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スターバックスのコーヒーの情熱を感じるコーヒー豆「スマトラ」の魅力を深掘り!

  • 2026.1.2

スターバックスでは自宅でもおいしいコーヒーが楽しめるよう、多彩なコーヒー豆が販売されている。そのうちのひとつ、深煎りのシングルオリジンコーヒー「スマトラ」(250グラム1540円)は、アメリカ・シアトルで創業したころから愛され続けているコーヒー豆だ。長く親しまれる理由はどこにあるのだろう?

スターバックスのパートナー(従業員)たちがコーヒーの生産地を訪ねて学ぶ、オリジンエクスペリエンス。昨年に続き、2025年も日本から約50名が参加し、インドネシア・スマトラ島へと渡り、コーヒーができるまでを体験したという。現地での貴重な経験をもとに、ロースタリー 東京 コーヒーアンバサダーの菅原さんと、スターバックス コーヒー横浜折本店ストアマネージャー(店長)の平岩さんに、スマトラの魅力を教えてもらった。

スマトラ島ってどんなところ?

「スマトラ」は、スマトラ島で生産された豆だけを使ったシングルオリジンコーヒーだ。では、スマトラ島がどこにあるか知っているだろうか。

スマトラ島は、東南アジアに位置するインドネシア共和国の西端にある。インドネシアは大小1万以上の島々から成る島国で、そのなかでもスマトラ島は、世界で6番目の面積を持つ大きな島だ。なんと、日本の約1.25倍の広さを誇る。

「赤道が島のほぼ中央を通っているため、一年中温暖で、熱帯雨林が広がっています。空港に降り立った瞬間に感じた、強烈な日差しとまとわりつくような熱気。日本とは全く違う空気を強く覚えています。スマトラトラ、スマトラサイなどの島固有動物も多く生息する、自然の豊かさにも圧倒される島です。肥沃な土壌に加え、標高1000メートル以上の高地が多く、昼夜の寒暖差が豆の香りや味わいを豊かにしてくれるため、世界的にも評価の高いコーヒー豆が生産されています」(菅原さん)

2024年のオリジンエクスペリエンスでスマトラ島を訪れた菅原さん
2024年のオリジンエクスペリエンスでスマトラ島を訪れた菅原さん

スマトラのコーヒーとスターバックスは、どう出合った?

スマトラコーヒーは、あるバイヤーがスマトラ産のコーヒーに出合い、その素晴らしさに心を動かされ、全世界のコーヒー専門会社に手紙を書いて情熱を伝えたことから始まった。なかなか返事が得られない中、最初に答えた担当者の一人がスターバックスのコーヒー調達担当者だった。

「当時は、スマトラの豆はまだ広く流通していませんでした。一通の手紙から始まった豆が、50年以上愛され続けているのは素晴らしいことですよね。実は、創業者のハワード・シュルツが初めてスターバックスで飲んだコーヒーもスマトラだったんです。さらに、スティックタイプのコーヒー『スターバックス ヴィア(R)』の開発責任者であるドン・バレンシアが、ヴィアの前進となるコーヒーの開発の際に、最初に手渡された豆もスマトラでした。今では、シングルオリジンとしてだけでなく、『TOKYOロースト』『スターバックス(R) クリスマス ブレンド』『スターバックス(R) アニバーサリー ブレンド』など定番のコーヒーから季節限定のフレンドにも欠かせない存在となっています。スマトラコーヒーは、スターバックスのコーヒーづくりにおける情熱の原点であり、未来につながる一杯でもあるんです」(平岩さん)

2025年にスマトラ島を訪ねた平岩さん
2025年にスマトラ島を訪ねた平岩さん

スターバックスは、世界10カ所にコーヒー生産者を支援するための研究施設・ファーマーサポートセンターを設置しており、スマトラ島にも拠点があることから、スマトラ産のコーヒーを大切にしていることがうかがえる。

「ファーマーサポートセンターは、農家と対等な関係を大切にし、信頼関係を育みながら、自然環境に配慮した生産の向上やコーヒー豆の未来のために取り組む姿勢が印象的でした。小さな畑で生活を支える農家にとって、C.A.F.E.プラクティス(エシカルな調達を目指す、スターバックス独自のプログラム)に共感し参入することで収入が増え、子どもが学校に通えるようになるなど、前向きな環境が生まれています。生産地では、責任を持ってコーヒーを育ててくれている。そこには人の営みがあるのだと強く感じました」(菅原さん)

大自然が育むスマトラの味わいは?

