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伊藤万理華&深川麻衣が映画初共演! お互いの存在は「家族」「ありのままでいられる」

  • 2026.1.3
(左から)深川麻衣、伊藤万理華 クランクイン! 写真:松林満美 width=
(左から)深川麻衣、伊藤万理華 クランクイン! 写真:松林満美

高杉真宙が主演、伊藤万理華、深川麻衣らが共演する映画『架空の犬と嘘をつく猫』が1月9日に公開。寺地はるなの同名小説をドラマ『時効警察はじめました』(2019/テレビ朝日)、映画『さんかく窓の外側は夜』(2021)、『愛に乱暴』(2024)などを手掛けた森ガキ侑大監督が実写化した本作では、弟を失い現実から目を背けた母のために優しい嘘をつき続ける羽猫家の長男・山吹(高杉)ら羽猫家のいびつな家族の物語が30年にわたって描かれる。本作で、山吹に関わる両極端の女性を演じた伊藤と深川。乃木坂46卒業後の共演を喜ぶ2人が、本作の撮影を振り返り、2人の“今”を明かしてくれた。

【写真】伊藤万理華&深川麻衣の仲良しショット&ソロカット 撮り下ろしフォトギャラリー

伊藤万理華「まいまいと共演は自分の目標でした」

――最初に、お互いに共演することを聞いた時にどう感じましたか?

伊藤:私は、まいまい(深川)の在り方がすごく好きで。俳優さんとしての活躍も、出演作品に対する向き合い方も、これまで私が見てきたまいまいのままで、そうやって自分を貫いている姿がステキなんです。普段から仲良しでしたが、いつかまいまいと共演できたらいいなと思っていました。それを自分の目標にしていたところがあったので、共演が決まった時は本当にうれしかったです。コツコツやってきてよかったと思いました(笑)。

深川:私もうれしかったです(笑)。こんなステキな作品で、かつ友達役ではなく、お互いにこれまでとは全然違う役柄で映画共演できるというのがうれしくて…。万理華が今回の役を演じると知った時にピッタリだと思ったし、すぐ万理華に電話して、「頑張ろうね」と話しました。


――実際に共演してみていかがでしたか?

深川:不思議な感じでした(笑)。

伊藤:そうだね。共にやってきた時間もあるけど、お互いに場数を踏んできて、それぞれの経験があるからか、わりとすぐにすっとお互い入っていけたといいますか…何の心配もなかったね。

深川:うん。役ではほとんど言葉を交わしてないんですけど、撮影外ではお休みの日に一緒に温泉行ったり、ご飯を食べに行ったり…。

伊藤:散歩もしたね。

深川:うん。散歩もして、(撮影地の)佐賀を一緒に満喫できたことがうれしかったです。

――現場ではどんなお話をされていたんですか?

深川:お芝居とは全く関係ないことを話していました(笑)。

伊藤:作品や演じ方について語り合うことをしなくても、森ガキ監督と役の距離感が大事だと思っていたので、2人とも自然体でいました。

深川:演技プランを固めるというよりは、お互いにぶっつけ本番のような…。

伊藤:そうそうそう。その場の波に合わせていくような感じでした。

――お芝居にも、お2人の信頼関係が出ていたのかもしれませんね。

伊藤:そうかもしれないです。佐賀というのどかな場所ということもあり、現場ではキャストの皆さんと自然な空気感でいられました。まいまいとも普段通りでしたが、お互いに大人になったんだなということも感じられてうれしかったです。

深川麻衣「この映画を観て、ついていい嘘もあるよなと思った」


――お2人は本作のどのような部分に惹かれましたか?

伊藤:脚本を読ませていただいた時に、羽猫家の距離感、リミッターみたいなところのヒリヒリ感に自分とも重なる部分を感じました。ここまで赤裸々に痛みを描いている作品はなかなかないなと思って、演じることにワクワクしました。

深川:物語は悲しい部分もありますけど、とても温かい作品だなと思いました。原作の寺地さんの書くこの優しいお話を森ガキ侑大監督が撮るとお聞きした時に、もうこれは間違いなくステキな作品になるだろうなという確信もあって、この作品に関われることがすごくうれしくてしょうがなかったです。

――本作で伊藤さんは山吹の幼少期にプレゼントを渡し、大人になってから再会を果たす内気な頼、深川さんは山吹の初恋だった中学時代の先輩・かな子を演じましたが、それぞれの役の印象をお聞かせください。

伊藤:頼は幼少の頃にシャイで人見知りがゆえに、人とコミュニケーションが取れるタイプではなかったのですが、山吹と高校卒業後に再会し交流を重ねていくことで、自分の淡い気持ちや本音を言えるようになっていくんです。

