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乳がんで乳房全摘後「自尊心を取り戻せた」…血管の見え方まで再現、リアルすぎる“着脱式の人工乳房”とは?<温泉もヨガもOK>【ベスト記事2025】

  • 2026.1.5

2025年1年間で特に人気を集めたCREA WEBの記事を発表! あの映画やドラマのヒットの理由から、気の利いた手土産、そして、じっくり読みたい注目の人のインタビューまで。たっぷりお楽しみください。(初公開日 2025年10月18日 ※記事内の情報は当時のものです)


日本で毎年新たに乳がんの診断を受けるのは、約9~10万人。身近だからこそ、乳房全切除(乳房全摘)した場合のその後の選択肢も知っておきたい。©beauty_box/イメージマート

10月は「ピンクリボン月間」。女性にとってもっとも罹患率の高いがんである乳がんの早期発見や知識の啓発だけでなく、術後の生活やサポートにも目を向ける機会となっている。

日本で毎年新たに乳がんの診断を受けるのは、約9~10万人。そして、罹患した人のおよそ半数が、がん細胞とともに乳房の皮膚や乳頭などを全て切除する乳房全切除(乳房全摘)術を受けているという。

自分ごととして考えたとき、バストを失う喪失感とどのように向き合えば、乳房全切除後の生活をより自分らしく生きていけるのか。そのための選択肢の一つとして、今、「着脱式の人工乳房」について知っておきたい。


日本で乳房再建を選ぶ人は1割強。少ない理由は……

乳房全切除術を受ける際、選択肢として挙げられるのが「乳房再建」をするかどうか。乳房再建の代表的な方法は2種類あり、腹部や背部の組織を胸に移植する「自家組織再建」と、1回目の手術でエキスパンダー(組織拡張器)を装着して通院しながら段階的に皮膚や筋肉を伸ばし、2回目の手術でインプラントと呼ばれる人工乳房を装着する「インプラント再建」というもの。

しかし、前者は腹部などにも傷跡が残ること、後者は半年以上の期間と2度の手術が必要なことからハードルが高いと感じる人も多いようで、日本で乳房再建を選択する人は乳房全切除術を受けた人の1割強とかなり少ないのが現状だ。

ほとんどの人が乳房再建はせず、ブラジャーにパッドを装着するなどして身体のバランスを取ったり、シルエットを整えたりしているという。

形やボリュームだけでなく、色、血管の浮き具合まで精巧に再現した着脱式の人工乳房。オーダーメイドの「人工乳房リアリーフ®︎」片胸 297,000円。

パッドを装着する方法はもっとも手軽ではあるものの、動いている間にズレる、ヨガやピラティスなど体を大きく動かすときに不安、温泉やプールのときに困るといった声も聞こえてくる。

そんな中で近年、注目を集めているのが「着脱式の人工乳房」という選択肢。ヌーブラのように皮膚に貼り付けて使うシリコン製の人工乳房で、より自然な見た目と扱いやすさを兼ね備えている。

1メートル程度の距離でも気づかれない精巧さ

乳がん手術後の女性の身体的・精神的・経済的負担をより少なく、日常生活をそのまま続けていけるように。そんな思いでオーダーメイドの「人工乳房リアリーフ®︎」を手がける株式会社テラスハートジャパン 代表取締役の堀江貴嘉さんによれば、人工乳房は幅広い生活シーンで活用できるのが最大の魅力だという。

それにしても驚くのは、その完成度の高さ。肌の質感や色味、血管の見え方、ほくろ、乳頭の形状などが細部まで丁寧に再現されており、人工乳房に触れずとも、弾力やボリューム感までもがリアルに伝わってくる。

角度を変えても自然な見た目に。

「私どもの人工乳房は、1メートル程度の距離から見ても気づかれないほど精巧です。日常使いはもちろん、ジョギングしたりスポーツで汗をかいたりしても問題ありませんし、専用テープとの併用でプールや温泉など水中でも着用いただけます」(堀江さん)

株式会社テラスハートジャパン 代表取締役の堀江貴嘉さん。お母様が白血病を患ったことをきっかけに医療用ウィッグを製造・販売する会社を起こし、2021年に「人工乳房リアリーフ®︎」事業を立ち上げた。

