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神秘の星パンドラに生息する生き物と生態をチェック!「アバター」クリーチャー図鑑

  • 2025.12.31

世界各国で大ヒットを記録しているジェームズ・キャメロン監督最新作『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(公開中)。遥か彼方の星パンドラを舞台に先住民ナヴィと侵略者の戦いを描く本シリーズの魅力の一つが、パンドラに生息する多彩なクリーチャーだ。あらゆる生命が調和したこの星において、彼らはナヴィと精神的な絆で結ばれた重要なパートナー。そのデザインや生態も、進化レベルで細かく作り込まれている。『アバター』(09)、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(22)を含むシリーズを飾ってきた主要なクリーチャーを紹介しよう。

【写真を見る】レオノプテリクスを操る者は“トルーク・マクト”と呼ばれる(『アバター』)

ナヴィとの接続で感覚の共有や命令伝達ができるパンドラの生き物たち

「アバター」の舞台は、地球から4.37光年離れたアルファ・ケンタウリ星系の衛星パンドラ。地球のように豊かな自然を持つが、大気中の二酸化炭素濃度が高いため地球人にはエグゾパック(フィルターマスク)が欠かせない。パンドラの全土には星の調和を司るエイワと呼ばれる植物ネットワークが張り巡らされ、すべての生き物はフィーラー(神経系の触手)によって精神的に結合できる。ナヴィは後頭部のフィーラーをほかの動物のフィーラーと接続し、感覚の共有や命令伝達が可能。ナヴィはこれをツァヘイル(=絆を結ぶこと)と呼んでいる。

ジェイクは再びレオノプテリクスに乗ることを封印していた(『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』) [c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
ジェイクは再びレオノプテリクスに乗ることを封印していた(『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』) [c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

森林で暮らすナヴィの空の相棒イクラン(マウンテン・バンシー)

山岳地帯に生息する翼竜に似た肉食の飛行動物。体色は青や緑など個体ごとに異なり、4枚の翼による高い機動力を持っている。森林で暮らすナヴィにとってイクランとツァヘイルし、空を飛ぶことは欠かせない通過儀礼。第1作でジェイク(サム・ワーシントン)は、イクランを操ることでナヴィに受け入れられた。イクランは生涯に1人のナヴィとしか絆を結ばず、乗り手が死ぬまでその関係は続く。第2作で海の部族メトカイナ族に合流したあとも、ジェイクの一家はイクランと共生。第3作でも、アッシュ族との空中戦や、ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)がイクランでRDA軍の拠点に潜入したりと数々の活躍が描かれた。

森林で暮らすナヴィの飛行手段であり、相棒のイクラン(『アバター』) [c]Everett Collection/AFLO
森林で暮らすナヴィの飛行手段であり、相棒のイクラン(『アバター』) [c]Everett Collection/AFLO

“最後の影”と呼ばれ恐れられる空の頂点レオノプテリクス(トルーク)

パンドラの空の生態系の頂点に立つ飛行動物。イクランを遥かに凌ぐ巨体に赤とオレンジの縞模様を持ち、その獰猛さからナヴィは、遭遇したら生きては帰れない“最後の影”と呼び畏怖の念を抱いている。ナヴィの間でレオノプテリクスを操る者は“トルーク・マクト”と呼ばれ、救世主として最大級の尊敬で称えられる。第1作でジェイクはトルーク・マクトとなって戦場に立ち、人類の戦闘ヘリやガンシップを捻じ伏せて勝利を手にした。ただし、トルークに乗ると心を獣に支配されるため、以降のジェイクはレオノプテリクスに乗ることを封印している。

空の生態系の頂点に立つレオノプテリクス(『アバター』) [c]Everett Collection/AFLO
空の生態系の頂点に立つレオノプテリクス(『アバター』) [c]Everett Collection/AFLO

最強の陸の捕食者サナター(パルルカン)

森林に生息する黒ヒョウを思わせる最強の陸の捕食者。装甲のような皮膚に6本の脚、巨大な牙を持つ大型の獣で強さと俊敏さも備えている。第1作では体の大きな草食獣を襲ったり、ジェイクを追い回す姿が描かれた。人類との決戦ではエイワの意思でネイティリとツァヘイルし、ジェイクを助けるためクオリッチ(スティーブン・ラング)のAMPスーツと取っ組み合いの激しいバトルを繰り広げた。

