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細田佳央太、『あんぱん』豪ちゃんとの出会いに感謝 負けず嫌いな性格を糧に追いかける先輩の背中

  • 2026.1.2
細田佳央太 クランクイン! 写真:高野広美 width=
細田佳央太 クランクイン! 写真:高野広美

連続テレビ小説『あんぱん』で“豪ちゃんロス”を巻き起こすほどの好演を見せた俳優の細田佳央太。映画『町田くんの世界』で一躍注目を集め、その後は『ドラゴン桜』『どうする家康』と着実にキャリアを重ねてきた。2026年は新年早々、東野圭吾スペシャルドラマ『雪煙チェイス』(NHK総合ほか/1月2日、3日各22時)でムロツヨシとW主演を務めるなど、話題作への出演が続く細田に、本作の見どころや、転機となった『あんぱん』についてなどたっぷり話を聞いた。

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◆雑念を取り払い、いかに主人公を実在の人物にさせるかに邁進

本作は、東野圭吾のベストセラー小説を基にした、広大な雪山を舞台にしたノンストップ・サスペンス・エンターテインメント。殺人容疑をかけられた大学生・脇坂竜実(細田)が“アリバイの証人”を探すために向かった先は、日本最大級のスキー場。彼を追うのは、極秘捜査を任された所轄の刑事・小杉敦彦(ムロ)。大学生vs所轄の刑事vs警視庁本部の予測不能な物語が幕を開ける。

――人気小説の実写ドラマ化となる本作。出演のお話を聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか?

細田:とてもありがたかったです。お話をいただいたのが2年前の2月ごろ。大河(『どうする家康』)が終わった後だったので、大河の手ごたえがどうだったかと言われると分からないですけれど、同じNHKさんが声をかけてくださったのがすごくうれしかったですね。

ただやっぱりお正月に放送されるドラマで主演ということは、このドラマが新年最初に観るドラマになる方も多いと思うのでプレッシャーもありましたし、東野さんの作品、そしてスノーボードを題材にした作品で、という緊張も相まってドキドキもしました。

――台本を読まれて、どんな印象をお持ちになりましたか?

細田:セリフのテンポ感や笑いのポイントがすごく想像できました。これを成立させるには全体のテンション感がどういうふうになればいいんだろうかというのが比較的想像しやすい台本だったので、お正月に見やすいドラマになるんだろうなと思いました。

東野さんの作品は本格的なミステリーというイメージがすごく強かったので、ここまでポップな作品というのは個人的には新しい東野さんの作風を感じました。

――演じられた脇坂竜実は、驚くくらいにいい子でしたね。

細田:絶滅危惧種ですよね。現代にこんな子いるの!?って思うくらい。だからこそ、実際にはいない人物という前提で作るのではなく、いるように見せなきゃいけない、お芝居の中に雑念を混ぜちゃいけないとも感じました。

――観る側としては、細田さんのパブリックイメージとも通ずる部分が大きいです。

細田:本当ですか! うれしいです。でも、彼のすごいところは誰にでも優しくできるんですよね。家族など大切な人のためだったら、自分より優先することはできると思うんですけれど、彼のように見ず知らずの人にも優しくするというのはなかなか難しい。見てくださる方はそういうところへのツッコミも含めてドラマの世界観にのめりこめますし、そういう意味ではすごくいいキャラクターだと思いますが、自分との共通項はまだ見つけられないですね。

――演じる上で特に気を配った点はどんなことでしょうか。

細田:いかに雑念を取り払うかというところです。話している会話も非現実的じゃないですし、展開にも無理があるわけじゃないことを思うと、脇坂というこの世の中にはちょっといなさそうなキャラクターをいかに実在するように見せるのか。すごく見やすくて面白い作品だけれども、作りこみすぎないというか、お芝居として情報量を見せすぎないというところは自分の中でも大事にしていきたいと思っていました。

バランスのとり方がすごく難しかったですが、実際にムロさんをはじめとした多くの方に助けていただいて、周りの方のおかげで脇坂が存在するなと僕は感じていたので、すごくありがたかったです。

◆ムロツヨシの芝居の懐の深さと表現の広さから刺激


――W主演を務められるムロさんの印象はいかがですか?

細田:共演は『どうする家康』が初めてで、ご一緒するまでは世間の方が持つパブリックイメージと同じでユーモアあふれるお芝居が印象的な方だなと思っていました。また、『どうする家康』では、一言では言い表せないような深みのある秀吉を演じられていたのが強く心に残りました。

今回の作品で演じられた小杉さんという刑事はまた印象が全然違って、ムロさんのお芝居の懐の深さや表現の広さを改めて間近で見て感じる現場でしたね。

――W主演ということで、“座長・ムロツヨシ”の姿を通して学んだことはありますか?

細田:地方で撮影する大きなメリットの1つとして、演者同士、スタッフさん同士の距離感がぐっと縮まることですね。その結びつきをより強くしてくれたのは間違いなくムロさん。自分が年を重ねた時にああいう座長さんになれたらいいなと思う、そんな立ち居振る舞いを背中で見せてくださいました。

――脇坂と共に“アリバイの証人”探しに奔走するバディ的存在、親友・波川を演じた醍醐虎汰朗さんとは初共演です。

細田:同世代なのですが、これまで学園物でも共演がなかったんですよね。醍醐くんはすごくピュアなんですよ。『天気の子』や、『ハイキュー!!』『千と千尋の神隠し』など大きな舞台を踏まれているのに、等身大で。周りの意見を否定せずに全部自分のものにしようとする姿勢がピュアだなと年下ながら勝手に感じていました。

