液体調味料、健康器具、化粧品…意外と知らない「物の捨て方」19選

大掃除で、バッグやカーペット、健康器具など捨てたいものがたくさん！賞味期限の切れた液体調味料の捨て方は？ いつもの燃えるゴミに出してもいいの？ 意外と知らない物の捨て方について整理収納アドバイザーのRinさんと井田典子さんに聞きました。

なるほど！キッチンまわりの物の捨て方

小型の調理家電

 大型家電は家電リサイクル法の対象ですが、わかりにくいのが小型の調理家電。一定サイズ（※一辺が30cmや50cmなど自治体によってさまざまです。自治体で確認してください。以下同）を超える物は粗大ごみですが、一定サイズ未満の物は家庭ごみとして出すことが可能です。例えば2合炊きの炊飯器のような小さい物は不燃ごみとして出すか、自治体によっては使用済み小型家電として回収ボックスを設けています。

また、金属、ガラス、プラスチックなど素材が混ざっている場合は、可能な限り外して分別すること。プラスチック製のホットサンドメーカーは、本体から中の金属プレートを外して分別して出しましょう。

包丁やカトラリー

包丁は新聞紙やガムテープで巻いて、「危険」または「刃物」と書いて不燃ごみに出しましょう。カトラリーのフォークやナイフなど鋭利な物も、新聞紙で包んで「危険」と書いて出しましょう。

フライパンや鍋、やかん

フライパンや鍋、やかんは、柄を含めずに一定サイズ未満であれば不燃ごみに出せます。それ以上であれば粗大ごみに出しましょう。

油・液体調味料、びん詰食品

賞味期限を過ぎてしまった油や液体調味料、びん詰食品は、排水口に流さず、新聞紙や古布に染み込ませて燃えるごみとして捨てましょう。「牛乳パックなどを切って、そこに新聞紙や古布を入れて染み込ませて封をすれば、臭いも出なくていいです」とRinさん。

容器は本体とフタで、ガラス、缶など分別して出しましょう。割れていたり、水ですすいでも落ちない油汚れがある場合は資源ごみではなく、不燃ごみへ。びん詰の金属製のフタは缶に分別して出しましょう。またラベルをはがすのも忘れずに。

電動ミキサーやかき氷機

電動ミキサーやかき氷機などは、金属や刃の部分を本体から取り外して分別して出します。金属、刃は新聞紙などに包んで「危険」と書いて不燃ごみへ。また電池が入っている場合は忘れず取り出しましょう。

電池やプラスチックなどは自治体の分別に従いましょう。一定サイズ以上の大きさの場合は粗大ごみになります。

ガスボンベ

ガスが残っている状態でガスボンベを捨てるのはかなり危険です（振って“シャカシャカ”音がしたらまだガスが残っている状態）。

ガスを抜くには屋外の火の気のない風通しのいいところで、キャップを外し、先端を下にして、先端部をコンクリートなどに押し付けるとガスが抜けていきます。ガスが出なくなった後、振って音がしなければガスが抜けた状態です。

最近では捨てる際、穴を開けずに廃棄するのが推奨されているので、他のごみとは分けてガスボンベとわかるようにして、不燃ごみに出しましょう。

Rinさんからのアドバイス

「キッチンツールは、まだ使用できて、ある程度清潔であれば、ぜひ寄付などで再利用も。梱包して送るだけで済む場合は分解の手間もなく手放せますよ」（Rinさん）

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また、自治体の分別表を見やすいところに貼っておくのもおすすめだそう。「捨て方に迷うからため込んでしまう。それなら自治体で配布している分別表を目につくところに貼って、いつも確認するクセをつけましょう」とRinさんは話します。

同じ物でも、自治体によって可燃、不燃と異なるのは、焼却炉の処理能力の違いによるものだとか。分別表を見てもわからない場合は、各自治体に問い合わせて相談してみましょう。

最近では自治体によって、ごみ出しの日を通知してくれたり、分別の仕方を検索できるスマートフォン用のごみ出しアプリなどもあるので、利用してみるのも手です。

服飾雑貨の捨て方

靴

革製の靴やゴム製、布製のスニーカーなどは、全般的に可燃ごみとして出せます。ただ、飾りで金属が付いている場合は取り外して、不燃ごみとして出しましょう。

バッグやベルト

革製のバッグやベルトは、金具部分を裁ちばさみなどを使って外して、本体は可燃ごみに、金具は不燃ごみに出しましょう。合皮製の物は不燃ごみの場合もあるので、確認してから出しましょう。

大型アイテムの捨て方

玄関マットやカーペット

玄関マットやカーペットは、一定サイズ以上の物は粗大ごみで出しましょう。それより小さいサイズや、折りたたんで小さくなるものは家庭ごみになります。ただし素材によって異なります。