黒ヒョウを思わせる最強の陸の捕食者サナター(『アバター』) [c]Everett Collection/AFLO
黒ヒョウを思わせる最強の陸の捕食者サナター(『アバター』) [c]Everett Collection/AFLO

独自の言語や哲学を有する巨大な海洋生物トゥルクン

4つの目を持つクジラに似た巨大な海洋生物で、大きい個体だと体長は90mにも達する。独自の言語や哲学を有するなど高い知能の持ち主で、鳴き声と手話によるナヴィとの会話が可能。第3作では、ジェイクがトゥルクンの族長と話し合いをする姿も描かれた。メトカイナ族とは特に強いつながりを持ち、両者が一緒に参加して聖地でトゥルクンの子どもをエイワとつなげる儀式を行っている。なお、トゥルクンの脳から分泌されるアムリタという物質が人間にとって老化を遅らせる作用があるため、乱獲の対象となっている。

4つの目を持つクジラに似た巨大な海洋生物トゥルクン(『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』) [c]Everett Collection/AFLO
4つの目を持つクジラに似た巨大な海洋生物トゥルクン(『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』) [c]Everett Collection/AFLO

イルカのように人懐こいイル

プレシオサウルスに似た平均7mほどの海洋生物で、イルカのように頭がよく社会性があって人懐こい。遊び好きで水中では華麗な曲芸遊泳も披露する。メトカイナ族にとって海でのパートナーで、移動手段として暮らしに浸透。子どもから大人まで誰もが気軽に接しており、第3作ではスパイダー(ジャック・チャンピオン)が飼いならす姿も描かれた。

頭がよく社会性があって人懐こいイル(『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』) [c]Everett Collection/AFLO
頭がよく社会性があって人懐こいイル(『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』) [c]Everett Collection/AFLO

メトカイナ族の戦士が乗って戦うスキムウィング

トビウオのような翼を持ち、海中から飛び上がることもできる海洋生物。海の部族にとってのイクランのような存在で、戦士たちはスキムウィングとのツァヘイルにより一人前とみなされる。第2作のクライマックスでは、ジェイクやトノワリ(クリフ・カーティス)率いる戦士たちがスキムウィングに乗ってRDA軍を翻弄した。ただし気性は激しく、1人の乗り手と死ぬまで絆を結ぶわけではない。

メトカイナ族の戦士はスキムウィングに乗って戦う(『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』) [c]Everett Collection/AFLO
メトカイナ族の戦士はスキムウィングに乗って戦う(『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』) [c]Everett Collection/AFLO

風の商人が移動に使うメデューソイド

第3作に登場したクラゲに似た飛行生物。細い糸状の触手の先まで150mあり、水素ガスを生成する。水素ガスは空気より軽いため、ナヴィたちの集落を巡回している行商人、風の商人が移動に使う飛行船の動力に利用。メデューソイドのガスで浮いた気球を、丸いエイを思わせるウインドレイが引いて移動している。

クラゲに似た飛行生物メデューソイドと気球を引くエイのようなウインドレイ(『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』) [c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
クラゲに似た飛行生物メデューソイドと気球を引くエイのようなウインドレイ(『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』) [c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

アッシュ族の長ヴァランが乗るナイトレイス

アッシュ族の長ヴァラン(ウーナ・チャップリン)が乗る飛行生物でバンシーの一種と思われる。4枚の翼を持ち、それぞれ10枚の羽根が折り畳まれている。バンシーのようではあるが、頭の先に鋭い角が生えている。

アッシュ族の長ヴァランが乗る飛行生物ナイトレイス(『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』) [c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
アッシュ族の長ヴァランが乗る飛行生物ナイトレイス(『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』) [c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

深海に生息するイカのようなツィヨング

深海に生息する海洋生物。イカのように鋭いクチバシを持っているが、触手は2本しかない。長い触手の先は枝分かれしており、それを指のように器用に使って獲物を絡めとる。動きは俊敏で、群れで行動。ロアク(ブリテン・ダルトン)のイルを追って水面から高くジャンプしたり、クライマックスでは潜水艇に体当たりするなど獰猛さを見せつけた。

第3作にはほかにも、ラッコに似た愛らしい海洋生物や、第2作から登場している天使の羽のような半透明の無脊椎生物ギル・マントルなど多彩なクリーチャーが登場する。壮大なドラマやスペクタクルだけでなく、スクリーンの端々に顔を出す彼らをチェックするのも「アバター」シリーズの楽しみである。

文/神武団四郎

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