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「あの子ばっかり…」兄弟・姉妹差別を受けて育った人の特徴とは。どんな性格になりやすい?

  • 2026.1.15

「なんであの子ばっかり……」兄弟姉妹の中で、自分だけ扱いが違うと感じながら育った経験は、想像以上に深い影響を残すことがあります。

親から受けた差別的な扱いは、自己肯定感や人間関係の築き方、さらには日常の選択にまで影響を及ぼしている可能性があります。兄弟姉妹差別を受けて育った人に見られる特徴と、今からできるリカバリー術をお届けします。

監修は医療法人社団燈心会理事長・ライトメンタルクリニック渋谷本院院長の清水 聖童先生です。

兄弟姉妹で対応に差をつける親、その心理を紐解く

「なぜ親は兄弟姉妹で扱いを変えるのか」という疑問に対して、まず理解しておきたいのは、多くの場合、親自身も無意識にそうした行動をとっているという点です。

親が意図的に子どもを傷つけようとしているケースは稀であり、むしろ親自身の育ちや価値観、心理的な余裕のなさが背景にあることが多いのです。

理由1 親自身の育ちが投影されている

親自身の育ちが子育てに影響しているケースは一般的です。親が自分の幼少期に「男の子は強くあるべき」「長女は我慢すべき」といった価値観の中で育つと、無意識にそれを自分の子育てにも持ち込んでしまいます。

また、親が兄弟姉妹間で比較されて育った場合、同じパターンを繰り返してしまう傾向もあります。

世代間で連鎖する育児パターンは、心理学でも広く認識されている現象です。自分が受けた育て方以外の方法を知らないため、同じことを繰り返してしまうのです。

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理由2 子どもへ自分の願望を押し付け、沿わない子どもを否定してしまう

「この子は勉強ができるから将来医者に」「この子は社交的だから営業向き」といった形で、子どもの個性を見る前に親の願望が先行してしまうことがあります。そして、その期待に沿う子どもは褒められ、沿わない子どもは否定されるという差別が生まれます。

とくに、親が自分の人生で果たせなかった夢を特定の子どもに託し、その子だけに過度な期待をかけることもあります。

逆に、期待をかけられなかった子どもは「どうせ自分は」という諦めの感情を抱きやすくなります。

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理由3 性別や出生順位により扱いを変えてしまう

性別による扱いの違いも、根強く残っていることがあります。

「男の子だから泣くな」「女の子なら家事を手伝いなさい」といったジェンダーに基づく差別は、現代でも多くの家庭で見られます。教育機会や習い事の選択、門限の違いなど、具体的な扱いの差として現れることも。

また、出生順位による差別もあります。長子には責任を求め厳しく育て、末っ子には甘くなる、あるいは中間子が見過ごされがちになるといったパターンです。

「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」「末っ子だから仕方ない」といった言葉は、子どもに深い不公平感を残します。

理由4 親自身の心理的余裕のなさ

経済的困難、夫婦関係の問題、仕事のストレスなどで心に余裕がないとき、親は特定の子どもに当たりやすくなったり、逆に特定の子どもだけを頼りにしてしまったりします。

とくに、親と性格や外見が似ている子どもは、親が自分自身の嫌な部分を投影してしまい、厳しく当たってしまうこともあります。「この子は自分に似ている」という認識が、無意識の拒絶反応を生んでしまうのです。

また、手がかかる子どもとそうでない子どもがいる場合、手がかかる子どもに時間とエネルギーを取られ、結果的に他の子どもへの関心が薄れてしまうこともあります。

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次:兄弟・姉妹差別を受けて育った人に出やすい「性格傾向」とは

兄弟・姉妹差別を受けて育った人に出やすい「性格傾向」とは

兄弟姉妹差別を受けて育った経験は、その後の性格形成に深い影響を与えます。あなたが「弱い」からではなく、困難な環境でサバイバルするために身につけた適応戦略です。

ただ、当時のあなたを守るために必要だった反応が、今の環境では生きづらさとなっている可能性があります。

1. 自己肯定感が低く、自分にダメ出しばかりしてしまう

「自分には価値がない」という感覚が根底にあることが多く見られます。

幼少期に「あなたはダメな子」というメッセージを繰り返し受け取ったため、成功しても「たまたま」と思い、失敗すると「やっぱり自分はダメだ」と過度に自分を責めてしまいます。

他者からの称賛を素直に受け取れず、「お世辞だろう」「本心ではないはず」と疑ってしまう傾向もあります。内面に厳しい批判者が住み着いているような状態で、常に自分を裁き続けてしまうのです。

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2. まわりを優先しすぎて、自分のことが後回しになってしまう