毛、綿、絹、イ草などの天然繊維のみでできたものは可燃ごみに出せますが、アクリル、ナイロンなどの合成繊維で作られている場合や、裏地に滑り止めのゴム素材の付いたものは不燃ごみとして分別されることもあるので、自治体への確認が必要です。

布団・座布団

布団はたたんで一定サイズ未満に収まれば、可燃ごみとして出すことも可能です。座布団の場合は、木綿わたは可燃ごみとして出せますが、ウレタン素材は自治体によって分別が異なる場合があります。いずれにしても、粗大ごみであれば、お金はかかりますが、確実に処分できます。

健康器具

押し入れや納戸に意外としまいっぱなしにされている、ステッパーやエアロバイクなどの健康器具。ステッパーのように小型タイプで、一定サイズ未満なら家庭ごみとして、それ以上なら粗大ごみとして出しましょう。

また、エアロバイクのように大型の物を粗大ごみに出したくても、重くて家の外まで運ぶのが難しい場合は、自治体に連絡をして粗大ごみの業者に手伝ってもらえないか問い合わせてみましょう。

ゴルフ・スキー用品

ゴルフ用品は、ゴルフバッグ、クラブともに粗大ごみとなりますが、自治体によってクラブとバッグを別に出さないといけない場合と、クラブが入ったバッグごと回収してくれる場合があります。

スキー用品は、板は粗大ごみですが、ストック単体の場合は不燃ごみとして出すのが可能なところも。粗大ごみに出す場合はゴルフ同様、一式または単体と自治体によって異なります。

井田さんからのアドバイス

粗大ごみは前もって行政に予約して、指定された金額の処理券を用意するという手間はかかりますが、期日を決めて、不用品を確実に手放すことができるのでおすすめです。

ため込みがちな小物の捨て方

電池

乾電池はそのまま捨てると火災の原因になるので、両端の電極にテープを貼り、絶縁して自治体の分別に従って出してください。ボタン電池は水銀を含むため、家電量販店などに置かれている回収ボックスに持っていきましょう。

電球・蛍光灯

電球や蛍光灯は、割れないように新聞紙や購入時の箱などで包み、「電球」「蛍光灯」と明記して、不燃ごみまたは自治体の分別に従って出しましょう。割れている場合は「危険」とわかるように書いて出しましょう。

化粧品

鏡付きのコンパクトに入ったファンデーションなどは、中身が残っている場合、ヘラや竹串などを使いながら新聞紙などに取り出し、可燃ごみへ。容器は、プラスチックの場合は自治体ごとの分別に従って出し、金属製の場合は不燃ごみに出しましょう。

マニキュアは、まず中身を古布などに染み込ませて可燃ごみに。容器は本体とフタでガラス、プラスチックと分別して不燃ごみに出しましょう。

ホース

ホースは裁ちばさみなどで一定サイズ以内に切れば、家庭ごみとして出せます。ゴム製、ビニール製のものがあるので、確認した上で自治体の分別に従って出しましょう。

プラスチック製のかみそり

プラスチック製のかみそりは、刃の部分はカバーなどを付け、刃が出ないように包んで、他のごみとは別にして出します。プラスチックの分別に従って出しましょう。

体温計

水銀式の体温計（ほとんどがガラス製）は、破損して水銀が飛び散ると危険なため、捨てるのも注意が必要。新聞紙などに包んで「体温計」とわかるように書いて不燃ごみへ出すか、自治体によっては専用の回収ボックスを設置しています。

盆栽や観葉植物

盆栽や観葉植物などは、まず、植物と土、容器に分類しましょう。観葉植物が大きい場合は剪定ばさみを用いて捨てやすいサイズにカットしましょう。小さい場合はそのまま可燃ごみとして出します。

土は、多くの自治体でごみ収集に出すことができないので、どうしたらいいのか自治体に確認し、業者に処分してもらう場合は、自治体が指定する廃棄物処理業者に持っていきましょう。業者によっては回収に来てくれます。また、持ち込めば回収してくれる園芸店もあります。

容器は素材によって分別を。陶器であれば「割れ物」と書いて不燃ごみに出しましょう。

片付けのコツと物の捨て方を学ぶ今回の特集、いかがでしたか？手元に置いておく物は取り出しやすく収納し、捨てられる物は捨て、すっきりをキープして快適な生活を手に入れましょう！

教えてくれたのはこちらの二人

Rinさん。整理収納アドバイザー、ケアマネジャー。大人のためのシンプルな暮らし方を紹介するブログが人気。

井田典子（いだ・のりこ）さん。整理収納アドバイザー。「出す」「分ける」「減らす」「しまう」という通称“だ・わ・へ・し整理術”が話題に。全国各地で講演を行う。

取材・文＝三橋桃子 イラストレーション＝藤田ヒロコ

※この記事は雑誌「ハルメク」2020年5月号を再編集、掲載しています。