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【大濠】本当は教えたくない。食通が集うカウンター日本料理の店。

  • 2026.1.6

こんにちは!リビングふくおか・北九州Web地域特派員のKYOKOです。

今回ご紹介するのは、私のお気に入りのお店から。今、食通の間で静かな話題となっている、七席のみの日本料理店「二ノ誠(にのせ)」を取材してきました。

まだ今年の夏オープンしたばかりなのですが、すでに名店と呼ばれるのにふさわしい素晴らしい料理を出されています。早速、気になるレポをどうぞ!

出典:リビングふくおか・北九州Web

二ノ誠とは

「二ノ誠」のご主人、永石武史(ながいし たけし)さんは、京都、福岡、佐賀での長年の修業を経て、福岡・大濠に小さな暖簾を掲げました。

喧騒から少し離れた路地に静かに佇むそのお店は、どこか凛とした空気に包まれるような、そんな大人の隠れ家のようです。

席はわずか七席のみで、ご主人が、一人ひとりと丁寧に向き合える距離感。艶やかに磨き上げられた白木の一枚板のカウンターと小さな空間が迎えてくれます。

上質な九州の食材を使った郷土色豊かな料理が続き、その世界感を支え、引き立てる器たち。きっと贅沢で忘れられない食事のひとときとなるでしょう。

出典:リビングふくおか・北九州Web

ある日のコース。

料理は、おまかせコース(全12品)の20,000円(税込)のみ。18時半一斉スタート。

店主自ら厳選した九州食材のコースを堪能したいと思います! (コースは、旬の食材を使用されており、毎月内容が変わります。)

先ず、一品目は、「モクズガニのはす蒸し仕立て」。

出典:リビングふくおか・北九州Web

矢部川のモクズガニ(川ガニ)を使ったはす蒸し仕立てです。

モクズガニの濃厚な旨味に、すりおろした佐賀・白石蓮根のふわふわとした優しい甘みが調和し、上品で特別な味わいが特徴。上からかけられた葛餡と蟹味噌のコクと風味が全体の味の決め手になっています。

蒸すことで、カニ特有の磯の香りと、蓮根の土の香りが合わさり、季節感のある豊かな香りも楽しめます。

出典:リビングふくおか・北九州Web

二品目。

蓋の閉じられた小さな竹かご盛りが運ばれてきました。竹かごは、大分で特別に作っていただいたものとか。

かごの周りに敷き詰められた銀杏の葉からは、ふわりと広がる季節の気配も感じました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

紐を解き蓋を開けてみるとーー

今の旬を映した八寸が美しく並び、ひと品ひと品が小さな美しい景色のよう。

出典:リビングふくおか・北九州Web

・カキの胡麻白和え 菊花を和えてあり福岡の柿の甘さと調和した優しいお味。

・銀杏からすみ和え 私が苦手な銀杏を初めて心から美味しいと思わせてくれた上品さが光る一品。

・厚焼き玉子 奥様のご実家、唐津のみのり農園の人気の卵を使用。すり身入り。

・車海老の酒粕漬

・びへい栗の渋皮煮

・ジャンボ落花生 唐津産を使用し、塩ゆで。

・鮎の風干し 福岡の鮎を使用。

・菱の実 柳川産の菱。身はホクホクしていて栗のようなお味。

出典:リビングふくおか・北九州Web

山の恵み、海の香り、そして季節を知らせる色合いが、かごの中に丁寧に収められています。味わう前から、目で楽しませてくれるのが日本料理の魅力。季節をいただく、そんな言葉が自然と心に浮かびます。

三品目は、お刺身三種。先ず、「大分産、本カワハギの刺身」。

出典:リビングふくおか・北九州Web

透き通るような身の艶が美しい本カワハギの刺身。丁寧に引かれた刺身の横には、こんもりとした肝、ねぎ、わさび、スダチが添えられています。

まずは刺身だけを一切れ。本カワハギに合わせ少し薄めに仕上げただし醬油に軽くくぐらせて口に含むと、噛むほどに上品な甘みが広がり、脂乗りが抜群。

出典:リビングふくおか・北九州Web

そこへ肝を少し絡めると、景色は一変。濃厚でありながら重くなく、カワハギならではの深いコクが、すっと溶け込みます。

わさびを添えれば輪郭が引き締まり、スダチをひと絞りすれば、後味に凛とした余韻。出汁醤油の優しい旨味が全体を包み込み、素材の良さを決して邪魔しない。ひと口ごとに職人の仕事が伝わる、静かにじっくり味わいたい大人の刺身でした。

次に運ばれてきたのは、「カマスの炙り」。

出典:リビングふくおか・北九州Web

皮目だけをさっと炙り、下はあえてレア。

器の中に広がるこのコントラスト。箸を入れると、表面は香ばしく、中はしっとり。炙りの熱で引き出された旨味と、カマス本来の淡白で上品な身質が、口の中で心地よく重なり合います。

