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「これぞグランドフィナーレ」ダウントニアン著名人たちも感無量!“ダウントン・アビーの最後”を見届けた感想からシリーズ推しキャラまで、愛を語りつくす

  • 2026.1.15

20世紀初頭の英国ヨークシャーを舞台に、壮麗な大邸宅ダウントン・アビーで暮らす貴族クローリー家と使用人たちのドラマが描かれてきた人気ドラマシリーズ「ダウントン・アビー」。2010年の放送スタートから15年、全世界で深く長く愛されてきたが、劇場版第3弾『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』(1月16日公開)でついに完結を迎える!本シリーズは多くの熱狂的なファンを生みだし、日本にもそのムーブメントは広がっている。そこでMOVIE WALKER PRESSでは、公開に先駆けて本作を鑑賞した、ダウントニアン(「ダウントン・アビー」ファンの呼称)である俳優やライター、コラムニスト、イラストレーターの感想を紹介。涙なしには観られない、感動の“フィナーレ”の見どころをひも解いていきたい。

【写真を見る】離婚騒動を巻き起こす長女メアリーや、家族を見守り続ける先代伯爵夫人バイオレット…本作の見どころを石川三千花の描き下ろしイラストで紹介

1930年夏、イギリス社交界の頂点“ロンドン・シーズン”が幕を開ける。もちろん、クローリー家の人々と使用人たちも胸を躍らせるが、長女メアリー(ミシェル・ドッカリー)の離婚が公となり、世間を騒がせる事態に。この時代は離婚した女性への風当たりが冷たく、上流階級においても不名誉なものとされていたのだ。時を同じく、メアリーの母コーラ(エリザベス・マクガヴァン)の弟ハロルド(ポール・ジアマッティ)がアメリカからやって来る。投資に失敗し、姉弟で受け継いだ亡き母の遺産を失ったというのだ。この遺産で屋敷を改修しようとしていたクローリー家にとっても大打撃。財政破綻の危機に陥り、当主ロバート(ヒュー・ボネヴィル)らは“変わる”ことの選択に迫られてしまう。時代がめまぐるしく移り変わるなか、クローリー家が下す決断とは?

「大邸宅をバックに流れる壮大なメインテーマを映画館で聴くとさらに感動!」(豊田エリー)

俳優として映画やドラマ、舞台で活躍する豊田エリーもシリーズの大ファンで、「15年の歴史を締めくくるのにふさわしい、愛に満ちた美しいフィナーレでした」と感無量の様子。続けて、「このシリーズのタイトル『ダウントン・アビー』が、あの壮麗な大邸宅そのものを指していることが改めて胸に沁み入ります。今作では“世代交代”というのが大事なテーマに感じました。時代が移ろい、人々は歳を重ね、彼らの哲学や信念が次の世代へと受け継がれていくなかで、唯一変わらずに佇んでいる建物、ダウントン・アビーがそのすべてを静かに包み込んでいるようでした」と語っており、新たな時代へ向かう“継承”の物語にふさわしい内容だったようだ。

ドラマ終了後も劇場版で登場人物たちの物語が紡がれてきたことに喜びを感じた豊田エリー
ドラマ終了後も劇場版で登場人物たちの物語が紡がれてきたことに喜びを感じた豊田エリー

「ある場面での次女イーディス(ローラ・カーマイケル)の毅然とした態度は爽快でした。こんなに強く、優しく、メアリーとの関係も穏やかになるなんて、以前は想像できなかった!」と振り返るように、長いシリーズのなかで紡がれてきた人間関係の変化にも感慨深いものがある。そのなかで、豊田が最も印象的なキャラクターに挙げているのが、使用人の一人で料理長助手のデイジー(ソフィー・マックシェラ)だ。

「頼もしく成長していることが印象的でした。パットモアさん(レスリー・ニコル)から邸宅のキッチンを引き継ぎ、農業フェスの実行委員にも選ばれ、人前で堂々と意見を話す姿からは、少しずつ積み重ねてきた努力が自信につながっていることがよく表れていて、とてもうれしくなりました。すごく努力家ですよね」。

