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年末年始は「糖尿病」リスク増!?食後の血糖値上昇を抑える食べ方&おすすめ食材とは【医師解説】

  • 2025.12.30
カロリーが高い料理を食べる機会が多い年末年始は、血糖値が上がりやすい時期(画像はイメージ)
カロリーが高い料理を食べる機会が多い年末年始は、血糖値が上がりやすい時期(画像はイメージ)

年末年始にすしやすき焼き、おせち料理、餅など、カロリーが高い料理を食べる機会や、お酒を飲む機会が増える人は多いと思います。そのため、この時期は体重が増加したり、血糖値が上がりやすくなったりするといわれており、糖尿病の発症リスクが高まる可能性があります。年末年始にできるだけ血糖値の上昇を抑えるには、どのような対策が必要なのでしょうか。食後の血糖値上昇を抑える食べ方やおすすめの食材などについて、糖尿病に詳しい、四谷内科・内視鏡クリニック(東京都新宿区)院長で、総合内科専門医の高木謙太郎さんに聞きました。

食事だけでなくストレスの管理も重要

Q.そもそも、年末年始は血糖値が上がりやすい時期なのでしょうか。原因も含めて、教えてください。

高木さん「年末年始は血糖値が上がりやすい時期と言えるでしょう。なぜなら、この時期は一般的に寒さや休暇のために外出の機会や運動量が減る人が多く、また忘年会やクリスマス、正月、新年会で暴飲暴食の機会が続いたり、おせち料理やお餅など、糖質が多くカロリーが高い料理を食べる機会が増えたりするからです。1日の総カロリー摂取量が普段の2倍になるケースも珍しくありません。

特に注意が必要なのは『血糖値スパイク(食後高血糖)』です。空腹状態での飲酒後に急激に炭水化物を摂取すると、血糖値が急上昇し、膵臓に過度な負担がかかります。この状態が繰り返されると、インスリン分泌能力が低下し、糖尿病の発症リスクが著しく高まります。

また、運動不足は筋肉量の減少を招き、基礎代謝が低下します。これにより糖の消費機能が低下し、血糖値が上がりやすい体質になってしまうので注意が必要です。

このほか、年末は仕事や大掃除などで睡眠不足になったり、ストレスがたまりやすかったり、生活リズムが乱れたりする人が多いです。慢性的なストレスは、コルチゾールなどのストレスホルモンを増加させ、血糖値を上昇させます。

また、多忙で睡眠時間が削られると、食欲を抑制するホルモンが減少し、食欲を増進するホルモンが増加します。その結果、夜遅い時間に高カロリーな食事や間食を摂取してしまう、いわゆる『夜食症候群』に陥りやすくなるため、注意が必要です」

Q.もし年末年始に暴飲暴食し、そのまま放置してしまった場合、どのようなリスクが考えられますか。

高木さん「年末年始に乱れた食事習慣や運動不足の状態がなかなか戻らない場合、血糖値の上昇や、内臓脂肪の蓄積、体重増加が起こり、それにより動脈硬化のリスク上昇や糖尿病の発症につながると考えます」

Q.年末年始、特に年明けに血糖値の上昇を防ぐにはどのような対策が必要なのでしょうか。無理なく実践できる対策について、教えてください。

高木さん「血糖値を適切に管理するには食事だけでなく、睡眠やストレスの管理も非常に重要です。無理なく実践できるポイントは次の通りです」

■食事を工夫する・白米や餅、麺類などの主食は量を意識し、「少なめ」を心掛ける。

・白菜やダイコン、ホウレンソウ、キノコ類、海藻類、こんにゃく、豆腐、鶏肉、魚類など、低糖質で栄養価の高い食材を積極的に取り入れるのがおすすめ。

・野菜や海藻、キノコ類を最初に食べる。これにより、血糖値の急上昇を防ぐことができる。

・甘い物は「毎日」食べるのではなく、量と食べる日を決める。

・お酒は飲み過ぎず、休肝日をつくる。また、血糖値スパイクを防ぐために、飲酒前に軽く食事を取り、空腹での飲酒を避けることが重要。

■軽い運動を行い、体を動かす機会を増やす・ランニングのようなハードな運動を行う必要はなし。食後10分から15分歩くのがお勧め。

・エレベーターではなく階段を使うなど、日常動作を増やす。

■睡眠をしっかり取り、生活リズムを整える・就寝時間、起床時間をできるだけ一定にする。

・夜更かしをして翌日に朝食を抜く行為は避けること。体内時計が乱れる原因となる。

■ストレスを上手に管理する・常に完璧を目指すとストレスが増える原因に。「できることから」行うというスタイルでOK。

・深呼吸や入浴、趣味の時間など、リラックスする習慣を意識する。

ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

オトナンサー編集部

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