出典:リビングふくおか・北九州Web

合わせているのは、きりっとしたポン酢。酸味が強すぎず、炙りの香りを受け止めながら、後味をすっと整えてくれるよい仕事っぷり。

カマスの上にのせられたマイクロしそが、ふわっと爽やかな香りを添え、ひと口ごとに余韻を軽やかにしてくれるます。炙りとレア、その境界線の美味しさを、静かに楽しみたい一品。

最後の刺身、「壱岐のヤイトガツオ」。

出典:リビングふくおか・北九州Web

一般的なカツオの力強さとは少し違い、身にはきめ細やかな艶と上品な脂の気配。カツオの中でも脂のりが良く「全身トロ」と呼ばれているのだとか。

カラシと出汁醤油でいただき、脂は豊かなのに重くなく、驚くほど繊細。カラシの刺激が脂の甘みを引き締め、余韻を静かに伸ばしてくれます。壱岐の海の豊かさとゆっくりと広がる旨味を感じる、忘れがたいカツオでした。

四品目は、なんとすっぽんのお料理。「すっぽんを使った丸豆腐のお椀」。

出典:リビングふくおか・北九州Web

輪島塗の椀の蓋を開けた瞬間、湯気とともに、凛とした出汁の香り。口に含めば、出汁に使用された日本酒の甘みが強く感じられ、さすが滋養強壮に富む食材、体があったまります。

器の中央には、玉子を蒸して作られた玉子豆腐。そして、すっぽんの身を細かくほぐしたものを、玉子豆腐の層に使用。

魚のような生臭さはなく、すっぽん特有の滋味深いコクと旨味が、玉子豆腐の優しい甘みを内側から支えます。表に出すのではなく、層に忍ばせることで、「すっぽんを食べている」というより、椀全体の格を一段引き上げる存在として感じられる。そんな控えめで贅沢な味わいです。

五品目は、「対馬の鯖を使った鯖の押し寿司」。

出典:リビングふくおか・北九州Web

酢飯は、福岡のお酢屋さんの赤酢を使用。鯖は、新鮮だからこそ、しめ鯖ではなく塩のみでしめられているそう。主役の鯖は、とろりとした脂の甘みがありながらも、鯖本来の旨みがゆっくりと広がります。素材の良さを正直に引き出した仕上がり。

またまた美味しそうな魚料理、六品目「甘鯛の松笠焼き」。甘鯛は、平戸より。

出典:リビングふくおか・北九州Web

松笠焼きは、鱗を付けたまま皮目に高温の油をかけたり、焼き上げたりして、鱗を松笠のようにパリパリと立たせる調理法。

なんといっても、この鱗のクリスピーな食感と、ふっくらした身のメリハリが絶品。添えられていたのは、スダチ、唐津産の皮まで食せる黒イチジク、紫色の食材は、菊の花を酢漬けしたもの。

特に私は、松笠焼きと濃密で深い甘みの黒イチジクとの組み合わせが気に入り、とても満足感が高い一皿でした。

七品目は、お肉の蒸し物「佐賀牛サーロイン 有明渡り蟹のあんかけ」。

出典:リビングふくおか・北九州Web

こんなサーロイン、見たことない!

佐賀牛のサーロイン薄切りがしっとりと蒸され、その上から、渡り蟹のあんが、たっぷりとかけられています。

サーロインは、箸を入れると驚くほどやわらかく、ほろりとほどける肉質。蒸すことで余分な脂が落ち、佐賀牛本来の甘みと旨味だけが、静かに際立っています。そこに重なるのが、渡り蟹の身を贅沢に使ったとろりと濃厚なあん。

蟹の甘さと出汁の深みが、サーロインの上品なコクをやさしく包み込む。蒸し料理ならではの軽やかさがありながら、満足感はしっかりと残るのが印象的。サーロインと蟹、まさに二大スターの競演でした!

出典:リビングふくおか・北九州Web

八品目は「朝倉のくずそうめん」。お伺いした月は、くずそうめんでしたが、月替りの麺類を提供されるそうです。朝倉は、葛の名産地として知られていて、そこから生まれた名物の一つ。冷製でいただきます。

出典:リビングふくおか・北九州Web

透明感をまとった白い麺は、口に含むとひんやりなめらか。つるりとしたのど越しの後に、しっかりとしたこしが追いかけてきます。柔らかすぎず、嚙み切るときにほんのり弾力を感じるのが葛ならでは魅力。

その上に添えられているのは、なめこと大根おろし。つるんとした麺に、なめこのぬめりが重なり、更に口当たりはやさしく。大根おろしのさっぱりとした辛みが全体をきゅっと引き締めてくれます。