大人になってもどのタイミングで自分の気持ちを言えばいいんだろうと悩んだり、山吹の家庭環境や周りにいる人たちの様子をうかがいすぎることで、自分の気持ちを押し込めてしまったりするところがあるのですが、たまに出る本音が人間らしくて、ただ優しいだけの女の子じゃないんですよね。本当は欲みたいなものがしっかり強くあるところが好きだなと思いました。

深川:かな子は母親との関係性に苦しんでいる女性なんです。複雑な状況が絡み合っているので、私自身、脚本を読んでいて苦しくなるぐらいでした。彼女のキャラクターについて「あざとい」という簡単な言い方もできるんですけど、私はそうじゃない複雑さも感じていました。

自分の状況から抜け出したいけど同じようなことをしてしまったり、母親と離れようと思えば思うほど近くにいってしまったり…かな子にとって母親の影響がものすごく大きいんですよね。そんななかで自分を受け入れてくれる男性を頼って、利用してしまう形になってしまうんですけど…かな子は悲しさを背負っている人でもあると思うので、そういう一面も観ている方に伝わったらいいなと思っていました。


――山吹を演じた高杉さんの印象は?

伊藤:私は3回目の共演で、これまで時間を重ねていたからこその信頼関係は、勝手ながらにあったのかなと思っています。頼と山吹のシーンも空気を感じ取りながら演じられたので、頼れる存在だなと思っていました。

深川:高杉さんとの共演は、私も3回目。すごく真っすぐでピュアな魅力を持っている方だなという最初の印象は変わらないですね。それはきっと高杉さんが年を重ねていっても変わらないものなんだろうなと思うし、きっとこれからも演じる役柄に感じるんだろうなと思っています。

この映画でも、山吹は過去に縛られて優しい嘘をつきながら、みんなの期待に応えようとする苦しい役どころではありましたけど、高杉さんの持っている人柄みたいなものが何だか透けて見えているような気がして、本当に魅力的だなと思いました。

伊藤:うん。私もそう思う。

――そんな高杉さんが演じた山吹は、お2人から見てどんな部分が魅力的でしたか?

深川:山吹はある理由から家族に嘘をつき続けているんですけど、それって誰かを傷つけよう、貶めようという嘘ではないんです。自分のためではあったかもしれないけど、この映画を観て、ついていい嘘もあるよなと思ったので、山吹の優しさは魅力的だなと思いました。

伊藤:本当はぶつかりたいところを優しく傷つけないようにしていて、それでも壊れていく瞬間があって…そうした山吹の危うさや不器用さが、私は魅力的だなと思いました。誰しも自分を守るために嘘をつく瞬間や、関係性を保つためにやらなければならないという気持ちがあると思うので、そういった人間くささがステキだなと思いました。

――ちなみに、山吹の心に住む「架空の犬」のように、お2人がそれぞれ心の拠り所になっているものはありますか?

深川:私は愛犬です。

伊藤:「本当の犬」だ(笑)。

――(笑)。

深川:(笑)。犬そのものが大好きなんですけど、愛犬には癒されていますね。仕事に出てお留守番をしてくれる時も、「お仕事行ってくるね」って愛犬に言って出かけています。ワンちゃんって純粋な愛情を注いでくれるので、私にとっては癒しの時間ですね、一緒にお昼寝してる時とか。

伊藤:私は“家”ですね。もう完全に家。今住んでいる家が自分の心の拠りどころで、自分が自分自身に戻れる場所です。ここ最近、家に人を呼ぶことも増えました。一緒に何かを作ったりしゃべったりすることがエネルギーチャージになっていて、それが日常の中で1番大事かもしれません。

伊藤万理華&深川麻衣、お互いのシーンにほれぼれ!


――本作を通して改めて知ったお互いの一面はありますか?

伊藤:フフフ、何かある?(笑)。

深川:(笑)。私は完成した作品を観て、山吹と頼がバス停で話しているシーンが大好きでした。頼ちゃんがちょっともじもじして…。

伊藤:(照)。

深川:2人のゆったりした時間が流れるシーンが観ていてすごく心地よかったです。ああいう万理華の自然体の表情や照れる感じが好きだなぁって思いながら、観ていました。

伊藤:脚本を読んだときに、「かな子をまいまいが演じるんだ」という驚きはありましたが、個人的に観てみたくて、ステキなキャスティングだなと思いました。まいまいは、かな子とは真逆の柔らかい雰囲気で、かな子のような計算していないしたたかさを出すような役柄を演じている印象があまりなく、完成した作品を観るのが楽しみで。

心に大きなものを抱えたかな子が山吹と対面するシーンで表情を観た時に、胸が痛くなり、2人の空気に圧倒されて言葉が出ませんでした。こんなにも感情を豊かに出せるなんてすごいなと、素直に尊敬しました。

深川:えぇ! うれしい(笑)。


――そんな山吹が守ろうしてきた家族のカタチが描かれた本作は、観る人がそれぞれ自分の家族のことを考えるきっかけになるのかなとも思いました。お2人が思う、家族の理想像はありますか?