「嫌われたくない」「見捨てられたくない」という恐怖から、常に相手の機嫌を伺い、自分の気持ちよりも他者の要望を優先してしまいます。

家庭内で自分の存在を認めてもらうために「良い子」を演じ続けた経験が、大人になってからも「断れない性格」として残ることがあります。

自分のニーズを後回しにし続けた結果、自分が何を望んでいるのかさえ分からなくなっているケースも少なくありません。

「あなたはどうしたい」と聞かれても答えられず、「どちらでもいい」「みんなに合わせる」という返答ばかりになってしまいます。

3. 何でも完璧にやろうとして無理をしてしまう

「完璧にできれば認めてもらえるかもしれない」という期待から、極端な完璧主義に陥りやすい傾向があります。小さなミスも許せず、常に100点満点を目指してしまうため、精神的に疲弊しやすくなります。

また、努力しても報われなかった経験から、「もっと頑張らなければ」と過剰に自分を追い込んでしまうこともあります。

休息を取ることに罪悪感を感じ、常に何かをしていないと落ち着かないという状態になることもあります。

4. 誰かに認めてもらわないと不安で、依存的

幼少期に十分な愛情や承認を得られなかったため、他者からの承認を強く求める傾向があります。SNSでの「いいね」の数に一喜一憂したり、恋愛関係で相手に過度に依存してしまったりすることも。

また、褒められることが自己価値の唯一の証明のように感じてしまい、褒められないと不安になるという状態に陥りやすいのです。

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5. 気持ちを我慢しすぎて、本音をうまく伝えられない

家庭で自分の感情を表現しても受け止めてもらえなかった経験から、怒りや悲しみといった感情を押し殺す習慣がついていることがあります。

「泣いてはいけない」「怒ってはいけない」と自分に言い聞かせ続けた結果、大人になっても感情を適切に表現できず、溜め込んでしまうのです。

時には、感情が爆発してしまい、その後に強い罪悪感を抱くというパターンを繰り返す、あるいは感情を感じること自体を遮断してしまい、「何も感じない」「空虚だ」という状態になることもあります。

6. 他人と比べて落ち込みやすい

常に兄弟姉妹と比較されて育ったため、他者と自分を比べることが習慣化しています。

「あの人はできるのに、自分はできない」という思考パターンが染み付いており、他者の成功を素直に喜べず、むしろ自分の価値のなさを再確認する材料にしてしまいます。

SNSを見ては他者の幸せそうな様子に落ち込み、友人の成功を聞いても祝福より先に焦りや嫉妬を感じてしまう自分に、さらに罪悪感を抱くという悪循環に陥ってしまう人もいるのです。

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次:大人になってから出やすい"行動のクセ"とは?

大人になってから出やすい"行動のクセ"とは?

幼少期の兄弟姉妹差別の影響は、大人になってからの具体的な行動パターンとして現れることがあります。次のようなクセが出ていないか振り返ってみましょう。

「空気を読みすぎる」「相手に合わせすぎる」

職場や友人関係において、常に「空気を読みすぎる」「相手に合わせすぎる」といった過剰適応が見られます。

会議で本当は反対意見があるのに言えない、飲み会に行きたくないのに断れない、頼まれた仕事を抱え込みすぎるなど、自分の本音を押し殺し続けた結果、慢性的な疲労感や虚しさを感じることがあります。

「嫌われたくない」という恐怖が行動の基準となってしまっているのです。

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「自分は遅れている」「自分は劣っている」

SNSを見ては他者の幸せと自分を比較して落ち込む、同僚の昇進を聞いて焦りを感じる、友人の結婚報告に素直に喜べないなど、常に比較のフィルターを通して世界を見てしまいます。

「自分は遅れている」「自分は劣っている」という感覚が消えず、現在の自分の状況を肯定的に受け止めることができません。

競争心が強くなりすぎて、人間関係を「勝ち負け」で捉えてしまうこともあります。本来は協力し合える関係であっても、無意識に競争相手と見なしてしまうのです。

「断ったら嫌われる」「NOと言えない」

「NO」と言えない、自分の意見を主張できない、不当な扱いを受けても我慢してしまうといった行動パターンが見られることがあります。

たとえば、友人に頻繁にお金を貸してしまう、恋人からの理不尽な要求を受け入れてしまう、職場で明らかに自分の業務範囲外の仕事を押し付けられても断れないなど、健全な境界線を引くことが苦手です。

「断ったら嫌われる」という恐怖が、自分を守る行動を妨げています。結果として、利用されやすい、都合のいい人になってしまい、さらに自己評価を下げるという悪循環に陥ります。

「間違った選択をしてはいけない」

「間違った選択をしたら責められる」という恐怖から、重要な決断を避けたり、極端に時間をかけたりする傾向があります。

選択した後も「本当にこれで良かったのか」と後悔し続けることもあります。幼少期に自分の選択を否定され続けた経験が、決断への恐怖として残っているのです。

「認められたい」「次も成功しなければ」

「認められたい」という強い欲求から、短期間に過剰な努力をして燃え尽きてしまうパターンを繰り返すことがあります。

新しいプロジェクトに全力投球して成果を出すものの、その後に深い虚無感や疲労感に襲われる、目標達成しても喜びが続かず、すぐに次の目標を追い求めてしまうといった行動です。

達成感よりも「次も成功しなければ」というプレッシャーの方が大きく、永遠に満足できない状態が続きます。また、完璧にできないなら最初からやらないという極端な思考に陥ります。

