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貧血対策に【腸活】がおすすめな理由とは?医師監修のセルフケア5選も

  • 2025.12.29

めまい、息切れ、肌のくすみなど、貧血による悩みを抱えていませんか? 実は、貧血の背景には腸内環境が関わっていることがあります。貧血と腸内環境の関係性をひもとき、貧血対策につながる腸活をご紹介します。

1.貧血と腸内環境の関係性は?

腸は、食事からとった鉄分を吸収する重要な器官です。鉄分の多くは十二指腸から空腸(小腸の一部)にかけて吸収されています。
しかし、腸内で悪玉菌が増えると腸粘膜の働きが弱まり、鉄分を体内に取り込む力が低下します。その状態が続くと、鉄分の不足が進み、めまいや疲労感といった貧血の症状が長引きやすくなるのです。

また、鉄分が不足すると腸のぜん動運動が鈍り、便秘を招きやすくなります。便秘が続くと腸内環境がさらに乱れ、善玉菌が減って悪玉菌が優位になり、鉄分の吸収低下をさらに加速させるという悪循環に陥ります。

つまり、腸内環境と貧血は互いに影響し合っています。そのため、腸を整えることが鉄分の吸収を助けて貧血による不調を改善する大切なステップとなります。

2.腸内環境が悪化する要因は?

腸内には善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つに分類される腸内細菌が存在しており、これらの腸内細菌のバランスによって腸内環境が決まります。
腸内環境は、日常の生活習慣などの影響で変わりやすいものです。例えば、食生活の偏り、運動不足や睡眠不足、強いストレスなどは、腸内細菌のバランスを乱し、腸内環境を悪化させる原因となります。

3.貧血対策につながる腸活5選

①善玉菌を多く含む食材をとる

腸内の善玉菌を増やすことで、腸の機能が高まり、鉄分も効率的に取り込まれやすくなります。
善玉菌を含むヨーグルト、納豆、味噌、キムチなどの発酵食品や乳製品を毎日の食事に意識的に加えたり、乳酸菌入りの飲料を飲む習慣をつけたりすると良いでしょう。
さらに、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖も合わせてとることで、腸内の善玉菌を育てることにつながります。
ただし、牛乳などに含まれるカルシウムは過剰にとると鉄分の吸収を阻害する可能性があるため、とり過ぎに注意しましょう。

②鉄分を多く含む食材をとる

鉄分を多く含む食材をとり、体内の鉄分を増やすことも大切です。
鉄分には、赤身肉やレバー、魚介類などに含まれる「ヘム鉄」と、野菜や海藻類、豆類などに含まれる「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収率が良く、非ヘム鉄は吸収率がやや低めです。
非ヘム鉄はたんぱく質やビタミンCと一緒にとることで吸収率を高めることができます。たんぱく質が豊富な納豆や豆腐などの大豆製品や卵を組み合わせたり、ビタミンCが豊富な緑黄色野菜や果物を使った一品をプラスしたりして吸収率を高めましょう。
なお、鉄分の1日の摂取推奨量は、月経のある成人女性の場合は10〜10.5mgです。通常の食事では過剰摂取にはなりにくいですが、とり過ぎると胃の不調などにつながる可能性があるためとり過ぎないようにしましょう。

③こまめに水分補給をする

水分が不足していると、腸内の水分が体に吸収されてしまい、便が硬くなって便秘になりやすくなります。便秘になれば、腸内環境が滞り、鉄分の吸収にも影響を及ぼす可能性があります。
そのため、こまめに水分補給をし、水分不足にならないようにしましょう。特に、朝起きたらコップ1杯の白湯または常温の水を飲み、腸のぜん動運動を促す習慣をつけるのがおすすめです。お風呂上がりや就寝前など、タイミングを決めてこまめに水分を補給しましょう。

④適度に運動する

運動は腸を物理的に刺激し周辺の筋肉を鍛えることで、腸の動きを活発にすることにつながります。また、運動によってストレスが軽減され、自律神経のバランスが整うことも、腸内環境の改善に役立ちます。
例えば、ウォーキングや軽めの筋トレ、ストレッチなどを習慣として取り入れるのがおすすめです。起床時にストレッチをする、通勤時に歩く距離を増やすなど、無理なく続けられる運動で腸周辺の筋肉を鍛え、腸が動きやすい体を目指しましょう。

⑤サプリメントを活用する

食事と生活習慣の改善によるセルフケアが十分にできないときには、サプリメントを活用するのも一つの手。鉄分のサプリメントで鉄分そのものを増やすほか、善玉菌や善玉菌のエサとなる成分を含むサプリメントで腸内環境を整えることもできます。
ただし、鉄分のサプリメントは過剰摂取による胃腸の不調を招く可能性があるため、医師や薬剤師に相談した上で活用しましょう。

 

 

<参考文献>

監修してくれたのは…医師・後藤利夫さん

1988年、東京大学医学部卒業。独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法「水浸法」を開発。大腸内視鏡6万件以上無事故のベテラン医師。大腸がん予防から始まった腸内細菌や乳酸菌にも造詣が深く、菌のパワーを使って健康になる方法を各所で伝授し続けている乳酸菌の専門家。サプリメント「」の監修も務める。

編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか

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