スマトラのパッケージには、「大地を思わせる風味としっかりしたコク」とその味わいが表現されている。その“風味”とは具体的にどんなものか、お二人に印象を聞いてみた。

菅原さんは、「ゴボウやキノコのような土のイメージ。ハーブやスパイス系の香りを感じます」と語る。平岩さんは「雨上がりの森林浴のような香り」と表現。スマトラ島の豊かな自然から生まれるコーヒーの魅力が感じられる。

「軽い焙煎も好まれるようになった今でも、スマトラは創業当時の味を受け継ぐ深煎りの代表格。焙煎を深くすれば、どんな豆にも苦味を出すことはできますが、コクは生み出せません。深煎りでこのコクのある味わいが出るのは、スマトラの豆が持っているポテンシャルの高さのおかげです。コクがあるからこそ、ミルクと合わせやすく、フードペアリングにもマッチしやすい。冷めても酸味が出にくく味が変わりにくいので、ホットコーヒーを時間をかけてゆっくり飲めるところも個人的には魅力に感じています」(菅原さん)

50年以上も愛され続けるスマトラだが、菅原さんは「今と昔では味わいの印象が少し違う」と言う。

「今はハーブを感じますが、昔はもっとスパイスを感じました。味わいの印象に変化があるのは、栽培方法や加工法が進化し、より品質がよくなったから。コーヒー豆が農作物だからこそ、歴史を重ねた今の味になっているんです」(菅原さん)

深いコクはどう生まれる?

スマトラのコーヒーのしっかりしたコクのある味わいの秘密は、加工法(精製法)にある。コーヒー豆は、コーヒーチェリーの果肉や粘液を取り除き乾燥、脱穀して生豆となるが、代表的な方法には、果肉ごと乾燥させる乾燥式(ナチュラル)や、水を使用して果肉や粘液を除去する水洗式(ウォッシュド)などがある。

「スマトラでは、“スマトラ式(半水洗式)”といわれる伝統的な方法で行われています。ほかの加工法と異なり、収穫後に加工場へ運ばれるのではなく、小規模農家が自ら手動のハンドパルパー(脱穀機のようなもの)などで果肉を除去し、豆を半乾燥状態まで仕上げているんです」

「この味わいは、なかなかほかの生産地からは届かないものです。『同じ半水洗式の加工法をほかの地域で行っても、この味わいにはならなかった』と、現地の生産者の方が言っていました。大自然や気候だけでなく、伝統を受け継いだ農家さんの手仕事、“人”という要素も含まれている、特別なコーヒーです」(平岩さん)

「国や地域による加工法の違いは、その土地の気候に関係しているともいわれています。たとえば、水が豊富なコロンビアやグアテマラなどでは水洗式、太陽と土地に恵まれたアフリカは乾燥式が主流です。一方、スマトラ島は周囲が海。スマトラ式は、限られた水源の中で生まれた伝統的な加工法なんです。それぞれ味にも違いが出ます。水洗式は酸味がありスッキリ。乾燥式はベリー感などのフルーティーな風味に。スマトラ式は酸味が控えめで、なめらかなコクとスッキリしたあと味が特徴。背景に合わせて選択された加工法が、産地の個性になるんですね」(菅原さん)

コーヒービギナーにもおすすめのスマトラアレンジ

最後にお二人に、スマトラコーヒーのおすすめアレンジを教えてもらった。苦味を抑えた、コーヒービギナーにも飲みやすい一杯なのでぜひ試してみよう。

〇平岩さんの「アップルシナモンコーヒー」

「りんごジュースと果肉入りりんごジャムを加えて温め、スマトラコーヒーと半々で合わせ、仕上げにシナモンスティックを。ミルクより軽く、ほっとする飲み口で、ライトユーザーにも気軽に楽しめるアレンジです。バターを加えて塩味をアクセントにするのもおすすめです」

〇菅原さんの「スマトラスパイスコーヒー」

「カップにクラフトコーラシロップ適量を入れ、スマトラコーヒーとホットミルクを3対1の割合で注ぎます。フォームミルクにすると口当たりが滑らかになります。クラフトコーラのスパイス感が加わり、苦味を柔らげつつ風味を楽しめます。クラフトチャイシロップに替えてもおいしいですよ」

現地でプレゼントされた思い出のカップ。左が平岩さん、右が菅原さんのもの
現地でプレゼントされた思い出のカップ。左が平岩さん、右が菅原さんのもの

50年以上にわたり愛され続けているスマトラのコーヒーは、生産者をはじめ、コレクター(仲介業者)、加工業者、輸出業者、ロースター、店舗のバリスタなどさまざまな人を経て店頭に並ぶ。その一粒一粒に込められた多くの情熱が、今もなお選ばれ続けている理由かもしれない。

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