メアリー、イーディスら登場人物たちの関係性の変化も魅力 [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED
メアリー、イーディスら登場人物たちの関係性の変化も魅力 [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED

また、2024年に惜しまれながら旅立ったオスカー俳優マギー・スミス演じる、先代グランサム伯爵夫人バイオレットの存在感にも言及。「シリーズ全体での推しキャラでした。聡明で、厳格で、でもウィットに富んだ言葉の数々が好きでいまも心に残っています。前作で彼女との別れが描かれましたが、いまも『バイオレットならどう思うか』とみんなが話していたり、彼女の存在が物語に息づいていることが感じられました。しかもそれが、深刻な空気を和らげるようなひと言として出てくるので、バイオレットを思い浮かべながら少しふふっと笑えることが、この作品のお洒落なところ」。

「30年代初頭のロンドンの煌びやかな夜の街から始まる冒頭のシーンがとても綺麗」というコメントからもわかるように、当時の街並みを再現した映像は見応え十分。「一気に物語の世界へと引き込んでくれます。ドレスや邸宅内の美術なども細部まで美しいので、ぜひ大きなスクリーンで堪能してもらいたいです。大邸宅をバックに流れるあの壮大なメインテーマも、映画館で聴くとさらに感動!」とスクリーンで観るべき作品であることを力説している。

シリーズが愛されてきた理由とは?という問いには、「キャラクター全員が本当に生き生きと魅力的に描かれていて、群像劇として素晴らしい」という答えが。「『あ、また同じような間違いをしている!』や『この人たくさん苦労したけどいまは幸せでよかった』など、長年の友人たちの人生を見守るような気持ちになっています。ドラマが終わっても、映画版で彼らのその後が丁寧に描かれていることがうれしいですし、今作の温かな余韻からも、クリエイター陣の作品愛を存分に感じられました」とし、シリーズを観ているうちにいつの間にか登場人物たちがかけがえのない存在になっていることがよくわかる。

使用人たちにも様々なドラマが [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED
使用人たちにも様々なドラマが [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED

「時代とともに変わっていった様々な価値観を見事にアップデート」(よしひろまさみち)

映画ライターのよしひろまさみちもシリーズに魅了された一人。「これぞグランドフィナーレ。そもそものテーマだった“相続人”の話を完璧にまとめ上げたうえで、時代とともに変わっていった様々な価値観を見事にアップデート。第二次世界大戦前にしては現代的すぎるのかもしれないけど、でもいま作られるにふさわしいそれぞれの結末でした」とその幕引きに太鼓判を押す。

トーマス・バロー、トムらを推しキャラに選んだよしひろまさみち
トーマス・バロー、トムらを推しキャラに選んだよしひろまさみち

本作で印象に残ったキャラクターには、クローリー家の元使用人で下僕から執事になったトーマス・バロー(ロブ・ジェームズ=コリアー)を推挙。前作『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』(22)においてアメリカの人気俳優ガイ・デクスター(ドミニク・ウェスト)の付き人になったが、今回もメアリーたちとの交流が描かれる。

「自身のアイデンティティに苦しんでツンケンしていたドラマ版の時代から、セクシュアリティの認知と解放をした映画版の変遷を、今作では完璧に回収。柔和になった彼の表情から、抑圧がどれだけの人に害をもたらすか表しています」。

さらにもう一人、クローリー家の三女シビル(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)の夫で、元お抱え運転手のトム(アレン・リーチ)もピックアップ。「クローリー家の危機はいつもトムがフィクサーとなって回避してきたし、いわば救世主。そもそも彼がアウトサイダーということも含めて推しです」との言葉が示すように、シビル亡きあとも一家を支えてきたトムの存在は大きい。

愛妻と死別しながらもクローリー家を支えてきたトム [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED
愛妻と死別しながらもクローリー家を支えてきたトム [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED

