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山梨学院高がPK戦ものにする!DF藤井サリューはジェフユナイテッド千葉アカデミー同級生の活躍に「負けていられない」

  • 2025.12.29

[第104回全国高校サッカー選手権大会1回戦、山梨学院高(山梨県代表)0-0(PK 6-5)京都橘高(京都府代表)、29日、埼玉・浦和駒場スタジアム]

1回戦が29日に関東各地で行われ、山梨学院高がPK戦の末に京都橘高を下し、2回戦進出を決めた。

この試合で右サイドバックとして先発したDF藤井サリュー(2年、ジェフユナイテッド千葉U-15)は、身体を張った守備でチームの完封勝利に貢献。攻撃面でも得意のロングスローを武器に、相手に脅威を与え続けた。

画像: ドリブルで右サイドを突破する藤井(写真中央 縄手猟)
ドリブルで右サイドを突破する藤井(写真中央 縄手猟)

“千葉昇格の立役者”同級生の姫野誠に刺激

藤井は試合後、「前半は選手権の独特な雰囲気に飲まれてしまった」と振り返った。緊張から思うようにプレーできず、前半から果敢にドリブルで仕掛けてくる相手に手を焼いた。

特に、相手のMF河村頼輝(3年、FC湖東)に何度もシュートチャンスをつくられ、苦しい時間が続いた。

それでもハーフタイムにチームメイトと話し合い、前線からの圧力を強め、相手にロングボールを蹴らせて回収する守備を徹底した。

前半は緊張で動きが硬かった藤井だが、頼れる主将・MF高見啓太(3年、大阪市ジュネッスFC)の「ビビらずやるぞ!」という鼓舞の言葉に背中を押され、「俺もやらなくちゃ」と気持ちを奮い立たせた。

後半からは落ち着きを取り戻し、右足からのクロスやロングスローで、チャンスを演出。

80分で決着はつかず、勝負はPK戦に委ねられた。

5人目のキッカーを務めた藤井は、GKの逆を突く落ち着いたキックをゴール左に決めた。

その後、相手の5人目もPKを成功させ、サドンデスに突入したが、相手の6人目のキックをGK石井那樹(ともき、1年、カナリーニョFC)がストップ。

プロ内定選手を擁する難敵を、見事に退けた。

日本人の母とセネガル人の父を持つ藤井は、17年ぶりのJ1復帰を果たした千葉のアカデミー出身。

J1昇格プレーオフ準決勝のRB大宮アルディージャ戦(4〇3)では、藤井の同級生としてともに千葉アカデミー時代を過ごしたMF姫野誠が、チームの3点目となる同点ゴールを挙げる衝撃的なデビューを飾った。

画像: J1昇格プレーオフ準決勝の大宮戦で、自身プロ初ゴールとなる同点弾を挙げた姫野(写真 縄手猟)
J1昇格プレーオフ準決勝の大宮戦で、自身プロ初ゴールとなる同点弾を挙げた姫野(写真 縄手猟)

「一緒にやっていた姫野が、プレーオフで(点を)決めて、めっちゃ刺激になった」

今年の夏には、藤井自身も千葉の練習に参加。姫野とは約2年ぶりに再会し、練習後には積もる話に花を咲かせた。

当時はトップチームで公式戦出場がなかった姫野が、プロデビュー戦となったプレーオフでクラブの歴史に名を刻む活躍を見せたことに、驚きを隠せなかったという。

「夏まで一緒にジェフのトップチームで練習していた同級生が、その半年後ぐらいにプレーオフに出て、点も決めてしまって、本当にびっくりです。『もう、そこまで行ったんだ…』みたいな、(僕も)負けていられない」

千葉アカデミー時代の同級生の活躍に刺激を受けた山梨学院高の背番号2は、次戦では目に見える結果でチームの勝利に貢献したいと意気込む。

「1回戦で(選手権の)雰囲気には慣れたので、次の試合はチャレンジャー精神でプレーする。ここからは自分のプレーを展開できると思うので、自分がアシストやゴールを決めて勝利に貢献したいと思います」

山梨学院高は31日午後2時10分から浦和駒場スタジアムで尚志高(福島県代表)と対戦する。選手権初戦で自信をつかんだ藤井が、次戦で次なる一歩を踏み出す。

(取材・文・写真 縄手猟)

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