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キュンどころか号泣!!「4コマで泣くとは思わなかった」キュンバト優勝作が生んだ想定外の感動と静かな余韻【作者に聞く】

  • 2026.1.7
卒業式が終わり、息子は花束を手に帰宅した。 画像提供:津夏なつな(@tunatu727)
卒業式が終わり、息子は花束を手に帰宅した。 画像提供:津夏なつな(@tunatu727)

一つのテーマから、描き手それぞれの解釈が立ち上がる競作企画。その醍醐味を存分に味わわせてくれたのが、「卒業」をお題に行われたTwitter上の競作「キュンバト」だった。キュンとする作品が並ぶ中、恋愛とは異なる方向から読者の心を撃ち抜いた4コマ漫画がある。「4コマでここまで綺麗な話を描けるなんて」「惚れました」と感動の声が相次ぎ、6000件を超える「いいね」が寄せられた。

「卒業」するのは少年だけじゃない…花束が向けられた先

「卒業」1 画像提供:津夏なつな(@tunatu727)
「卒業」1 画像提供:津夏なつな(@tunatu727)
「卒業」2 画像提供:津夏なつな(@tunatu727)
「卒業」2 画像提供:津夏なつな(@tunatu727)
「桃太郎の機転」1 画像提供:津夏なつな(@tunatu727)
「桃太郎の機転」1 画像提供:津夏なつな(@tunatu727)

作者は、「4コマ漫画1000本ノック」として日々作品を投稿している津夏なつな(@tunatu727)さん。そして本作は、「キュンバト」で初代優勝作にも選ばれた一編だ。

物語は、卒業式を終えて帰宅した不良少年の姿から始まる。手にしていたのは花束。その様子に母親は、「あんたみたいな不良にも花をくれる後輩がいるんだ」と驚きを隠さない。しかし少年はぶっきらぼうに否定し、その花束を母へ差し出す。「母ちゃんも今日で卒業ってこと!」。

苦労をかけたことへの謝罪と感謝を、不器用な言葉で伝える息子。「これから俺がこの家を守るから」。その一言に、母は堪えていた涙をあふれさせる。部屋の片隅には、静かに父の遺影が置かれていた。

「4コマで泣きそうになったのは初めて!」恋愛じゃない“キュン”が読者の胸に刺さった

「キュン」「卒業」と聞けば、どうしても恋愛シーンを思い浮かべてしまう。そんな固定観念を裏切り、家族の絆を描いた本作には、「4コマで泣きそうになったのは初めて」「一気に感情を持っていかれた」といった声が数多く集まった。

津夏さんの作風は、シュールな構成やブラックなオチなど、笑いに振り切ったものも多い。Amazon Kindleインディーズで無料公開されている電子書籍『よりぬき4コマ1000本ノック』でも、その幅の広さがうかがえる。だからこそ、この「卒業」は「いつもと違いすぎて動揺した」という感想が寄せられるほど、強い印象を残したようだ。

「他の人が描かなそうなもの」を探し続けて

津夏さんは、競作に参加する際、常に「他の参加者が描かなそうなアイデア」を意識しているという。「卒業」というお題を聞いた瞬間、男女の恋愛が浮かんだからこそ、あえてそこを外した。卒業は子どもが主役のイベントだが、親にとってもまた大きな節目だ。成長を喜ぶ気持ちと、手を離れる寂しさ。その入り混じった感情こそが、今回描きたかった“キュン”だった。

あざとさ全開で挑んだ、初めての感動路線

本作は、津夏さん自身にとっても挑戦だったという。普段は描かない、感動してもらうことを前提にした作品。「正直、少し気恥ずかしかった」と振り返るが、あえて真面目に向き合ったからこそ、強い余韻を残す一作になった。

完成した作品は、低次元ギャグ漫画と自称する普段の作風とは大きなギャップがあった。それでも読者はこの変化を受け止め、「安心した」「やっぱりいつものギャグも読みたい」という声も同じくらい届いたという。

4コマ1000本ノックでの挑戦は続いていく

日々4コマを描き続ける「4コマ1000本ノック」。津夏さんはこれからも、より多くの人に届く作品を目指しつつ、今回のように未挑戦のジャンルにも積極的に向き合っていきたいと語る。わずか4コマで描かれた「卒業」は、読み終えたあと、静かに胸の奥を温め続ける。キュンという言葉では収まりきらない感情が、確かにそこに残っている。

取材協力:津夏なつな(@tunatu727)

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