九品目。「天草の鰻と新米」。鰻は、天草で海上養殖されたもの。海に浮かべたいけすで育てることで天然に近い環境で育つことができるのだそう。炭で丁寧に焼かれた香ばしい皮目、そして、身はふっくら。

出典:リビングふくおか・北九州Web

ここに合わせるのは、十品目「新米のコシヒカリ」。一粒一粒が立ち、ほのかな甘みが鰻の旨みをしっかりと受け止めてくれます。

鰻だけでも十分美味しいけれど、白いご飯と一緒に口に運んだ瞬間、完成する味があります。タレがご飯に染み込みすぎないのも好印象。新米ならではの瑞々しさが残り、最後のひと口まで軽やか。

出典:リビングふくおか・北九州Web

鰻のふっくら感と、新米コシヒカリのやさしい甘み。この季節だからこそ味わいたい贅沢です。

出典:リビングふくおか・北九州Web
出典:リビングふくおか・北九州Web

自家製のキュウリの酢漬け、奈良漬け、味噌、昆布の佃煮も付いてます。

十一品目。「大村湾のいわしのお茶漬け」。

出典:リビングふくおか・北九州Web

もう一品のご飯もの。大村湾で水揚げされたいわしは、あらかじめ丁寧に煮含められていて、いわし特有の旨みがじんわりと広がり、臭みなし。梅肉、有明産の乾燥青のりを一緒にいただくと、心と体にやさしく染み入る味わいです。

お茶を注いだ瞬間青のりのがふわっと立ち、磯の香りが一気に広がります。料理の締めにふさわしい一椀。

ここからデザートをご紹介。

十一品目は、私があまりにも美味しくて感激した「自家製アイス」。アイスは、唐津産の農薬不使用で育ったマイヤーレモンを皮ごと使用。

出典:リビングふくおか・北九州Web

皮ごと仕立てているため、酸味だけでなく、ほのかな甘みと精油の香りが楽しめ、マイヤーレモンならではの丸みのある風味が、口の奥で広がっていきます。

そこへ、福岡のはちみつ、百花蜜が、冷えたレモンアイスの表面に触れた瞬間、はちみつがきゅっと固まり、薄い膜を作るんです。

シャリっと割れるその食感のあと、内側からなめらかなアイスが現れ、レモンの爽やかさと百科蜜の奥行きある甘さが溶け合います。

お茶菓子として、和菓子も出していただきました。「亥の子餅」。コロンとした猪の子どもを見立て、猪のように元気で健やかにと、無病息災を祈るお菓子なのだそう。

出典:リビングふくおか・北九州Web

こちらは、安納芋の餡を求肥の皮で包んでいらして、伝統菓子ながらどこかモダン。

安納芋の自然な甘みがじんわり広がり、砂糖の主張は控えめ、素材の甘さを信じたご主人の思いが伝わってくるようです。八女の玉露とともに。一杯目は、玉露特有の濃厚でまろやかな旨味を際立たせるよう、ぬるめで。美味しいものを提供するタイミングが全て完璧。

美味い店には、美味い酒あり。

完璧と言えば、料理と一緒に出していただいたお酒も素晴らしかったです。

始めにいただいたのが、長崎県壱岐のクラフトビール。「GOLDEN ALLE」。

出典:リビングふくおか・北九州Web

カマスの炙りに合わせて出していただいたのが、京都の日本酒「日日(にちにち)」。

出典:リビングふくおか・北九州Web

甘鯛の松笠焼きに合わせてもらった「而今(じこん)」。

出典:リビングふくおか・北九州Web

柔らかな口当たりで、自然に料理に寄り添ってくれる日本酒は、和食の一番の相棒かもしれません。

二ノ誠では、日本酒を常時30種類以上を取り揃えています。日本酒は、料理に「合わせにいくお酒」というより、「そっと並ぶお酒」。酒が料理を支え、料理が酒を整える。是非、二ノ誠にて、大人の贅沢を楽しんでみてください。

月替わりのメニューなので、「まさに、今が旬の九州の食材を、最も美味しく仕上げて食べさせてくれる」と、すでに足繫く通うリピーターも増えているそうです。魚介をはじめとする豊かな九州の恵みのコース、予約が殺到しないうちに、是非味わってみて。

出典:リビングふくおか・北九州Web

【二ノ誠(にのせ)】 ■住所:福岡市中央区荒戸2‐2‐8 ロワールマンション大濠Ⅱ 104号 ■電話番号:092-791-4780 ■営業時間:18:30~22:00 ■店休日:月・木・日 ■料金:おまかせコースのみ 全12品 20,000円 ■公式HP:大濠公園駅の日本料理「ニノ誠」|福岡で味わう本格和食

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