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栄養吸収が阻害される…「コーヒー」と組み合わせてはいけない“食べ物”とは?【管理栄養士が解説】

  • 2025.12.31
コーヒーと組み合わせてはいけない飲食物は?
コーヒーと組み合わせてはいけない飲食物は?

起床時や朝食時、間食時などにコーヒーを飲む人は多いと思います。眠気覚ましやリラックスに欠かせないコーヒーですが、飲むタイミングによっては、一緒に摂取した食べ物の栄養の吸収が妨げられることがあります。コーヒーを飲む際は、どのような食べ物の摂取を避けた方がよいのでしょうか。コーヒーを飲むのに適したタイミングも含め、管理栄養士の松田加奈さんに聞きました。

鉄分が含まれた食べ物はNG

Q.そもそも、コーヒーを飲むと体にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

松田さん「まず、脂肪燃焼の効果を高めてくれます。コーヒーに含まれる『カフェイン』には、代謝を促し、脂肪酸をエネルギーに変える働きがあるからです。また、仕事中にコーヒーを飲む人は多いと思うのですが、カフェインには、集中力や判断力を向上させる力と、眠気を感じさせる物質の『アデノシン』をブロックする力もあるんですね。

あとは抗酸化作用です。コーヒーには『ポリフェノール』も含まれていて、これがシミや老化、動脈硬化の予防に加え、免疫力を高める後押しをしてくれます。最近では糖尿病のリスクを下げる働きも見つかっており、肝臓にもよさそうです。さらに、コーヒーはメンタル面にも効果的で、香りの良さがストレスホルモンを抑えてくれます。コーヒーを飲むと、気持ちが前向きになるのも、このリラックス効果のおかげかもしれません。

コーヒー単独でも効果がありますが、緊張やストレスを感じているときに深呼吸をしてコーヒーを飲むと、より効果的に自律神経を整えることができます。深呼吸はすぐにできることなので、ぜひ意識してやってみてください」

Q.栄養の吸収の関係でコーヒーと一緒に摂取してはいけない食べ物はありますか。

松田さん「まず、ホウレンソウや大豆、海藻類です。コーヒーに含まれる『タンニン』という物質は、植物性の『鉄分』の吸収を妨げてしまうことがあります。そのため、コーヒーを飲むなら食事中や食事の直後ではなく、少し間を空けるのが望ましいです。

次に、『カルシウム』を含む食べ物です。『カフェイン』は体内のカルシウムを排せつする働きがあり、コーヒーたくさん飲むと骨密度が下がる可能性があります。特に成長期の人やシニアの人は適量を心掛けましょう。

なお、カフェインには利尿作用もあり、コーヒーを飲み過ぎると、体に必要な『マグネシウム』まで排出されてしまいます。喫茶店でコーヒーにナッツ類が添えられているのは、実は理にかなったことで、不足しがちなマグネシウムをナッツで補えるのです。

最後に、『亜鉛』を含む食べ物です。鉄分と同様に『タンニン』が亜鉛の吸収を妨げてしまうことがあります。そのため、味覚障害がある人や貧血がある人は、特に食事中を避けて飲むのが理想です」

Q.食べ物の栄養吸収を阻害しないために、コーヒーを飲むのに適したタイミングについて、教えてください。

松田さん「午前中のティータイムや、午後のおやつの時間など、食事と少し時間を空けて楽しむのがお勧めです。運動する30分前に飲むと、脂肪燃焼の効率がさらに高まります。食前と食後で比べるなら、食後1時間ほどたってから飲むのが理想のタイミングです」

* * *

コーヒーに含まれる「カフェイン」や「タンニン」には、栄養の吸収効率を下げる側面もあります。しかし、飲むタイミングや一緒に取る食べ物を工夫するだけで、そのデメリットを軽減し、カフェインとタンニン、それぞれのメリットを享受できるようになるといいます。

また、コーヒーにはワインと同じく「ポリフェノール」が含まれており、最近では新たな健康効果も見つかるなど、ますますコーヒーへの興味が高まります。ぜひコーヒーを飲んでみてはいかがでしょうか。

オトナンサー編集部

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