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憧れと受け身姿勢から恋人同士になった男子大学生。ぎこちない日々を重ねながらだんだん距離が近づいていくふたりに心が温まる物語『165185』【書評】

  • 2026.1.10

【漫画】本編を読む

恋人関係は、互いに相手を大切に思うことで初めて成り立つ。どうすれば喜んでくれるのか、どんな言葉を待っているのか、どんな力になってあげられるのか。そしてこの思いは重すぎないか、逆に軽すぎないか。恋人同士となった後は、特別な存在になれた喜びと愛情をどう相手に伝えていくかが何よりの楽しみであり、そして意外と悩みのタネにもなる。『165185』(野良おばけ/KADOKAWA)は、互いをあまり知らない関係から恋人同士になったふたりの男子大学生を描いた物語だ。

日下部誠(くさかべまこと)は、高校の卒業式で同級生・遠山聖(とおやまひじり)に告白する。聖は身長185cmで顔も性格も良く友達も多くてモテる。対して誠は身長165cmで聖に比べると目立たない高校生活を送っていたため、3年間、聖に対して憧れを抱きながらも遠くから見ているだけだった。だから最後に思いだけを伝えたかった誠だったのだが、意外にも聖からの返事はOK。学部は違うものの、ふたりは同じ大学に通う恋人同士となった。

とはいえ高校時代にほとんど交流のなかったふたりのコミュニケーションは、物語の当初はかなりぎこちなく、気持ちの探り合いをしている様子が初々しくて微笑ましい。そして一緒に過ごす時間を重ねていくにつれて、ふたりの気持ちがどんどん変化していくのが見どころである。ずっと受け身で相手に任せっきりに生きてきた聖が、聖に気を遣ったつもりで勝手に判断する誠にモヤつき、ちゃんと自分の欲求をぶつけてほしいと、東京駅の大勢の前で伝える場面が秀逸だ。

恋人同士というのは、ふたりでいる居心地の良さのうえに、相手がいるおかげで双方が成長していける関係がベストなのだと誠と聖を見て思う。将来をまっすぐに見据えながら一緒に歩くふたりの姿を見ていると、心が温かくなって最後まで見届けたくなるのは私だけではないはずだ。

文=nobutaro

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