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シアーシャ・ローナンが『おくびょう鳥が歌うほうへ』で挑む、“不完全な人間”の物語

  • 2026.1.3
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人には誰でもダメな面があって、そういうキャラクターに共感するし、私はそんな映画が見たい

「シアーシャ・ローナンは、歯を磨いているだけでもずっと見ていたくなるほどの存在感がある」。こう語るのは、彼女の新作『おくびょう鳥が歌うほうへ』を手がけたノラ・フィングシャイト監督(『システム・クラッシャー』)だ。アルコール依存症と闘う主人公の苦しみと再生を、荒々しい自然のなかに描く本作で、カメラは彼女に寄り添うかのようにその変化を見つめる。シアーシャの、万華鏡のように変化する表情に、観客のまなざしは吸い寄せられるに違いない。

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本作で、夫で俳優のジャック・ロウデンとともに初めてプロデュースも手がけた。「プロデューサーとしての責任が、俳優としての自分をより鋭敏にしてくれました。主人公の内なる葛藤を映像で描くのはとても困難だと思ったけれど、『システム・クラッシャー』を見てノラの才能にほれ込み、彼女なら映画に特別なエネルギーをもたらしてくれるだろうと思ったんです。ノラの素晴らしいところは、テーマを美化することなく誠実なアプローチであることと、見苦しくなることを恐れないこと。そこにかけがえのないものを見いだす姿勢で、それがこの映画をパワフルなものにしていると思います」

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これまでも情熱的なキャラクターを演じることが多かったシアーシャだが、今回の役柄はとくに「不完全な人間」を表現することの大切さを考えさせられたという。「ソーシャル・メディアの時代、私たちは自分の個性にフィルターをかけてよく見せようとする癖がついてしまった。でも人間はみんなろくでなしの面を持っているでしょう。そういうキャラクターこそ共感できるし、欠陥も含めてその人のすべてを尊重しましょうと言いたい。私自身、そういう映画を今、スクリーンで見たいと思っています」

愛されスターの秘密

シアーシャのブレークスルーは13歳で出演した『つぐない』(2007年)。主人公の恋路を邪魔する少女に世界は衝撃を受けた。以来、『ブルックリン』('15年)、『レディ・バード』('17年)、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』('19年)と、新時代の女性像を予感させるヒロインに抜てきされてきた。青い瞳の奥に漂わせる、聡明さ、儚さ、ミステリアスな複雑さが多くの監督を惹きつけている。

『つぐない』(’07)。 Aflo
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(’19)。 SplashNews.com / Aflo
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シアーシャ・ローナン(Saoirse Ronan

1994年、アメリカ・NY生まれ。両親はアイルランド人。『ブルックリン』『レディ・バード』『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。

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『おくびょう鳥が歌うほうへ』

ロンドンの大学院で生物学を学んでいたロナ(シアーシャ・ローナン)はアルコール依存症に陥り、生活を立て直そうと10年ぶりに故郷スコットランド・オークニー諸島へ。荒々しい自然に囲まれ、つらい記憶と闘いながらも希望を取り戻す。2026年1月9日より、新宿ピカデリーほか全国公開。

photo © 2024 The Outrun Film Ltd., WeydemannBros. Film GmbH, British Broadcasting Corporation and StudioCanal Film GmbH. All Rights Reserved., AFLO text KURIKO SATO

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