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中国に和歌山生まれのパンダ10頭が集結! 姉妹の結浜・楓浜は近くで暮らせる? 良浜には中国で会える? 「成都基地」パンダ公開の“通例”とは【ベスト記事2025】

  • 2026.1.8

2025年1年間で特に人気を集めたCREA WEBの記事を発表! あの映画やドラマのヒットの理由から、気の利いた手土産、そして、じっくり読みたい注目の人のインタビューまで。たっぷりお楽しみください。(初公開日 2025年8月9日 ※記事内の情報は当時のものです)


中国に出発する前日の良浜。2025年6月27日(金)。(筆者撮影、以下同)

和歌山県白浜町にあるアドベンチャーワールドで生まれたジャイアントパンダの母娘4頭が6月28日(土)に中国へ渡って1カ月が経ちました。4頭は、四川省にある「成都ジャイアントパンダ繁育研究基地」(以下、成都基地)で暮らしています。成都基地は、307ヘクタール(東京ドーム65個分)という非常に広い敷地で、200頭以上のパンダを飼育しています。

成都基地の公式プラットフォームによると、7月27日(日)時点では、アドベンチャーワールドで生まれた6頭が基地内の公開エリアで暮らしているため、合わせて10頭が成都基地に集まっていることになります(以下、特に記載がなければ、成都基地でのパンダの配置は7月27日(日)時点の同基地の公式プラットフォームに基づきます。なお、公式プラットフォーム上で公開エリアのパンダ舎にいることになっていても、公開されるとは限りません)。

アドベンチャーワールドでは、これまでに17頭のパンダが生まれ育ちました。17頭とオスの永明(えいめい)の計18頭を成都基地に送り出しており、その回数は下記の通り8回に上ります。

2004年6月に雄浜(ゆうひん)
2007年10月に隆浜(りゅうひん)・秋浜(しゅうひん)
2010年3月に幸浜(こうひん)
2012年12月に愛浜(あいひん)・明浜(めいひん)
2013年2月に梅浜(めいひん)・永浜(えいひん)
2017年6月に海浜(かいひん)・陽浜(ようひん)・優浜(ゆうひん)
2023年2月に永明(えいめい)・桜浜(おうひん)・桃浜(とうひん)
2025年6月に良浜(らうひん)・結浜(ゆいひん)・彩浜(さいひん)・楓浜(ふうひん)
※本稿では、永明とアドベンチャーワールドで生まれたパンダの名前は、日本語での読み方を記しています。

中国に出発する前日の結浜。
中国に出発する前日の彩浜。
中国に出発する前日の楓浜。

隔離エリアで検疫

成都基地は、良浜、結浜、彩浜、楓浜が非公開の隔離エリアで過ごす様子を映した短い動画を7月10日(木)、7月17日(木)、7月24日(木)、8月1日(金)に公開。タイトルは「“良浜”一家 隔離日誌」です(8月7日(木)時点)。

昨年10月にアメリカのアトランタ動物園から来た親子4頭の動画は、「“倫倫”“洋洋”一家 隔離生活記録」が5回、「“倫倫”“洋洋”一家 生活記録」が11回公開されたので、「“良浜”一家」の動画公開もしばらく続くかもしれません。このアトランタから来た4頭は、1999年11月に中国からアトランタへ渡った倫倫(ルンルン)と洋洋(ヤンヤン)、その子どもでアトランタ生まれの双子の雅倫(ヤールン)と喜倫(シールン)です。

中国国外から中国に来たパンダは、隔離エリアで通常30日間の検疫を受けることになっています。検疫の主な目的は、パンダが病気や感染症を中国に持ち帰り、他のパンダに感染させるのを防ぐこと。検疫期間が30日間を超える場合や、検疫後も非公開の経過観察期間を設ける場合もあります。

成都基地で、近年拡張された新エリア。アドベンチャーワールドで生まれたパンダの多くは新エリアにいる。写真左は有料のカート、右にそびえるのは「熊猫(パンダ)塔」(タケノコタワー)。2025年4月30日(水)。

成都基地で公開中の最高齢のパンダは27歳

検疫後の4頭について、成都基地が(1)公開するかしないか、(2)公開するならいつか、(3)引き続き成都基地で飼育するか他の施設に移すかは、明らかになっていません。

(1)公開するかは、年齢が左右することが多いです。永明は中国への渡航時に30歳と高齢だったので、成都基地ではずっと非公開のエリアで過ごし、今年1月25日(土)に生涯を閉じました。成都基地が永明の死を公表したのは、死の約20日後でした。

成都基地の公開エリアにいる最高齢のパンダ(野生下で保護され生年月日が不明なパンダを除く)は、27歳の3頭。小双(シァォシュゥァン)と前述の倫倫、洋洋です。そのため24歳(今年9月6日で25歳)の良浜は、年齢だけで考えるなら公開される可能性があります。

アトランタ動物園にいた頃の洋洋。2018年4月。

(2)渡航から公開までの期間は、個体によって幅があります。パンダからすれば、住む場所、食べ物、飼育員や獣医師、さらに聞こえてくる言語も変わります。近くにいるパンダや人のにおい、音に敏感に反応するパンダもいます。

こうした環境の変化への適応度や性格などを踏まえ、公開まで時間をかけることもあります。東京の上野動物園で生まれた香香(シャンシャン)は繊細な性格とみられていて、四川省の雅安で公開されたのは、渡航の約8カ月後でした。(参照:中国ではシャンシャン見放題? 初公開から3日後の様子をレポート 上野動物園との違いは)。

中国・雅安での公開から1年以上が経った香香。2024年12月8日。

(3)アドベンチャーワールドから成都基地に渡り、その後、他の場所に移動となったパンダもいます。例えば、優浜は安徽省にある宿州野生動物園で暮らしています。また、筆者は秋浜を2018年7月に広東省の深圳野生動物園で、陽浜を2023年6月に四川省の成都動物園で観覧しました。

中川 美帆 (なかがわ みほ)

パンダジャーナリスト。早稲田大学教育学部卒。毎日新聞出版「週刊エコノミスト」などの記者を経て、ジャイアントパンダに関わる各分野の専門家に取材している。訪れたパンダの飼育地は、日本(4カ所)、中国本土(12カ所)、香港、マカオ、台湾、韓国、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、カナダ(2カ所)、アメリカ(4カ所)、メキシコ、ベルギー、スペイン、オーストリア、ドイツ、フランス、オランダ、イギリス、フィンランド、デンマーク、ロシア。近著に『パンダワールド We love PANDA』(大和書房)がある。
@nakagawamihoo

パンダワールド We love PANDA

定価 1,650円(税込)
大和書房

文・撮影=中川美帆

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