1. トップ
  2. 恋愛
  3. 【ゾッとする怖い話】その後、彼からの返事はありません。霊感のある男性の恐怖体験【ホラー小説】

【ゾッとする怖い話】その後、彼からの返事はありません。霊感のある男性の恐怖体験【ホラー小説】

  • 2026.1.2
ひと気のない一軒家
出典:stock.adobe.com

学生時代の友人から突然の連絡を受けた男性。 懐かしさがこみ上げたのも束の間、友人は不思議な話をはじめました。

取り憑かれた友人

先日、大学時代の友人であるDから連絡がありました。

「久しぶり!突然なんだけどさ、お前って霊感あったよな?ちょっと聞いて欲しい話があるんだけど」

そんな切り出し方をするなんて、なにか困っているのかもしれない……。
僕は後日彼と会う約束をして、電話を切ったのです。

数日後、予約したレストランに現れたDは、思いのほか明るい表情をしていました。
しかしその背後には、この世のものとは思えない怪しい影がピタリとくっついて……。

その邪悪な雰囲気に我慢が出来ず、僕は店員に簡単な注文を告げたあと、早々に話を切り出しました。

「おい、D。やっぱりお前、悪いものに取り憑かれているぞ」

「ああ、そうだよな。でも、原因は分かってるんだ」

運ばれてきたビールに口をつけながら、Dはこんな話を始めたのです。

友人の話

それは1週間ほど前のこと。

地元に帰っていた彼は、中学時代の友人と共に夜遅くまで酒を飲んでいたそうです。
思い出話に花が咲き、いつしか話題は当時Dが恋心を抱いていた少女の話に。

「……実はその子、親父さんが借金を抱えていたせいか、中2のときに一家心中したんだよね」

自分と彼女は両思いだと感じていた中学時代のDは、しばらくの間学校に通うことができなくなったそう。

そんな過去の辛い記憶を思い出した彼は、ついつい酒を飲みすぎ、気づけば外は明るくなり始めていました。

無人の家

ようやく友人たちと別れたDは、ぼんやりとしながら、とある場所に向かいます。
そこは、あの日から時が止まったままの少女の自宅。

「酔ってたからかな。俺、どうしても家の中に入りたくなってさ。ドアとか窓を探ってみたら、ひとつだけ入れそうな所があったんだよ」

夜が明けたばかりの街に、人の姿はまだありません。

もうこんな機会はないかもしれない。
そう思ったDは、あたりを確認した後、少女の家へと忍び込んだそうです。

リビングの壁に掛けられたカレンダーは10年前の日付のまま。
ひと気のない部屋の中には、埃が厚く降り積もっています。

土足のまま探索を始めたDは、子供部屋として使われていたであろう部屋に入り、やがて見覚えのあるポーチを見つけました。

その中に入っていたのは、少女が使っていたヘアブラシやリップクリーム。
しかし、懐かしくそれらを眺めていたその時、家の外で誰かが歩く音が聞こえたのです。

通報されたらマズい……。
Dはポーチを手にしたまま、そっと少女の家を後にしました。

本当の姿

「……それから、風呂に入ってると誰かの気配を感じたり、夜中に家の中を歩き回る足音が聞こえたりするようになったんだ」

青ざめる僕のことなど、目に入っていないのでしょう。
Dは笑みを浮かべながら続けます。

「きっと、あの子が俺についてきてくれたんじゃないかな」

そう話した彼の背後には、ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべた“中年女性”がピタリと張り付いていました。

ブクブクと太った女性の黒ずんだ手は、Dの首を絞めあげていて……。

「あ、あのさ。お前に取り憑いているのは女の子じゃないよ。絶対にお祓いに行ったほうがいい!」

しかし、浮かれた彼にその言葉が届くことはなく、“ナニか”が取り憑いていることを確信したDは上機嫌で帰っていったのです。

……その後、何度か彼に連絡を入れたものの、返事は一度もありません。
独り暮らしのアパートにも、その姿はなく……。

あのとき、彼にもっと強く助言をしていれば。
友人を失った僕の胸には、今もそんな後悔が渦巻いています。

※この物語はフィクションです。
※記事に使用している画像はイメージです。

◆底渦 中学生で都市伝説にドハマりし、2chホラーと共に青春を駆け抜けたネット廃人系オカルトライター。 怖い話の収集・考察が趣味です。

元記事で読む
の記事をもっとみる