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目に黒いものが見えると子どもに言われたら。見分けるヒントを眼科医倉員先生にお伺いしました

  • 2025.12.31

子どもに「光ってみえた」「黒い点がある」と言われたけれど、もしかして飛蚊症や光視症と言われる病気?これって子どもでもかかるものなの?病院に行った方がいい?そんな疑問について、医療法人創光会理事長の倉員敏明先生にお伺いしました。

ママ広場

飛蚊症・光視症って、子どもでも起こるの?

「ピカッと光った」「黒い点が見える」と言われたとき、親が知っておきたい目と脳の話
「さっきまで目の前がピカピカしてたけど、もう消えたよ」
「黒い点がずっと見えるんだけど、動かないんだ」
もしお子さんからこんな言葉を聞いたら、『様子を見て大丈夫?それとも、すぐ眼科に行くべき?』と、不安になる保護者の方も多いのではないでしょうか。

実はこのような症状は、大人だけでなく子どもにも起こることがあります。
ただし、その原因は「目の病気」とは限らず、脳の働きによる一時的な現象であることも少なくありません。
今回は眼科専門医の立場から、飛蚊症・光視症とはどんな症状なのか、子どもの場合に注意すべきポイント、すぐ受診したほうがよいサインを、できるだけわかりやすく解説します。

文豪・芥川龍之介が見た「光」の正体

文豪・芥川龍之介の晩年の作品『歯車』には、次のような描写があります。
「僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。絶えず回っている半透明の歯車だった」
これは、「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる症状を、非常に的確に表現したものです。
閃輝暗点とは、ギザギザした光、歯車のような模様、キラキラした光の帯が突然見え、15~20分ほどで自然に消える症状です。これは「目の病気」ではなく、脳の視覚をつかさどる部分の一時的な血流変化によって起こります。光が消えたあとに強い頭痛が出る場合は「片頭痛」、頭痛を伴わない場合は「無頭痛性片頭痛」と呼ばれ、子どもや若い世代でも珍しくありません。

ママ広場

見分けるヒントは「片眼?両眼?」

診察の際、眼科医が必ず確認する重要な質問があります。
「その光は、片眼だけで見えましたか?それとも両眼で見えていましたか?」
これは、原因を見極めるうえでとても大切なポイントです。

両眼で見えていた場合
片眼ずつ隠しても同じように光が見える場合、脳由来の症状(閃輝暗点など)の可能性が高くなります。
片眼だけで見えていた場合
片方の眼を隠すと症状が消える場合は、網膜や硝子体(目の中のゼリー状の部分)に原因がある可能性があります。
この場合、網膜裂孔、網膜剥離の前兆といった、見逃してはいけない病気が隠れていることもあるため、早めの受診が大切です。※実際には「どちらだったか分からない」ことも多いため、その場合は症状の経過や検査結果を総合して判断します。

子どもの飛蚊症は「大人と同じ」とは限らない

飛蚊症(黒い点や糸くずのようなものが見える症状)は、年齢によって原因が大きく異なります。

大人(40代以降)に多いケース
加齢により、目の中の硝子体が縮み、網膜から剥がれる「後部硝子体剥離」が主な原因です。光視症と飛蚊症が同時に起こることも多く、注意が必要です。
子ども・若い世代の場合
硝子体に弾力があり、網膜としっかりくっついているため、大人と同じ原因はほとんど起こりません。そのため、生まれつきの血管の名残、生理的な飛蚊症であることも多く、黒い点が同じ場所に見えるという訴えにつながることがあります。
ただし、目をぶつけた後目の炎症、強い近視などがある場合は、慎重な判断が必要です。
「子どもだから大丈夫」と自己判断しないことが大切です。

子どもにやさしい検査が可能な時代に

「目の病気なのか、脳の反応なのか」を見極めるためには、眼底検査が欠かせません。
近年は、散瞳(瞳孔を広げる目薬)を使わずに、数秒で網膜の広範囲を撮影できる検査機器が普及しています。そのため、学校の合間小さなお子さんでも、負担を抑えた検査が可能になっています。

まとめ「消えたから安心」とは限りません

お子さんの「光」や「黒い点」は、脳からの一時的な反応なのか、目からの大切なサインなのかを見極めることが、将来の視力を守る第一歩です。
判断に迷ったら、早めに眼科専門医へ相談することをおすすめします。

※文章の一部のリライトにAIを使用しています。

執筆者

プロフィールイメージ
倉員敏明
倉員敏明

さいたま市見沼区で白内障・緑内障・網膜硝子体等の日帰り手術を中心とした眼科クリニックを運営。

当院は「患者さま一人ひとりに合った目の治療を提供し、地域に根差した医院となる」を理念に、さいたま市の地域の皆様の目の健康に貢献したいと考えています。
私の専門は網膜硝子体ですが、クリニックでは様々な疾患のエキスパート医師を招聘し、質の高い最新の医療を提供し、患者さまに満足いただけるよう心がけています。
全員に「来て良かった」と思ってもらえるようなクリニックでありたいと日々思っています。目に関する事なら何でもご相談ください。必ず力になります。

くらかず眼科

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