深川:うちの家族、みんなシャイなんですよ(笑)。改まって言葉で感謝を伝えることもないですし。でも友達の家族は、久しぶりに会った兄弟と「イエーイ!」ってハグしたりしていて。うちの家族は絶対そういうコミュニケーションはできないし、しないですね(笑)。

伊藤:(笑)。

深川:そういう距離の近さはうちの家族にないから、「いいな」と思った時期もあるんですけど、シャイで思っていることをうまく言えない部分も愛おしいなって思ったりするんです。理想の形はわからないですけど、家族がそれぞれ、楽しそうに健康に生きてくれてたらいいなとは思います。

伊藤:家族って何がベストなんですかね?(笑)。結局、長く家族でいられるためには、すれ違った時にすり合わせたり、話し合えたり…そういうことなのかなって。

深川:うんうん。

伊藤:向き合わなければならない時に逃げないで向き合えるかどうかが、ポイントなのかなとも思っているのですが、それでもうまくいかないことってあって…。でもその時にうまくいかない自分を責めるのも違うなと思うので、固定している“家族の幸せなカタチ”は正直ないのかなと。

羽猫家もバラバラなりに欠けたもの同士、話さないでも分かち合う距離感があるんですよね。山吹と父親の距離感が好きで、本当は話さなければならないことがたくさんあるけど、「何か老けたね」と言い合えるだけでいいと言いますか…。それでいいのかなと思いました。愛をオープンに表現する家族に憧れていた時期がありましたが…性格的に苦手なんです(笑)。

深川:(笑)。

伊藤:家族に対して素直になれないこともあるけど、きちんとしたタイミングで感謝を伝えたいなと思っているので、そういう自分のことは肯定したいですね(笑)。

2人の共演後の変化は? 「多い時は週1ペースで会っています(笑)」


――お話を聞いていても、お2人の仲の良さが伝わってくるのですがお互いにどんな存在ですか?

深川:家族です、家族。

伊藤:すごい真顔で言うじゃん(笑)。

深川:(笑)。結構、言ってないことはないんじゃないかってぐらい、何でも話しています。たわいないことでも真剣なことでも、何でも話せますね。

伊藤:そうだね(笑)。お互いに仕事が忙しくなり会えなくなって、時間を経てから再会しても、いつもと同じように話せるんですよね。グループを卒業してから、定期的に会えていたわけではなかったけれど、会ったらいつもと同じ雰囲気で話せるのってすごいよね。

深川:うん、確かに。何も変わらない(笑)。

伊藤:お互い昔から芯があるといいますか…でもそれは、まいまいの第一印象にはあまりなかったんです。周りをすごく優しく見守ってくれる印象があって、仲良くなるにつれて、きちんと表現したいこともあって芯が強くある人だなということを知ったんです。そこが共通しているかも。

深川:うん。

伊藤:だから、すごく頼りなるし相談したりもしています。

深川:こういうことが好き、こういうことがやりたいという意思がはっきりしてるし、表現することがそもそも大好きだというところも似ているんです。万理華は表現の幅が広いので、お芝居以外でも、書いたり作ったりするのがすごくうまくて…だから表現者は万理華にとっては天職なんじゃないかと思います。

伊藤:えぇ! うれしい。


――この映画での共演を経て、お2人の中で何か変わったりしましたか?

深川:変わったのは…会う頻度ですね(笑)。それまでも会っていなかったわけじゃないんですけど、この作品をきっかけに頻度が増えて、多い時は週1ペースで会っています(笑)。気軽に会えるっていうのはうれしいですね。

伊藤:こういう関係性ってすごくありがたいです。同じ職業ではありますが、もともとの関係もあるからこそ、この職業での赤裸々な悩みもお互いに話せて、気を使わないんです。

深川:うんうん。

伊藤:結構、自分の欲みたいな、プライドの部分も全部話したりしますが、それも全部聞いてくれて助かります。本当にありのままでいられますね。

――そんなお2人の記念すべき初共演映画が新年の幕開けを飾りますが、2026年はどんな一年にしていきたいですか?

伊藤:今回、森ガキ監督とご一緒できたことも自分の中で大きかったのですが、また映像作品でたくさんいろいろな役に出会えたらいいなと思っています。頑張ります。

深川:2025年までもいろいろな出会いがあって、自分の好きなものもどんどん固まってきた感覚があるので、2026年も地続きですけど、またちょっと気持ちをゼロに戻すような気持ちでトライできたらいいなと思います。いろいろなことに興味があるので、まんべんなくできたらいいなと思っています。

(取材・文:齊藤恵 写真:松林満美)

映画『架空の犬と嘘をつく猫』は、1月9日公開。

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