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「どこへでもぶち込め!」イキる非行少年が園児と一緒に「お遊戯」させられる地獄(天国?)の更生【作者に聞く】

  • 2026.1.2
居場所がない彼らが行き着く場所とは? 墨染清(@sumizomesei)
居場所がない彼らが行き着く場所とは? 墨染清(@sumizomesei)

深夜の繁華街を当てもなくさまよう若者たち。東京の「トー横」や大阪の「グリ下」、名古屋の「ドン横」に福岡の「警固界隈」。家庭や学校に居場所を見出せず、吸い寄せられるように路上へ集まる彼らの姿は、現代社会が抱える闇の一つだ。しかし、漫画『ようこそ、ぽかぽか幼稚園』が描くのは、そんな殺伐とした現実とは一線を画す、あまりにも平和で予想外な物語である。行き場をなくした不良たちが最後にたどり着く場所。それは塀の中ではなく、陽だまりのような空間だった。

「どこにでもぶち込め!」と啖呵を切った結果

ようこそ、ぽかぽか幼稚園_p01 墨染清(@sumizomesei)
ようこそ、ぽかぽか幼稚園_p01 墨染清(@sumizomesei)
ようこそ、ぽかぽか幼稚園_p02 墨染清(@sumizomesei)
ようこそ、ぽかぽか幼稚園_p02 墨染清(@sumizomesei)
ようこそ、ぽかぽか幼稚園_p03 墨染清(@sumizomesei)
ようこそ、ぽかぽか幼稚園_p03 墨染清(@sumizomesei)
「じ…地獄だ」。園児たちにダンスが下手だと指摘される 墨染清(@sumizomesei)
「じ…地獄だ」。園児たちにダンスが下手だと指摘される 墨染清(@sumizomesei)

主人公の宗司は、補導歴を重ねる札付きの不良少年だ。これまで親身になってくれていた交番勤務の東からも、ついに「俺が庇ってやれるのも限界だ」とさじを投げられてしまう。自暴自棄になった宗司は「どこにでもぶち込めや!!」とイキり散らす。「覚悟はある」「泣き言は言わない」「後悔もしない」と威勢よく啖呵を切った彼が連行された先。それは少年院でも刑務所でも、ましてやヤクザの事務所でもなかった。

数時間後、そこには「おしりふりふり~~~!」「みんなでアヒルさんになっちゃお~~~!」という掛け声に合わせ、園児たちと一緒にお尻を振って踊る宗司の姿があった。彼が収容されたのは、ひたすらに可愛い園児たちが通う「幼稚園」だったのだ。強面の不良が幼児教育の現場に放り込まれるというギャップと、強制的に「童心」へ帰らされるシュールな展開が笑いを誘う。

幼稚園には「人生の基礎」が詰まっている

本作の作者は、2017年冬期のゲッサン新人賞や2021年5月期の新世代サンデー賞で佳作を受賞した経歴を持つ実力派・墨染清さん(@sumizomesei)だ。読者からは「荒んだ心に染みる」「仕事で折れそうなメンタルに響く、私も行きたい」といった切実な感想が寄せられている。なぜ更生施設の舞台を幼稚園にしたのか。墨染清さんによると、当初は「孤独を抱えた不良少年を描きたい」という構想があり、彼の心を救える場所を模索した結果たどり着いた答えだったという。「幼稚園という場所には、人生において大切なことの“基礎”がすべて詰まっている」と墨染清さんは語る。挨拶や協調性、純粋な心。そんな原点に触れられる場所であれば、主人公の荒んだ心にも自然と癒やしが届くのではないかと考えたそうだ。

続編を「全裸待機」するファンたち

SNS上では「これ絶対連載してほしい」「ラストに登場したギャル編が見たい」といった熱い要望が飛び交い、「#続きを全裸待機」というタグまで生まれる盛り上がりを見せている。続編の可能性について墨染清さんに尋ねると、残念ながら現在は制作時間の確保が難しく予定はないとのこと。しかし、「筆が速くなり時間が作れるようになれば、ぜひ続きを描きたい」と意欲をのぞかせた。

プロローグの殺伐とした雰囲気から一転、いい意味で読者の予想を裏切るハートフルな展開。「いつの時代にも必要なものを教えてくれる」と絶賛される本作で、忘れかけていた大切なものを思い出してみてはいかがだろうか。

取材協力:墨染清(@sumizomesei)

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