1. トップ
  2. 恋愛
  3. 【高杉真宙さん】家族って、難しいけど愛おしい。 結局、僕の“人としての土台”も家族によってできている

【高杉真宙さん】家族って、難しいけど愛おしい。 結局、僕の“人としての土台”も家族によってできている

  • 2025.12.30

日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』で、乗馬ライセンスを取得してのぞんだジョッキー役で一気に注目を集め、その柔らかな風貌で老若男女からファンの多い高杉真宙さん。
13歳でスカウトされたのを機に俳優デビューして16年、ジョッキーの他にも弁護士、
警察官……と様々な役を演じてきた高杉さんが、今回の映画『架空の犬と嘘をつく猫』で
挑んだのは、日常の隣にいそうなごく普通の優しい青年。
ただ、幼い頃に弟を失い、そのため空想の世界で生きるようになった母のため、
大人になるまで嘘の手紙を書き続けている――。母、父、姉、祖父、祖母、それぞれが
不都合な真実から目をそらしたまま寄り添う家族たちを丁寧に映し出す中、
主演の高杉さんの優しい演技が核となる映画だ。
そこで、今回の映画にちなみ、高杉さんの「家族観」についてあれこれ聞いてみました。

一番身近なコミュニティだけど、 個の集まりゆえに難しいのが、“家族”

“家族”って難しいですよね。
“家族”とはいえ、別々の人間の集まりですから、ひとりひとり考えも違うし、
そのすり合わせは、本当に難しい。
しかし、例え遠く離れていたとしても、“子”と“親”、“きょうだい”という繋がりは、絶対に消えない。そう、どれだけ時代が変わっても、“家族”は人が生きていくためのいちばん身近な
コミュニティなんですよね。
幼少期に身心を育むコミュニティとしての家族があって、
そこから学校、社会へと世界が広がっていく。
家族って、不完全で、やっかいで、でもどこか愛おしい――、
そんな言葉にできないどうしようもない感情が、今回僕が演じた山吹が抱えていた
思いだと思います。

僕はといえば、弟が二人いるのですが、相当ケンカをしてきたんですよ。
今回の役を演じるにあたって、家族との距離感をすごく意識したのですが、
僕も、実際に2人の弟に対してそれぞれに言い方も距離感も関係性も違うんですね。
今回の映画のキャッチフレーズのように、「家族をやめたい!」
なんて思ったことも多々あります。
でも、お互いに年齢を重ねて色々な経験をして、そんなふうに思っていた当時の思いは
いつの間にか薄れ、今は「元気でいてくれればそれでいい……」、
そんな気持ちに変化してきました。
最近では、たまに会ってゴハンを食べたりもするんですよ。
男3人、3兄弟で一緒につるんでゴハンを食べに行ってます。
弟たちは、食事に行った場所で、兄が俳優であるがゆえに若干周囲に
気を配らなくちゃいけないのを面倒に感じているようですが……(笑)。

幼い頃に一緒に過ごした祖父母の教えが 僕の人としての土台に

僕が演じた山吹もそうですが、幼い頃に“家族”と交わした言葉やコミュニケーションは、
人間形成にも大きく影響しますよね。
僕の場合、祖父母たちから教えられたものが、大人になった今も
ずっと人としての土台にあって。
僕の家は、祖父母の家と近かったので、学校が終わった後や、母親が出かけていない時など、歩いてよく祖父母の家に遊びに行っていたんです。
それで、挨拶や礼儀は、よく祖父母から言い聞かせられていました。
大人になった今でも祖父母に会うと、言われるんです。
「ちゃんと挨拶しているのか?」とか「ちゃんとした言葉づかいで話しなさい」とか(笑)。
ご飯食べる時に「いただきます」と言わずに食べていると、
もう大変。食べた後に、「言い直しなさい!」と(笑)。
それでも、そんなふうに叱ってもらえるのはすごく幸せなこと。
性格って、環境ですごく変わるものなのだと思いますから。
厳しく教えられてきたからこそ、自分の根底には礼儀や挨拶を大事にするという
基本があるのではないかと思います。
家族は、時にやっかいだけれど、やっぱり温かい存在であることも確か。
大人になった今、改めて色々な人に見守られて育ったのだなと、
感じています。

Mahiro Takasugi

1996年7月4日生まれ。福岡県出身。2009年に俳優デビュー。映画「カルテット!~Quartet!~」(’12年)で初主演を務め、映画「ぼんとリンちゃん」(’14年)で第36回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞を受賞。その後も映画「異動辞令は音楽隊!」(’22年)、「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編-運命-/-決戦-」(’23年)など多くのドラマ、映画にと活躍し、’25年はドラマ「法廷のドラゴン」、「三笠のキングと、あと数人」、「夜の道標-ある容疑者を巡る記録-」、「ザ・ロイヤルファミリー」、映画「劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション」に出演し、多忙を極めた。

©2025 映画「架空の犬と嘘をつく猫」製作委員会

『架空の犬と嘘をつく猫』
出演:高杉真宙
伊藤万理華、深川麻衣、安藤裕子、向里祐香、ヒコロヒー
安田 顕、余 喜美子、柄本 明 ほか
監督:森ガキ侑大
長男の山吹は、弟を失い、空想の世界で生きるようになった母のため、“嘘の手紙”を書き続けてきた。母、父、姉、祖父、祖母――それぞれが不都合な真実から目をそらしたまま寄り添い合う羽猫家で、山吹はただひとり、家族と向き合いながら成長していく……。家族の小さな違和感や沈黙の中に積み重ねられる嘘と、それをほどいていく過程に、じんわりとした温かさと希望が宿る物語。
1月9日(金)公開 配給: ポニーキャニオン

撮影/遠藤優貴 スタイリスト/菊池陽之介 ヘアメイク/堤紗也香 取材・構成/河合由樹

元記事で読む
の記事をもっとみる