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相次ぐ林野火災を防ぐには?国や自治体の対策と気をつけたいポイントを解説

  • 2026.1.16

例年、冬から春にかけての日本列島は、シベリア高気圧や移動性高気圧、季節風などの影響で空気が乾燥しやすく、1年の中で最も林野火災が発生しやすい時期を迎えます。

2025年2月26日には、岩手県大船渡市で大規模な林野火災が発生し、長時間にわたる消火活動や周辺住民への避難指示など、地域社会に甚大な被害をもたらしました。

2026年も各地で山火事が相次ぎ、1月8日には山梨県で大規模な山火事が発生し、消火活動が続いています。また、私の住む愛媛県をはじめ、全国各地で林野火災特別警戒アラートが発表されるなど、火災が起きやすい気象状況となっています。

こうした事態を受け、国や自治体では従来の枠組みを超えた新たな林野火災予防の取り組みを加速させています。

この記事では、林野火災予防のための新たな取り組みや具体的な内容、備えるポイントを解説します。

林野火災予防の新たな取り組み内容

気象庁は2025年12月、林野火災予防のための新たな取り組みを始めることを発表しました。これは林野庁と消防庁が、大船渡市での大規模林野火災を教訓に開催した「大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」の報告書を受けて策定されたものです。

従来の啓発活動に加え、気象庁・消防庁・林野庁の3庁が密接に連携し、記録的な少雨など、火災リスクが極めて高い状況において、より分かりやすい注意喚起を行うことが目的です。

少雨に関する気象情報

これまで気象庁が発表する「少雨に関する気象情報」では林野火災との関連が明示されていませんでしたが、今後は「林野火災への注意」を新たに明記して呼びかけます。

運用期間は、林野火災が起こりやすい1月から5月にかけてです。

なお、最新の3ヶ月予報(2025年12月23日発表)では、西日本から東日本の太平洋側を中心に平年より雨が少ない見込みとなっており、例年以上の警戒が欠かせません。

雨が少ないと見込まれる地域では、この「少雨に関する気象情報」が発表される可能性もあるため、発表された際には火災対策がより一層重要になります。

林野火災予防ポータルサイトの開設

2025年12月に、気象庁のウェブサイト内に「林野火災予防ポータルサイト」が新たに開設されました。

これまでは、火災と関連性が高い乾燥・強風注意報や降水量、天候の特徴などを別々に確認する必要がありましたが、本サイトでは林野火災の予防に不可欠な情報が一元化されています。

臨時の記者会見の開催

少雨の地域が全国的に広がっている場合などには、気象庁・消防庁・林野庁が合同で記者会見を開催します。

専門的な気象解説とともに、国として直接、火災予防を訴えることで、社会全体の警戒意識を高めます。

SNSなどによる情報発信の強化

X(旧ツイッター)などを通じ、記録的な少雨時や火災多発時にリアルタイムで情報を発信します。

「今、火を使うのがどれほど危険か」という情報をタイムリーに届けます。

林野火災注意報・警報を新設する自治体も

自治体レベルでも独自の「林野火災注意報・警報」を新設し、地域に即した警戒を促す動きが広がっています。

例えば、東京消防庁では、林野火災の予防を目的とした「林野火災警報等」の運用を2026年1月1日より開始しています。また、4月以降には努力義務を伴う「林野火災注意報」の運用も順次開始される予定です。

警報が発令された区域では、屋外での裸火(覆いや囲いがない火)の使用が厳しく制限されます。

具体的には以下のような行為が対象となります。

  • 山林や原野での火入れの禁止
  • 屋外での花火やたき火、火遊びの禁止
  • 燃えやすい物の近くでの喫煙、および吸いがらの不始末の厳禁

林野火災警報は単なる呼びかけではありません。

発令中にこれら火の使用制限に違反した場合、消防法に基づき「30万円以下の罰金又は拘留」に処される場合があります。

火災注意報や警報の運用の有無や基準は自治体によって異なるため、お住まいや訪れる予定がある地域のホームページを必ず確認しましょう。

林野火災に備えるために

林野火災は一度発生すると消火が困難であり、広大な森林を一瞬にして失うだけでなく、私たちの生命や財産をも脅かします。

被害を防ぐためには、一人ひとりが火を出さないための知識を持ち、備えることが重要です。

林野火災の要因を知る

林野火災の要因について、まずは以下をご覧ください。

データから分かる通り、林野火災の原因の多くは自然発火ではなく、人間の不注意による失火です。

たき火や火入れが全体の半数近くを占めており、たばこのポイ捨てや火遊びなども林野火災の要因となっています。

林野火災が起こりやすい時期を知る

林野火災は、特に空気が乾燥しやすい1月から5月にかけて集中的に発生します。

以下は2020年~2024年における林野火災の月別平均発生件数です。

この時期は乾燥した性質が特徴のシベリア高気圧や移動性高気圧の影響で湿度が下がりやすいことに加え、地表に枯れ草や落葉が積もっており、燃え広がりやすい条件が整っています。

さらに春一番や季節風などによって強風が吹きやすく、火の粉を遠くまで運ぶため、一度出火すると一気に大規模化しやすいのも特徴です。

日頃からできること

林野火災を未然に防ぐためには、私たち一人ひとりの取り組みが大切です。

火を出さないという意識を持ち、以下のルールを守りましょう。

  • 乾燥時や強風時は火を使わない
  • 喫煙マナーを徹底し、ポイ捨てはしない
  • 火入れのルールを厳守する
  • 最新の気象・警報情報を確認する習慣をつける

国や自治体でもポータルサイトの開設やSNSでの発信強化など、林野火災予防のための新たな取り組みを本格化させています。

こうした最新情報にも注目し、一人ひとりの慎重な行動で、かけがえのない森林や私たちの命、そして大切な生活を火災から守りましょう。

<執筆者プロフィル>
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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