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夫婦で家事分担したのに「手伝う」と言う夫 上から目線の態度に、妻はどう対応すべきか

  • 2025.12.29
夫婦で家事を分担すると約束したにもかかわらず、夫が家事を「手伝う」と言ってしまう原因は?
夫婦で家事を分担すると約束したにもかかわらず、夫が家事を「手伝う」と言ってしまう原因は?

夫婦共働きの家庭が珍しくなくなった今、家事を夫婦で分担することも当たり前になりつつあります。しかし、中には、話し合って家事を分担したはずなのに、夫が家事をすることを「手伝う」と言うケースがあるようです。

SNS上では、そうしたことを言う夫に「手伝うというのがおかしい」「家事は手伝うものじゃなくて、やるもんなの!」といった声が上がっています。家事を分担したのになぜ、夫は「手伝う」と言ってしまうのでしょうか。夫婦カウンセラーの木村泰之さんが解説します。

妻が嫌みを言うのはNG

夫婦で話し合って家事を分担したはずなのに、夫が「手伝う」と言ってしまうのは、夫の心理の中に「家はオフの空間」という認識があるためです。会社で働くことが自分の役割だと強く感じている夫の場合、会社が“主戦場”で、家は“休息の場”という意識になりがちです。そのため、夫婦が平等に家事の分担を決めても、夫の意欲が希薄で、担当する家事の優先順位が下がってしまうのです。

また、どちらかといえば、夫よりも妻の方が家事には敏感で「やらなければいけない」という意識がすぐ行動に出ます。一方、夫は、やるべき家事に気が付いても、それを見ている意識になりがちで、その結果、本来は自分の役割があるにもかかわらず、「手伝う」という本音が出てくるのです。

夫から「手伝う」と言われると気分がよくない妻もいるでしょう。その場合、妻はそうした気持ちをグッと飲み込み、「ありがとう、やってくれると助かる」などと、ポジティブな返事をした方が夫婦の距離感がよくなります。もちろん、“手伝う”のではなく、“黙ってやる”のが本来のあるべき姿です。

しかし、それにこだわって嫌みを言うと、夫も「そんなふうに言うのなら、やめた」「俺だって、疲れている中でやろうと思っているのに」と後味が悪くなってしまいます。

それよりも、夫の“やる気スイッチ”が入ったのを見逃さずに“損して得取れ”の対応をした方が結果的に、夫が家事をやることにつながります。「手伝う」と言うときの夫は「家事をやらなければいけない」と思っているのです。ただ、「黙ってやるのも気恥ずかしい」「下手に出るのも嫌」という思いが交錯し、うまい言い方が見つからず、つい、「手伝う」と上から目線で言ってしまうのです。

そのため、妻は「夫は自分の分担をやろうとはしているけど、私に指摘されたくないんだ」と、適度に気にすると関係性も良くなります。言葉尻ではなく、夫が家事そのものをやっているかどうかで考えた方が妻にとっても余裕が出てくるはずです。そして、夫が家事を行い始めたときに正しい家事の方法なども伝えて、「結構上手じゃない」と褒めると、夫は次回以降、もっとやる気を出して参加するはずです。

ところで、男性の中には「夫の方が多く稼いでいるのだから、夫にとって家事が『手伝い感覚』になるのは仕方ない」という声が上がることがあります。現在は夫の育児参加を含めて、公私のバランスが性別関係なく見直されてきています。そうした中で「夫は仕事で多く稼いでいるのだから、家事はそこまで力を入れなくてもよい」というのはおかしな話です。

現実問題として、多くの夫婦の場合、経済的には夫の方が収入を多く得ている傾向にあります。その現実が、どうしても家事の分担に影響を与えているようです。しかし、家事は仕事のようにお金に換算して考えることではありません。

つまり、収入を得るための労力と、家族で過ごすための時間やエネルギーは別物です。経済的な生産性を物差しにしていると、どうしても家事は「稼いでいない仕事」という暗黙の了解ができてしまいます。そうしたことを防ぐためにも、日々の暮らしの中で「家事は大事なミッション」という意識を改めて、夫婦間で共有するように努めてみてはいかがでしょうか。

なお、家事に限らず、夫婦間の会話などで嫌な思いをすることは少なからずあるはずです。「夫は私のことを分かってくれない」「妻とはいつも意見が合わない」という思いが溝を深くさせます。このようなときには、けんかやすれ違いを受け入れることが大事です。そもそも、夫婦の生活とは異性で生まれも育ちも違う他人との共同生活です。もめ事を避けたり、ごまかしたりしては関係性がうまくいきません。苦い思いや嫌な思いから学習していくのが夫婦です。

そこから、「この言い合いは一歩引いた方がいい」「もっと話題を変えて話そう」という、柔軟な対応が生まれます。そういう意味でも、摩擦やあつれきを夫婦の関係改善に生かすことが大事です。

オトナンサー編集部

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