので、それを踏まえて映画の完成というゴールを目指し、僕も意見を出してやり取りしながら、寄り添って一緒に作ることができたように思います。

自身の霊感がプラスになった

──では、この物語全体についての感想をお聞かせください。

【和⽥雅成】監督の脳内をそのまま言語化したような台本で、最初に読んだときは「これ、どうやってやるの!?」という印象でした(笑)。例えば、神様のお面の下が光るシーンなど、子どもが「こうやったらおもしろい」って思いついたようなシーンが満載で、どうやって撮っていくんだろう、と。撮影中も実際に光るわけじゃないから「映像になったら、どう見えるのかな?」と思ったら、その道のプロの方たちがしっかりと仕上げてくださっていて、監督が本当にやりたかったことが具現化された映画になっています。僕が演じた浅野⽃真も、霊能者としての力は疑わしいところがありますが、そのセオリーにはまらない感じがこの作品の魅力なんじゃないかと思います。

──浅野は、いわゆる霊能者のイメージとは違いますよね。役作りについてはいかがでしたか?

【和⽥雅成】参考にしてください、と監督から言われた方がいるんです。昔テレビで活躍された方で、本当に除霊できているのか、できていないのか、当時の視聴者も「どっちなんだろう?」と思っていたと思うんです。その方の動画も見たりして役に落とし込んでいきました。最初はリアル寄りに作って現場に持っていったんですが、監督から求められているのがエンタメ方向だったんです。それで、話し方や声の大きさは不動産屋さんをイメージして演じました。お客さんにも、美咲と皐月のように「本当に大丈夫かな?」と疑いながら見ていただけたらうれしいですね。今回は霊能者の役でしたが、これまでは呪われる側を演じることが多かったので新鮮さもありましたし、僕自身が霊感は少しあるほうなんです。霊が存在する、という大前提が通用する人間なので、それは役として生きるうえでプラスになったかなと思います。

映像の世界の概念をぶっ壊したい

──本作はVlogがきっかけで物語が展開しますが、和田さんは日常を写真や動画で記録するタイプですか?

【和⽥雅成】仕事柄、写真は本当によく撮るんですけど、この仕事をしていなかったらたぶん全然撮らないと思います。でも、猫はとんでもなく撮ります!だから、写真フォルダは仕事で撮った自分の写真と猫の写真しかなくて、ナルシストみたいですよ(笑)。

──ちなみに、和田さんが高校生の頃に夢中になっていたことはどんなことですか?

【和⽥雅成】バイトです!宅急便の荷物の仕分け作業を高校の3年間やっていました。そこで時給が上がった人が2人しかいないんですけど、そのひとりが自分なんです。なんでそんなにお金を稼ぎたかったかというと、あるきっかけでプロボウラーの方と勝負をしたときに勝ててしまって、プロになれるかも…と思ったんですよ。それで、バイトで稼いだお金はほとんどボウリングに消えました(笑)。それまではひたすら野球をやっていて。絶対にプロになれると思って打ち込んでいたんですが、途中で無理だなって感じたんです。野球のうまいヘタよりも、自分が気に入らないからっていう理由で理不尽な目に合わされるみたいな上下関係の厳しさがあって。これが続く世界なら、自分はいられないと思ったんですよね。

──言葉を選ばずに言うと、芸能界にもそういう面がありそうなイメージなのですが…。

【和⽥雅成】そうですね。以前、映像畑のスタッフさんから、舞台俳優は少し立ち位置が違うというような空気を感じたこともありました。もちろん最低限の礼儀は必要だと思うんですけど、舞台って変な上下関係にこだわるというより、「目の前のお客様に届けるものをみんなで作ろうぜ」みたいな感じなので、ドラマの現場で「懐かしいぞ、この感じ…」と昔を思い出しましたね。でも、そのときは絶対見返してやろうと思いましたし、そういう映像の世界の概念をぶっ壊したいと思っているんです。まだまだ僕なんか何言ってんねんって感じですけど、でも発信し続けていけば世の中は変わると思っていて。経験がないことをバカにしたりする人たちがいなくなるべきだと思うし、そういう心情でいいものを作っていきたいなと思っています。

──今のお話もボウリングでプロを目指していたお話からも、目的を決めたら、そこを目指すパワーがすごい方なのかなという印象を受けました。

【和⽥雅成】好きなことは、やっぱり突き詰めたいっていうのはありますね。それこそ今は役者という職業が好きだから突き詰めたいですし、好きなものに対しては目標を立てて向かいたいと思っています。今の仕事も好きだからこそやれてますけど、売れ続けることが目標なので、今はそれに向かっている感じです。

2026年は新しい出会いにも期待

──本作が1月16日公開ということで、2026年の抱負や目標についても伺えたらと思います。

【和⽥雅成】売れる、売れるって毎年言ってるんですけど、もう売れてろよって自分でも思うんですよ。だからこそ、売れるっていうよりは「売れてろ」っていうのが目標です。

──そのためにやりたいことや自分の課題として、今感じていることはありますか?

【和⽥雅成】この職業って技術ももちろんですけど、本当に人との出会いがたぶん大半を占めているんですよね。もっと磨かなきゃいけないものがあると思いながらも、売れる準備はもうだいぶできてるぞっていう気持ちもあって。だからこそ、出会いって難しいですよね。でもそれこそ、2025年に『あなたを殺す旅』というFODの配信ドラマに出させていただいて、初めてBL作品に打ち込んだんです。そこで、初めましてのスタッフさんやお客様と出会うことができて、そこから今後広がるものがあるんじゃないかと楽しみにしています。

──BLドラマブームともいえる昨今ですが、やはり反響を感じますか?

【和⽥雅成】売れている人たちが出演しているドラマもある中で、総合ランキングの1位を何度か取れたことがすごく自信にもなりました。BL作品に対して思うところがある方もいるかもしれませんが、見てもらえれば、自分たちやスタッフさんがどれだけの想いをこの作品にかけているのかが伝わると思いますし、ヤクザ×BLという切り口も含め、ただブームというだけではなく、芝居としても勝負できる作品だったと思っています。

──新しい出会いという意味では、YouTuberのコウイチ監督が撮った今作もまた、世界を広げてくれそうですね。

【和⽥雅成】今までにない界隈の方たちに見てもらえるものになると思います。逆に、映画やドラマをよく見る方たちに「この作品、今までと違う感覚だなぁ」みたいに感じてもらえたらすごくいいなと思いますし、「なんかおもしろかった」という感想をもってもらえたら監督の想いともつながっていくんじゃないかな、と。この作品にはそういう魅力があると思うし、それが強みでもあると思います。

撮影=大塚秀美

取材・文=大谷和美

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