「本当の自分を知られたら嫌われる」「自分は受け入れられない」

深い人間関係を築くことへの恐怖を感じることもあります。「本当の自分を知られたら嫌われる」という信念から、表面的な関係は築けても、深いつながりを避けてしまうのです。

恋愛関係では、相手が近づいてくると突然距離を取りたくなる、結婚を考えるようになると急に別れたくなるといった行動パターンが見られることがあります。

幼少期に「ありのままの自分は受け入れられなかった」という経験が、親密さへの恐怖として残っているのです。

次:生きづらさを感じている人が、今日からできる5つのステップ

生きづらさを感じている人が、今日からできる5つのステップ

ここまで読んで、「自分のことだ」と感じた方もいるかもしれません。過去を変えることはできませんが、今の自分と未来は変えることができます。今日から始められる具体的なステップを紹介します。

ステップ1 「自分が受けた扱いは不当だった」と認識する

重要なのは、「自分が受けた扱いは不当だった」と認めることです。「親も大変だったから」「兄弟姉妹の方が優秀だったから仕方ない」と自分を納得させる必要はありません。

あなたが感じた悲しみ、怒り、孤独感は正当なものです。日記をつけて、自分の感情を言葉にしてみましょう。「あの時、本当は悲しかった」「あの扱いは不公平だった」と書くだけでも、抑圧していた感情が少しずつ解放されていきます。

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感情に良い悪いはありません。怒りを感じることも、親を恨むことも、それ自体は自然な反応です。大切なのは、その感情を認めることです。

ステップ2 自分を批判する自分に気づき、距離を置く

頭の中で「自分はダメだ」「どうせ自分なんて」と自分を責める声が聞こえたら、それに気づくことから始めましょう。その声は本当のあなたの声ではなく、過去に植え付けられた「内なる批判者」の声です。

「また自己批判の声が出てきたな」と客観的に観察してみてください。そして、「この声は事実ではなく、過去の経験から生まれた思い込みだ」と自分に言い聞かせます。

さらに、もし親友が同じことで悩んでいたら、あなたは何と声をかけますか? 自分に対しても、同じように優しい言葉をかけてあげてください。

「頑張ったね」「それは大変だったね」という言葉を、自分自身にも向けてあげましょう。

ステップ3 小さな「NO」から始める

いきなり大きな自己主張をする必要はありません。まずは日常の小さな場面で「NO」と言う練習から始めましょう。

例えば、本当は飲みたくない二次会を「今日は疲れているので失礼します」と断る、頼まれた仕事が明らかに自分の範囲外なら「申し訳ありませんが、今は対応が難しいです」と伝える、といった小さなステップからです。

最初は罪悪感や不安を感じるかもしれませんが、断った後に世界が崩壊しないこと、むしろ相手も意外とあっさり受け入れることに気づくでしょう。小さな成功体験を積み重ねることで、自己主張への恐怖が少しずつ和らいでいきます。

ステップ4 比較ではなく自分の成長に焦点を当てる

他者と比較する癖に気づいたら、意識的に「自分は自分」と唱えてみましょう。SNSで比較してしまう場合は、一時的にアプリを削除したり、特定のアカウントをミュートしたりするのも有効です。

代わりに、自分自身の成長に焦点を当てます。「1年前の自分と比べて、今の自分はどう成長したか」と問いかけてみてください。小さな進歩でも、それは確実にあなたの成長です。

また、毎日寝る前に「今日うまくいったこと」を3つ書き出す習慣をつけるのもおすすめです。

どんなに小さなことでも構いません。「朝、時間通りに起きられた」「同僚に感謝を伝えられた」「美味しいランチを食べた」など、自分を認める練習になります。

ステップ5 専門家のサポートを検討する

ここまで紹介したステップを試してみても、生きづらさが改善しない、あるいは日常生活に支障が出ている場合は、カウンセラーや心理療法士といった専門家のサポートを検討してください。

もし次のような状態が続いている場合は、セルフケアだけでは回復が難しいことがあります。

・朝起きるのがつらい、気力が出ない
・何をしても楽しいと感じられない
・人間関係の中で強い不安や緊張が続く
・過去の記憶がよみがえり、涙が止まらないことがある

専門家に相談することは「弱い」ことではなく、「自分を大切にする」ことです。歯が痛ければ歯医者に行くように、心が辛ければ心の専門家を頼ることは自然なことなのです。

両親から愛されて育った人とそうでない人、どんな違いがある?

監修者プロフィール

清水 聖童先生

医療法人社団燈心会理事長・ライトメンタルクリニック渋谷本院院長。心理療法、生活習慣、栄養学など幅広い知識を背景とした精神予防医学を専門とし、病前から介入する精神医療を模索したクリニック「ライトメンタルクリニック」を立ち上げる。メンタルヘルスに関する記事監修や講演、取材対応も積極的に行い、専門的な知見を広く発信している。
公式サイト https://light-clinic.com

<Edit:編集部>

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