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近頃ちょっとご無沙汰では?たまにはクラシックなビストロ料理を。

  • 2016.6.15

ビストロおなじみの赤白の格子のテーブルクロス。モダンなインテリアのレストランが増えている近頃、このクラシックなクロスを使用しているビストロはパリ市内では少なくなってきているのではないだろうか。

7区のシュルクフ通りで、80年以上前から人気のビストロとして住民の信頼を得ているオー・プティ・トノー。店の扉をあけて何よりも先に目にとびこむのは、赤白格子に覆われたテーブルだ。昔ながらのビストロ料理と楽しい時間が約束されているようで、心が弾み......そして、食欲が刺激される。小説家ジョルジュ・シムノンが常連客で、執筆しながら食事をしていたビストロということでも知られているアドレスだ。彼が生み出した推理小説の主人公メグレ警視の名はとても有名で、ある椅子の後ろの壁に貼られているプレートには、実際はシムノンのことなのだが、"メグレ警視がいつも座っていた席"と書かれているほど。彼の小説にはこの店の名物料理であるブランケット・ドゥ・ヴォーも登場した。

左:プティ・トノー(小ダル)が置かれた店内。右:名物のブランケット・ドゥ・ヴォー。

数年前に新しいオーナーとなったのは、もともとこの店の常連客だったというアルレット・イダ。フランスの伝統的ビストロ料理の歴史を守りつつも、今の時代にあうようにと彼女は昨年ヴァンサン・ヌヴーをシェフに迎えた。7年近く、オテル・ブリストルでエリック・フレションの元で経験を積み、その後、オペラ座近くのグランド・ホテル・インターコンティネンタルで仕事をしていたという、若いシェフである。シンプルで味わい深く、そしてクオリティと価格が適正な料理。当たり前のようだが得難い料理がオー・プティ・トノーで待っているのだ。ビストロのクラシック料理がアラカルト・メニューに並び、店内に掲げられた黒板には季節の料理が書かれている。

流行りの食はカジュアルな10区に集中しているパリだけど、たまには7区という高級住宅地でクラシックなビストロ料理というのも悪くないだろう。気取りのないコージーな雰囲気の店内で、ワイン片手の長閑な日曜日......という過ごし方もここに来れば可能だ。前菜とメイン、あるいはメインとデザートで22ユーロ。ランチは前菜、メイン、デザートのセットで26ユーロ。

エスカルゴ、ウフ・アン・ムーレット......前菜もメインも街中のビストロの味とは一線を画す、若いシェフによるワンランク上のビストロ定番料理。

添え野菜もいろいろ。グラタン・ドフィノワはとてもクリーミーで後をひく美味しさ。

タルト・タタン、レモン・メレンゲ・パイ......デザートも実にクラシックだ。

Au Petit Tonneau
オー・プティ・トノー
20, rue Surcouf
75007 Paris
Tel. 01 47 05 09 01
営)ランチ12:00~14:30、ディナー19:00~22:30
休)月曜ディナー
www.aupetittonneau.fr/index.php/ja/

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