――本作の見どころのひとつに、雪山でのスノーボードシーンもあります。

細田:スノーボードのシーンはかなりこだわって撮影したのでぜひ楽しみにしていただきたいです! 僕自身はウィンタースポーツとはあまり縁がなかったんですけれど、いつかまたチャレンジしてみたいと思っています。

とにかく野沢温泉での撮影が本当に楽しかったんですよね。それは野沢温泉のみなさんの温かさに支えられてのことだったと思うんですけど、去年の夏、お盆休みに家族で旅行にも行くくらい野沢温泉が好きになって(笑)。

夏と冬では食べられるものも景色も全然違ったので面白いなと思いつつ、雪山の壮大さもあり、本領を発揮するのは冬なので、やっぱり冬に行くのがオススメですね。

◆『あんぱん』豪ちゃんとの出会いに感謝 意外な“負けず嫌い”な素顔も


――石井裕也監督の映画『町田くんの世界』で一躍注目を集めてから6年が経ちました。この6年を振り返るとどんな月日でしたか?

細田:公開から6年、オーディションからは8年が経ちましたが、順調だったと思います。ご一緒する監督や俳優の皆さん、出させていただく作品、すべてにすごく恵まれていますね。この年齢でさまざまな現場を経験させていただけていること、またさまざまな監督とご一緒できたことも含めて、自分にとっては恵まれた6年でした。

――この6年で、一番大きく変わった点はどんなところでしょうか。

細田:この仕事への意識、作品に対する見方が一番ですね。

僕は自分に自信がもてない人間ですが、マネージャーさんを含め出会ってきた人に恵まれていることに関しては唯一自信が持てるんです。そういった方々に恥じないように成長していきたいなと思うので、少しは成長できているんじゃないかなと感じています。

――これまで共演されてきた中で、背中を追いかけたいと憧れる存在はいらっしゃいますか?

細田:たくさんいます。『町田くんの世界』でご一緒した(仲野)太賀さんと池松(壮亮)さん。来年公開の映画でご一緒した妻夫木(聡)さんと菅田(将暉)さん、ドラマで共演した山田裕貴さん。みなさん、役者としても人間としてもかっこよくて憧れます。有村(架純)さんもそうですし、性別に関係なく尊敬する方々ばかりですね。

そういった先輩方に追いつきたい気持ちは常にありますし、だからこそ、皆さんが今の僕の年齢、23~24歳に何をしていたかというのと比較して落ち込むんですけど…。19~22、23歳までは同世代がライバルだ、同世代にだけは負けたくないという思いが強かったのですが、今は先輩方に追いつくためにはどうしようかというのがとても大事な意識になっています。

――負けん気が強いほうですか?

細田:意外とあるんですよね。子どものころはオーディションに落ちまくっていましたけれど、落とした人を絶対後悔させてやると思ってやっていたこともありましたし。でもそうした負けず嫌いな性格は自分の糧になっているんですよね。

――2025年は『あんぱん』での豪ちゃんが大反響を呼びました。細田さんにとって、『あんぱん』はどんな存在になりましたか?

細田:より多くの人に僕を知っていただけた作品になったんじゃないかなと感じています。反響をいただいた河合(優実)さん演じる蘭子と豪の2人のシーンは、放送される前はここまでのシーンになるとは思っていなかったです。プロデューサーさんに「最初の山場だよ」と言われていたんですけれど、作品としていいものにしようというのが一番で、世間からの見え方は考えずに芝居していたので…。結果として、5月の頭ごろに退場して、その後時代が変わり、皆さんが年老いていってもそこに豪ちゃんの存在があると言っていただいたのはとても大きかったですし、びっくりしました。

先日も撮影していたときにお散歩をされていた方に「豪ちゃん!」って声をかけていただいて、「まだ呼ばれるんだ!」ってすごくうれしかったですね。もう髪も伸びているし、まさかと。河合さんと夏に「よさこい祭り」で高知にお邪魔させていただいたときも温かく迎えていただいて。それだけすごい作品だったんだなと改めて感じましたし、『あんぱん』という朝ドラで原豪という男の子と出会えたことはすごくありがたいことだと思っています。

――先日24歳になったばかりの細田さんですが、20代のうちにチャレンジしてみたいことはどんなことでしょう。

細田:これまで話してきたこと、望んできたことが全部現実になっているので、特にないんですよね。でも、ラジオのレギュラーはやりたいです。菅田さんもやられていましたし、山田さんもやられているので...。

――先輩の皆さんがいつどんなことをやられていたのか、ちゃんと調べてるんですね!

細田:めちゃくちゃ調べてます(笑)。なんの作品でどの役をやっていたとか、どんな賞をもらっているとか、すごく意識します。その中でも、ラジオはなんとしてでも挑戦したいです。

――お忙しい毎日だと思いますが、今ハマっていることはどんなことですか?

細田:今年公開の映画(『人はなぜラブレターを書くのか』)でボクシングをやられていた方を演じるにあたり、去年の冬に4ヵ月くらい準備期間をいただいてボクシングを始めました。今もハマっていて、これからも続けていきたいと思っています。

――『雪煙チェイス』で幕を開け、解禁されてるだけでもさまざまな話題作へのご出演が続く2026年。どんな1年にしたいですか?

細田:2025年に撮った作品が一気に世の中に出ていく予定なので、勝負の一年になりますし、気合いを入れてしっかり皆さんに届け切らなきゃいけないなというのは強くあります。

たくさん注目していただけるようにこれからも頑張りたいと思っています。

(取材・文:近藤ユウヒ 写真:高野広美)

東野圭吾スペシャルドラマ『雪煙チェイス』は、NHK総合・BSプレミアム4Kにて1月2・3日各22時、2夜連続放送。

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