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4つの時代と4人の少女…カンヌが震えた100年にわたる怪奇譚『落下音』4月に日本公開決定!

  • 2026.1.8

第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部⾨で審査員賞を受賞し、アカデミー賞のドイツ代表にも選出された『SOUND OF FALLING』が、邦題を『落下音』として4月3日(金)より日本公開されることが決定した。

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本作は1910年代を生きるアルマ、1940年代のエリカ、1980年代のアンゲリカ、そして現代のレンカという4つの異なる時代を⽣きる4⼈の少⼥たちが、同じ⼟地で体験する不可解な出来事を描いた100年にわたる映像叙事詩。1910年代、アルマは同じ村で⾃分と同じ名を持つ幼くして死んだ少⼥の気配に気づく。1940年代、戦争の傷跡が残るなか、エリカは⽚⾜を失った叔⽗への抑えきれない欲望に気づき、⾃らの得体のしれない影に⼾惑う。1980年代、アンゲリカは常に肌にまとわりつく“なにか”の視線に怯えていた。そして現代、家族と共に移り住んだレンカは、⾃分の存在が消えてしまいそうな孤独感に徐々に侵⾷されていく。100年の時を経て響き合う彼⼥たちの“不安”が、この北ドイツの農場を静かに覆いつくしていく。

監督は⻑編2作⽬にして第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部⾨⼊りを果たした、ドイツ出⾝の新鋭マーシャ・シリンスキ。本作のカンヌ国際映画祭での公式上映後には、テレンス・マリック、ジェーン・カンピオン、ミヒャエル・ハネケ、デヴィッド・リンチといった⻤才の名が引き合いに出されながらも、いずれにも回収されない独⾃の映画世界が⾼く評価された。またその⾰新性は映画祭に鮮烈な驚きをもたらし「今年のカンヌで最も記憶に残る作品」、「映画⾔語を更新する新たな才能」、「次世代を担う重要な監督の登場」といった称賛が相次いだ。

このたび解禁された特報は、⼼に静かなざわめきを残す“不安”そのものを切り取ったような映像。周囲の時間が停⽌したかのような空間で、すべてを⾒透かすように視線を据える喪服の少⼥。そこにフラッシュバックのように交錯する4つの時代と4⼈の少⼥たちの重なり合う記憶、ノイズのように響くサウンドデザインが、不穏な気配をいっそう際⽴たせていく。

あわせて公開されている本ポスターは、ある葬儀の場を舞台に、周囲の⼤⼈たちが時空の歪みに呑み込まれたかのように不安定な姿で⽴ち尽くすなか、少⼥アルマだけが鮮明な輪郭を保ち、あるものへと視線を向ける瞬間を捉えている。添えられたキャッチコピーは「⽣きているのか、死んでいるのかはどこでわかるの?」。⼀体、彼⼥の⽬にはなにが映っているのだろうか。少⼥の視線に導かれるように、観る者⾃⾝もまた、時間の波に呑み込まれていきそうなビジュアルとなっている。

重厚な雰囲気と不穏なムードが漂う映像に期待が高まる本作。ドイツから登場した新たな才能を映画館で目撃してほしい。

文/スズキヒロシ

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