「物語のスケールはもちろん、美術(ロケセット)、衣装の細かなこだわりを観るには劇場が最適。テレビシリーズから数えると、設定としてはたった20数年の経過ではあるものの、激動の20世紀前半の文化はディテールからも感じ取れるはず」と、よしひろも劇場での鑑賞を推奨する。

シリーズにハマった経緯については、「観始めた時は、『はいはい、高慢な貴族と使用人の格差ものでしょ?』と思っていたのに、そんなの束の間。貴族のあり方がどんどこ変わっていく時代に、当事者の貴族たちはもちろん、市井の人々の暮らしや世俗、文化などなどの変化を、実際に起きた歴史的事象と合体させて見せていく構成にドハマリしました」と明かし、「登場人物がこんなにも多いのに、みな愛すべきキャラクターというのも稀有なパターン。ヴィランに見えても、そのバックボーンを知れば『悪くもなるよね』と納得できるだけの設定と背景があることがしだいに明らかにされていく展開の巧妙さ。それゆえに主要キャラクターは基本的に善人ばかり、というのも観ていて微笑ましく、観れば観るほど好きになる作品でした」と続け、物語展開の妙、そのなかで生き生きと立ち回ってきた登場人物たちの魅力を絶賛している。

「屋敷の主人と使用人たち、それぞれの世界と関係性がダイナミックに変わっていく」(山崎まどか)

「人気のあるシリーズだったので映画も3本作られたけど、これ以上時代が下ると第二次世界大戦が始まってしまうので、どうしようと思っていたところでした。華やかな1930年代がラストでよかったです」と語るのはコラムニストの山崎まどか。

脚本家になったモールズリーさんが印象的だったと語るコラムニストの山崎まどか
脚本家になったモールズリーさんが印象的だったと語るコラムニストの山崎まどか

「メアリーとイーディスが連れ立ってフォートナム&メイソンで買い物するような仲になったのを見て感慨深いものがありました。色っぽい悪役だったトーマスもすっかり丸くなってしまった。彼がゲストとして晩餐後の部屋に招かれるシーンは時代の移り変わりを感じて印象に残っています」とも説明し、激動の時代へと向かっていく、その直前で愛すべき登場人物たちが見せる耀きに感動も一入だったようだ。

印象的なキャラクターで挙げてくれたのは、クローリー家の元下僕で小学校の校長先生も務め、現在は脚本家として活動しているモールズリー(ケヴィン・ドイル)。「前作での意外なフィーチャーぶりが心に残っていますが、すでに脚本家になってもうダウントンで働く意味もなくなったのに、(俳優で脚本家の)ノエル・カワード(アーティ・フラウスハン)に紹介されたいばかりに下僕の仕事を引き受けてやってくるところが可笑しかったです」と推しポイントを力説する。さらに、「『脚本家こそがスターなんだよ』という発言や、スターがあってこその自分の仕事だという後半の反省の言葉を聞いて、ひょっとしたら彼は(本シリーズの脚本を手掛ける)ジュリアン・フェローズの気持ちを代弁しているのかもしれないと思いました」とも続け、モールズリーの人間味あるところにどうにも惹かれてしまうようだ。

スクリーン映えするシーンについては、「華やかなアスコット競馬場のシーンの迫力」とコメント。このほか、「ちょうど東京の庭園美術館では『ヴァン クリーフ&アーペル』を開催していて(1月18日まで)、この映画の登場人物たちが身につけているようなアールデコのドレスやジュエリーが展示されていて、映画と地続きの世界が楽しめます」とも解説するなど、劇中の豊かな色彩も魅力になっている。

華やかな競馬場や社交シーズンなど、貴族ならではのシーンも映しだす [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED
華やかな競馬場や社交シーズンなど、貴族ならではのシーンも映しだす [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED

本作での完結を見守ったことについては、「ゆっくりと大英帝国の栄華が去り、階級社会が瓦解していく。そんな時代背景に合わせて、屋敷の主人と使用人たち、それぞれの世界と関係性がダイナミックに変わっていくところに見応えがありました」と述懐。

