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齋藤智子さんが説く、アロマを使った空間演出と生活に取り入れる際のポイント【香りの力 vol.3】

  • 2026.1.4

古代から香りに魅せられ、儀式をはじめとして健康や癒しのため、魅力を高めるためなど、折に触れ活用してきた人類。香りが心身に与える影響の研究も進んだ現代では、よりいっそう、生活のさまざまなシーンに香りが浸透しています。私たちを魅了してやまない香りの力を、さまざまな側面から掘り下げます。

空間に漂う香りは嗅覚を通して脳に瞬時に入るため、その香りを嗅ぐだけで心身に作用を及ぼします。今回は、精油の力を生かした調香のエキスパート、齋藤智子さんが植物のアロマを使った空間演出と、植物の香りを生活に取り入れる際のポイントについて解説します。

<Profile>
齋藤智子(さいとうともこ)/アロマ調香デザイナー®
シックスセンシズ 京都をはじめ企業やホテル、美術館などのアロマ空間演出を手掛け、今まで創作した香りは6000種以上。羽田空港の課題解決に取り組む研究開発拠点における、香り演出の実証実験プロジェクトに参画中。個人向け調香のサービスも提供。
URL/ts-aromatique.com

天然の香りで空間をデザインし、心地よい生活へ

Anastasiia Chipysheva/Getty Images

嗅覚は生き抜くための重要な本能です。初めて訪れた場所のにおいに敏感になるのは、好き嫌いではなく、未知のにおいに対する自然な警戒反応。何度か触れるうちに安心感が生まれ、その空間の“らしさ”として受け入れることができます。空間にあるものは全て何らかのにおいを放ち、完全な無臭をつくるのは難しいのですが、だからこそ、自然界にある香りを上手に取り入れることが、心地よく暮らすための鍵になります。例えばラベンダーの香りは、合成香料では限られた数の芳香成分を組み合わせ似た香りを再現する一方、天然香料(精油)では数百にも及ぶ芳香成分が含まれます。その複雑さが、香りの奥行きや体験の豊かさに繋がります。実際、“香り”があることで滞在時間や購買行動、満足度に大きな影響を与える可能性を示唆する海外の研究データもあります。店舗やホテルでは、香りで居心地を整え、滞在時間や体験価値の向上を目指す取り組みが広がっています」

植物の香りを生活に取り入れる際のポイント

1.精油のはたらきで快適に

気分転換には柑橘類や月桃、インフルエンザ対策にはティーツリー、呼吸を深めたいときはフランキンセンスなどをお薦め。朝はローズマリーやレモンで気分を切り替え、夜はラベンダーやオレンジで緩めてと、香りで自律神経の波を作ることで認知機能が向上したというデータも。

2.アロマディフューザー

リビングのような広い場所には電気式、ワークスペースやトイレなど小さな場所には電源なしのタイプや、ティッシュに精油を数滴でも十分です。香りを垂らして使うアロマストーンは、香りが酸化もしやすいため1カ月を目安で入れ替えすることをお薦めします。

3.ルームスプレー

空間の空気をひと吹きで替えられるのが魅力。ユーカリやティーツリーなど抗菌のはたらきがあり清涼感のあるブレンドは、キッチン周りや大勢の人が出入りする場所に使うとさっぱりと感じさせます。

4.キャンドル

炎が癒しになるキャンドルは、リビングで寛ぎたいときにお薦めします。ただし火気を扱うため、就寝時や寝室での使用は避けましょう。

5.ゲストを迎える日は

食事をする空間は基本的に香りを避けた方が無難。玄関や廊下におもてなしのイメージを伝える香りをディフューザーなどで演出すると効果的。来客30分前にお香を焚いておくとさりげなく余韻が残ります。

6.寝室の香り環境は

お薦めはラベンダーとオレンジの組み合わせ、鹿児島原産の芳樟など。就寝前のルームスプレーも良いですが、嗅覚は睡眠中も働き続けます。適度な濃度で香らせ続けると目覚めも変わってくると思います。

【ホテル ザ ミツイ キョウト】シグネチャーの香りを空間とスパで体験

Hearst Owned

齋藤智子さんがオリジナルアロマを手掛けた「ホテル ザ ミツイ キョウト」。日本美をテーマに庭園に植えられた、黒松・赤松に着想を得てブレンドした空間の香りは、日本人には安心感、海外からの方には日本らしさを感じさせると評判(ホテルのオンラインショップで購入可能)。スパのシグネチャートリートメントのリニューアルに際し、オリジナルアロマをベースにした3種のアロマオイルも監修。3つの施術で体験できます。

「ホテル ザ ミツイ キョウト」
所在地/京都府京都市中京区油小路通二条下る二条油小路町284
TEL/075-468-3100
URL/hotelthemitsui.com

【ディプティック 表参道】香りで生活を上質にする旗艦店オープン

Hearst Owned

創業時よりアーティストや職人たちの技にスポットライトを当ててきたパリ発のメゾン、ディプティック。香りの芸術は生活の芸術と考え、空間を香りで豊かにするホームフレグランスが充実し、特にフレグランスキャンドルは職人技の結晶です。2025年10月末、東京・表参道にオープンしたブティックは香りを楽しむために造られた邸宅のような空間。美しいキャンドルアクセサリーも並びます。

「ディプティック 表参道」
所在地/東京都渋谷区神宮前5-10-10 栗原ビル 1F
営業時間/11:00~20:00
TEL/03-6427-9387
URL/stores.diptyqueparis.com/ja_jp/diptyque-omotesando

初出:リシェスNo.54 2025年11月28日発売

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