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入社以来、成約ゼロ。売れない営業マンがやらかした「客を選り好み」する痛恨のミス【作者に聞く】

  • 2025.12.28
画像提供:みこまる(@micomalu)
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年末恒例、ヒット漫画振り返り企画!2025年にバズった人気漫画をプレイバック。

ショールームに並ぶピカピカの新車と、笑顔の営業スタッフ。華やかに見えるカーディーラーの世界だが、その裏側には知られざる苦労や人間ドラマが渦巻いている。 みこまるさん(@micomalu)が描く『田端、明日は売るつもり!』は、憧れのディーラーに就職したものの、入社以来1台も車を売ることができない新人営業マン・田端の苦悩と成長を描いた作品だ。 WEB漫画賞「クニエ漫画グランプリ2021」でSNS読者賞を獲得した本作について、制作の裏側や衝撃の実話エピソードをみこまるさんに聞いた。

ボロボロの服を着た客は「神様」だった

画像提供:みこまる(@micomalu)
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主人公の田端は焦っていた。「売りたい」という熱意ばかりが空回りし、肝心の客が見えていない。子供連れの夫婦を長時間待たせて見積書を作ったり、客を見た目で判断したりと、自分本位な接客を続けていた。 そんなある日、農作業用の軽トラに乗ったおじいさんが来店する。泥だらけの服装を見た田端は「購入する気がない冷やかしだ」と決めつけ、忙しさを理由にその客の対応を同僚に押し付けてしまった。 しかし、偏見を持たずに接客した同僚は、なんとその日に3台もの契約を勝ち取る。 実はおじいさんは、見た目とは裏腹に豪邸に住む資産家だったのだ。

みこまるさんによると、この衝撃的な展開は取材で耳にした実話がベースになっているという。 「取材先の店長から聞いたエピソードでした。軽トラのおじいさんは実はとんでもないお金持ちで…という話を聞き、人は見かけによらないという教訓として漫画に取り入れました」

ディーラーへの徹底取材で見えた景色

本作を執筆するにあたり、みこまるさんは現役のディーラーたちにアンケートや取材を行っている。 集まったエピソードは、心温まるいい話ばかりではない。困った客の理不尽な要求やトラブルなど、現場ならではの生々しい声も多数寄せられた。みこまるさんは「客の数だけ物語があり、日々さまざまなドラマに出くわしている仕事なのだと実感した」と語る。 そうしたリアリティが、田端というキャラクターの痛々しさや、そこからの成長に説得力を与えているのだろう。

「売るとは何か」ポンコツ新人の成長記録

連載当時、本作は1カ月ごとの更新だったため、みこまるさんは「期間が空いても、初見の読者でも楽しめるように」と、毎回読み切りのような構成を意識して描いていたそうだ。 物語を通じて、田端は多くの人々と関わっていく。成績優秀な同僚、クールな先輩、伝説のトップディーラー、職人気質の整備士、そして店長。彼らとの交流や失敗経験を経て、田端は「仕事とは何か」「モノを売るとはどういうことか」という営業の本質を学んでいく。 ビジネスパーソンなら誰もが一度はぶつかる壁と、それを乗り越えるヒントが詰まったお仕事漫画である。

取材協力:みこまる(@micomalu)

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