1. トップ
  2. 恋愛
  3. 元妻の両親「ローンを払え!」督促状を手に突然の訪問…私「支払い義務はありません」元妻に連絡すると

元妻の両親「ローンを払え!」督促状を手に突然の訪問…私「支払い義務はありません」元妻に連絡すると

  • 2025.12.29

離婚して1年。ようやく生活も気持ちも落ち着いてきたころでした。インターホンが鳴り、ドアを開けると……。

元義両親が突然の訪問…耳を疑った理由とは

そこに立っていたのは元義父と元義母でした。しかも2人とも妙に興奮した様子で、玄関に入るなり封筒を突き出してきたのです。「これ、見なさい!」封筒には金融機関のロゴと「至急」「督促」といった文字が並んでいました。どうやら元妻は、ローン滞納を親に知られた際、「元夫(私)が払うはずだったのに、約束を破った」と説明していたようでした。

私は一瞬言葉を失いましたが、すぐに深呼吸して冷静に説明しました。「私と娘さんはすでに離婚しています。あの家のローン契約者は彼女で、私は連帯保証人にもなっていません。財産分与の際にも“家は彼女が住み続け、ローンも彼女が支払う”と書面にしています。私に支払い義務はありません」。

そう伝えると、元義母は眉をつり上げて「でも、あんたも住んでたじゃない! 家族だったんだから責任があるでしょ!」と食い下がります。「お気持ちはわかります。でも、法的に支払う人は決まっています。まずはご本人に確認してください」。それでも2人は聞く耳を持ちません。元義父は督促状を机に叩きつけ、「いいから払え! お前が払えば済む話だろ!」と声を荒げました。

督促状を振り回す義父。私が取った行動は

そこから先は、まるで悪夢の延長でした。元義両親はその日だけで帰らず、翌日も押しかけてきたのです。私が「これ以上は困ります。警察沙汰にはしたくないので、まずは元妻と話してください」と言っても、元義母は「娘は今、旅行中なの! だからあんたが払うの!」と、理屈になっていない理屈を並べ立てます。

さらに元義父が、督促状を振り回しながら「早く払え! 明日ゴルフに行けないだろ!」と叫んだのです。……心のどこかで「元妻にはローンを払えない事情があるのかもしれない」と同情しかけていた自分が、馬鹿みたいに思えました。

私は改めて「そのローンは私の名義ではありません。私に払えと言うのは筋違いです。ここまで説明しても理解していただけないなら、第三者を入れます」と伝えました。すると元義父は鼻で笑い、「弁護士? 脅しか? こっちだって払わせる方法なんていくらでもある」と吐き捨てました。

弁護士に相談し、元妻に電話をかけると…

これ以上説明しても無駄だと判断した私は、玄関先でスマホを取り出しました。離婚のときに一度相談した弁護士に電話をかけ、スピーカーに切り替えます。「先生、元義両親が督促状を持ってきて、“私にローンを払え”と言っているのですが……」。状況を聞いた弁護士は、落ち着いた声で言いました。

「結論から言うと、あなたに支払い義務はありません。ローンの契約者が元奥さまで、あなたが保証人でもないなら、あなたに請求はできません」。元義父が「でも元夫だろ!」と食ってかかると、弁護士は言葉を選びながらも、はっきり返しました。「“元夫”というだけでは、お金を払わせることはできません。本人の借金を、関係のない第三者に押し付けることはできません」。

私が何度説明しても聞かなかったのに、電話越しのひと言だけで元義両親の表情が変わるのがわかりました。すると元義父は「娘がお前が払うって言ってたぞ!」と言い放ちました。私は「それなら今、娘さんに連絡してください」と伝え、義父は元妻に電話をかけ、スピーカーにしました。数回の呼び出しのあと、元妻のだるそうな声が返ってきます。

「最近、何度も電話かけてきて……一体なんなの?」という声が聞こえたので、私はすぐに「ローンを滞納しているって督促が来ている。お義父さんお義母さんには“俺が払う”って言ったんだって?」と問いかけました。元妻は一瞬間を置き、さらっと「うん、言った。だってそういう流れだったじゃん」と答えたのです。

元妻のローン滞納…呆れる理由とは

その瞬間、元義両親は「ほら見ろ」という顔で私を見ました。けれど私は続けました。「そんな約束をしていない。いつ、どこで“払う”って言った?」。元妻は急に歯切れが悪くなり、「えっと……細かいこと言わないでよ」と濁します。会話を聞いていた弁護士が、スピーカー越しにひと言だけ挟みました。「“細かいこと”ではありません。約束したと言うなら、証拠を示してください」。

元妻は黙り込み、しばらくして小さな声で吐き出しました。「……ごめん。親にいろいろ言われるのが面倒で、そう言った」。元義母が「え?」と固まり、元義父の顔がみるみる青ざめていきます。私は畳みかけるように、「じゃあ、なぜ払っていない? お金がなかったのか」と聞きました。すると元妻は、言い訳の勢いで本音まで漏らしました。「彼と旅行したり、バッグやコートを買ったりして出費が重なって……今月だけ、って思ったんだけど」。

そのひと言で空気が凍りつきました。娘のために必死になっていると思っていた元義両親は、実は娘の“嘘”によって、私に怒鳴り込んできただけだったのです。元義父が震える声で「お前……嘘ついたのか」と言うと、元妻は「うるさい!」と叫んで電話を切りました。プツッという切断音だけが、やけに大きく響き……。最後に弁護士が元義両親へ淡々と告げました。「今の通りです。この方に請求はできません。今後の連絡は、娘さんご本人へお願いします」。

元義両親はしばらく黙っていましたが、元義母が悔しそうにうつむき、「……わかりました」と絞り出しました。元義父も、さきほどまでの勢いが嘘のように肩を落とし、私にだけ小さく「……悪かった」と言いました。そう言うと、2人は何も言わず、そのまま帰っていきました。ドアが閉まったあと、胸の奥に残ったのは怒りではなく、ようやく終わったという、スッとした感覚でした。

◇ ◇ ◇

離婚後もなお、「元家族だから」「以前住んでいたから」といった曖昧な感情論で、金銭的な責任を押しつけられるケースは少なくありません。しかし、ローンや借金の支払い義務は契約で決まるもの。もし理不尽な要求を受けたときは、ひとりで抱え込まず、早めに専門家へ相談することが大切です。

【取材時期:2025年12月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部

元記事で読む
の記事をもっとみる