「女性たちがコルセットから解放されて、だんだん自由に発言したり行動ができるようになったりするなど、細かなディテールも魅力的。ゴージャスなダウントンの館や優雅な風俗を見るのが楽しかった。ラストはグランサム伯爵とコーラ様と共に自分も思い出の屋敷を去っていくような気持ちでした」とし、時代が進むにつれて変わっていく社会の価値観や人々の営みが丁寧に描かれていたことに感嘆すると共に、改めてシリーズの終わりを惜しむ気持ちも伺える。

離婚騒動により、社交界を追われてしまう長女メアリー [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED
離婚騒動により、社交界を追われてしまう長女メアリー [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED

「ゴージャスなドレスやアクセサリーなどのディテールは大きな劇場の画面で」(石川三千花)

最後にイラストレーターの石川三千花の感想も、描きおろしイラストと共に紹介したい。「古き良き時代の英国貴族と彼らに仕える使用人それぞれの悲喜交々を、シリーズを通して見事にまとめ上げた。『過去が未来よりも居心地が良い時がある』と漏らしながらも、新しい時代の波に沿って、各人が決断して新たなる希望の時代を築いていこうとする姿勢が清々しい」。

【写真を見る】離婚騒動を巻き起こす長女メアリーや、家族を見守り続ける先代伯爵夫人バイオレット…本作の見どころを石川三千花の描き下ろしイラストで紹介 イラスト/石川三千花
【写真を見る】離婚騒動を巻き起こす長女メアリーや、家族を見守り続ける先代伯爵夫人バイオレット…本作の見どころを石川三千花の描き下ろしイラストで紹介 イラスト/石川三千花

上記の通り本作から前向きなメッセージを受け取った一方で、「ダウントン・アビーの屋敷を望む自然あふれる広大な敷地をバックに、グランサム伯爵夫婦が引きの構図で犬と歩むシーンが印象的。この物語はこの屋敷自体がある意味、主役でもあるので、ダウントン・アビーが一望できる風景が感動的だった」ともコメント。やはり劇中の世代交代にはこみ上げてくるものがあったようだ。

本作で特に推したいポイントには、「広大なるダウントン・アビーの風景はもちろんだが、屋敷のインテリアや調度品、当時のゴージャスなドレスやアクセサリーなどのディテールは大きな劇場の画面で観ていただきたい。個人的には、事あるごとにお茶(紅茶)を飲むシーンの、見事なティーセットと銀食器は興味津々」と美術の見事さに言及。さらに、「やはり先代の伯爵夫人バイオレット。存在感がハンパなし!亡くなってもなお、肖像画の額縁のなかから威厳を放っていた」とし、ダウントン・アビーを取り巻く人々を見守り続けるバイオレットのオーラは相変わらずとのこと。

ダウントン・アビーの屋敷を臨む自然あふれる広大な敷地を歩くロバート [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED
ダウントン・アビーの屋敷を臨む自然あふれる広大な敷地を歩くロバート [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED

シリーズが愛され続けてきた理由については、石川も「これだけ多種多様の登場人物の成長に合わせて、一人一人の物語を紡ぎまとめ上げた脚本の素晴らしさ」と登場人物と脚本の秀逸さに言及。「階級社会のあるイギリスの、貴族と使用人の関係の興味。変わりゆく時代に合わせて、人間も変わっていく時、寂しさや悲しみばかりではなく、そこに“希望”を見いだして新たに出発していく姿勢が清々しい」と続け、15年かけて積み上げられてきたエピソードの数々を思い返すことで、本作がより感慨深い作品になる。

クローリー家の人々が下す決断とは? [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED
クローリー家の人々が下す決断とは? [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.ALL RIGHTS RESERVED

シリーズに親しんできたファンにとって、「ダウントン・アビー」の人々は家族や友人も同然。共に過ごした日々を思うと寂しい限りだが、その最高の幕引きとなる『ダウントン・アビー/グランドフィナーレ』をぜひ劇場で鑑賞し、エンドロールの最後まで15年分の余韻に浸ってほしい。

構成・文/平尾嘉浩

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