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「消えてる!」駅前で異変も 記録的なドカ雪に猛暑、二季…2025年の天気を振り返る

  • 2025.12.27

2025年も残すところあとわずかになりました。皆さんにとって、今年の天気で印象に残っている出来事はなんでしょうか?

帯広の記録的なドカ雪から始まり、夏は記録的な猛暑。流行語大賞には、季節が夏と冬しかないように感じる気候を表す「二季」がノミネートされるなど、印象的な出来事が多かった一年でした。

今回は、そんな2025年の天気を、HBCウェザーセンターの気象予報士・篠田勇弥と一緒に振り返ってみましょう。

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連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」

少雪から一転、記録的ドカ雪へ(1~2月)

2025年の元日は、冬型の気圧配置になり、日本海側を中心に雪が降りました。ただ、天気が荒れるほどではなく、日本気象協会によると、主な都市では函館や帯広、釧路、稚内周辺で初日の出を見ることができたようです。

筆者も初日の出を見るために、札幌から白老町まで移動しました。

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2025年1月1日 白老町インカルミンタルより(筆者撮影)

当初、室蘭市の地球岬を目指していたのですが、雲の動きを見て白老町に変更。この判断が大正解でした。

1月は比較的穏やかな天気が、月末にかけて続きました。

冬型の気圧配置が長続きしなかったことで、1月は記録的な少雪になり、北海道全体で平年のおよそ6割、太平洋側では4割にも満たない降雪量になりました。

札幌でも、1月中旬まではほとんど雪が降らず、「さっぽろ雪まつりの開催は大丈夫なのか?」と心配する声が聞こえるほどでしたが、月末にはこれまでの遅れを取り戻すように、まとまった雪が降りました。

そして、2025年の冬で一番のトピックになる出来事は、2月3日から4日にかけて起こります。帯広では、低気圧や暖かく湿った空気の影響で、わずか一晩で120センチという、全国でも例のないドカ雪になりました。

経験したことのない大雪に、除雪や交通障害などで大変な思いをされた方も多かったのではないでしょうか?

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帯広の雪の様子 今日ドキッ2025年2月4日放送

記録的な海水温の高さも、ドカ雪の原因の一つになりました。

春は足早 サクラの開花も早く(3~5月)

3月に入ると雪解けは順調に進みました。

札幌の積雪も4月上旬になくなり、冬の終わりは例年と大きな差はありませんでした。

4月の天気は、低気圧や湿った空気の影響を受けて、雨の日が多くなり、北海道全体の日照時間は例年の8割にも届きませんでした。

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札幌の桜とHBCウェザーセンター・児玉晃気象予報士(2025年4月21日の天気予報より)

それでも、気温は平年よりも高めに経過し、函館や札幌のサクラの開花は4月23日と、平年より一週間ほど早い開花になりました。

近年はサクラの開花が早まっていて、札幌では平年の開花日5月1日を待たず、今年を含め12年連続で4月中の開花になりました。

5月も全体的に気温は高めで、北海道の平均気温は観測史上3番目に高くなりました。

前倒しでやってきた夏本番 記録的猛暑に(6~8月)

本来、6月の北海道といえば、清々しく過ごしやすいイメージがありますが、今年は前倒しで夏本番の暑さがやってきました。

札幌で6月に真夏日(最高気温が30度以上)になるのは、例年であれば1日あるかどうかですが、今年は過去最多となる6日も観測しました。

7月に入ると暑さはさらに勢いを増します。
24日には北見で39.0度、帯広は38.8度を観測するなど、7月の北海道記録を塗り替えるほどの危険な暑さになりました。

8月に入っても暑さは衰えず、この夏の北海道の気温は、これまでの記録を大幅に更新し、記録的な猛暑となりました。

また、本州でも記録的な暑さになり、8月5日には群馬県伊勢崎で41.8度を観測。
国内の観測史上最高気温を更新し、気象庁では最高気温が35度以上の「猛暑日」に続いて、40度以上になった日の新名称を検討するなど、日本全体でも記録に残る夏になりました。

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2025年7月24日 帯広駅前の温度計(筆者撮影)

本来はデジタル表示される赤い目盛の高さで現在の気温がわかるのですが、このときはメーターを振り切ったためか、表示が消えていました。

今後、暑さの記録が塗り替えられることがないよう願うばかりです…。

「二季」を象徴する短い秋(9~11月)

9月に入ると暑さのピークは過ぎましたが、それでも気温は平年より高く、札幌では夏日(最高気温が25度以上)が15日もありました。

10月に入っても残暑が続き、札幌では3日に28.2度まで上がりました。
ただ、中旬以降は一転して寒気が流れ込み、気温は平年並みか低い日が多くなりました。
さらに、28日には強い冬型の気圧配置になり、上川町では10月としては37年ぶりとなる、21センチの雪が降りました。

わずか一か月の間で、北海道では残暑から冬景色と、まさに「二季」を象徴するような変化になりました。

また、雨の降り方もこれまでの北海道とは違う姿を見せました。
9月21日には2021年の発生情報の運用以来、十勝・釧路地方に北海道初の「線状降水帯」が発生。
さらに、胆振中部の白老町森野では度重なる豪雨により、9月と10月のわずか2か月で1184.5㎜の雨を観測。
これは、札幌の平年の年間降水量を上回る量で、太平洋側の地域で異例の雨の秋になりました。

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線状降水帯発生時の雨雲レーダー(気象庁より)。この活発な雨雲により、釧路市二俣では1時間で75.5㎜の非常に激しい雨を観測しました。

ドカ雪注意?来年1月からの見通しは?

12月に入ってからは低気圧による雪が多くなりました。
14日から15日にかけては発達した低気圧の影響で、2日間の総降雪量が遠軽町白滝の72センチを筆頭に、道東方面を中心に50センチを超えるドカ雪になりました。
記録的な大雪によって停電の復旧作業が遅れるなど、生活への影響も大きくなりました。

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2026年1~3月の3か月予報(2025年12月23日の天気予報より)

気象庁が23日に発表した3か月予報(1月~3月)によると、来年も冬型の気圧配置が長続きせず、低気圧の影響を受けやすい時季もあるようです。

今後も湿ったドカ雪や猛吹雪に注意が必要となりそうです。
気温は、1月から2月は平年並みで、例年通り寒さは厳しくなりますが、3月は平年より高く、春の訪れは早まる見通しです。

来年もHBCウェザーセンターの天気予報をチェックして、日々の生活にお役立てください。来年もよろしくお願いします。

連載「気象予報士コラム・お天気を味方に」

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文: HBCウェザーセンター 気象予報士 篠田勇弥
札幌生まれ札幌育ちの気象予報士、防災士、熱中症予防指導員。 気温など気象に関する記録を調べるのが得意。 趣味はドライブ。一日で数百キロ運転することもしばしば。
HBCウェザーセンターのインスタグラムでも、予報士のゆる~い日常も見られますよ。

※掲載の情報は記事執筆時(2025年12月25日)の情報に基づきます。

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