好きな服を着たい、服を着たときのシルエットを大切にしたいとの思いから、ブラジャーをつけたときに最適な形状での人工乳房を希望する人もいる。

一方で、ヨガや温泉など、プライベートな時間を自分らしく過ごすことを大切に考え、ナチュラルな形状での人工乳房をオーダーする人もいるという。

「人工乳房を着用して、『自尊心を取り戻せた』とおっしゃる方は多いです。また、シリコン製ではあるものの『胸の温かみを感じる』とおっしゃる方も。術後数年が経過している方や70代や80代とご高齢の方でも、『やっぱり乳房があるのとないのとでは違う』という感想を持たれるようです」(堀江さん)

弾力もリアル。
人工乳房には、哺乳瓶の乳首に使われるシリコンとほぼ同じ素材を使用している。

満足度の高さは、完全オーダーメイドでその人らしさを取り戻せるからなのかもしれない。

3Dスキャナーでの型取りから2~3カ月で完成、価格は30万円弱が目安

オーダーメイドの人工乳房の製作には、型取り、試着、着色という大きな工程があり、店舗にも何度か足を運ぶことになる。「人工乳房リアリーフ®︎」を取り扱うワンステップサロンでは、すべての工程において女性スタッフが個室で対応。プライベートが守られている安心感のもと製作を進めていける。

製作にかかる期間は2~3カ月、価格は片胸30万円弱が目安。自治体によって補助金が出るケースがあることもあわせて知っておきたい。

<Step 1>3Dスキャナーで型取り

乳房全切除の手術後は腕を上げにくくなる人もいるため、短時間で精度の高い測定を行える3Dスキャナーを採用。それまで一般的だった石膏による型取りよりも身体的負担が少なく、かつ、直接肌に触れることなく、型取りと肌の色確認が5~10分でできる。

各店舗に用意されている3Dスキャナーはハンディタイプ。お客様の肌に触れることなく5~10分で測定が可能。術前の乳房を3Dスキャナーの測定データとして残しておくこともできる(別料金)。※測定の様子をマネキンで再現。

<Step 2>フィッティング・色合わせ

測定データを基に人工乳房が完成したら、1回目のフィッティング。左右のバランスや色味などを確認する。自社工房で色を調合して着色後、再度、フィッティング。

取材に伺った新宿店では、人工乳房と肌が違和感なく馴染むように、実際に試着した状態で女性の職人が色調整など最後の仕上げを行う。

3D測定データからの人工乳房製作や着色は、造形などを専門的に学んだ職人が担当している。バストサイズや切除した範囲に合わせて製作しているので、サイズも様々。
横から見るとシルエットや乳頭の色・形状までその人に合わせて細かく再現されていることが分かる。

<Step 3> 完成・納品

裏側は術後の皮膚とぴったりフィットさせ、人目に触れる表側は皮膚や乳頭の色味、質感などを完全オーダーメイドで再現。アフターケアも充実している。

使用後は中性洗剤などで軽く水洗いをして自然乾燥後、専用の台に置いて保管する。裏面は粘着性があり、面でくっつくので剥がれずズレにくいが、水が入ると剥がれやすくなるため、温泉やプールでは専用テープの使用を推奨している。

実際に装着した写真を掲載できれば、人工乳房がいかに精巧でナチュラルであるかを伝えやすいのだけど、精巧すぎるがゆえにWebやSNSでは裸の画像として認識されてしまうため、載せることができないのが歯がゆい。

「オーダーするかまだ迷っている、ひとまずどんなものか見てみたい、術前に見て検討したい。どんな立場の方でも、ぜひ、お気軽にカウンセリングにいらしてください。どれほど説明を重ねるよりも、実際に見て、手に取っていただくことがいちばん説得力を持つと思っています」(堀江さん)

術前や術後の貴重な時間を割いてでも、現物を見に行くことで得られる安心感があることだろう。

ワンステップ新宿店

所在地 東京都新宿区西新宿1-19-8 新東京ビル4階
営業時間 10:00~19:00
定休日 火曜日
電話番号 0120-998-188
https://www.one-step-wig.jp/salon/shinjuku

カウンセリングや人工乳房のフィッティング、着色を行う職人などスタッフは全員女性。「人工乳房リアリーフ®︎」や女性用医療用ウィッグなどを取り扱っている。

文=今富夕起
写真=深野未季

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