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30歳を迎えたティモシー・シャラメのこれまで。新たな代表作『マーティ・シュプリーム』で”サーティ”イヤーも加速必至!

  • 2025.12.27

ハリウッドのプリンスこと、ティモシー・シャラメが本日12月27日に誕生日を迎えたが、30歳になると聞いて“えっ!?”と思う方も少なくないのでは?かくいう筆者も、そう思ってしまった一人で、失礼ながら20代半ばくらいと思っていた。実年齢よりも若いキャラクターに扮することが多いのがその理由だが、裏を返せば実年齢と関係なく役になりきれるほど、役者として優れた資質を持っているということ。“サーティ”イヤーとなる2026年には主演作『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』(3月13日公開)がスタンバイしているティム(ティモシー)のキャリアを、改めてここで振り返ってみたい。

【写真を見る】いまとそこまで変わっていない?『インターステラー』に出演した頃のティモシー・シャラメ

気づけば30歳になっていたティモシー・シャラメ [c]Everett Collection/AFLO
気づけば30歳になっていたティモシー・シャラメ [c]Everett Collection/AFLO

『インターステラー』にも息子役で出演していたキャリア初期

1995年にニューヨークで生まれたシャラメの芸歴は古く、子どもの頃からCMに出演。ティーンになるとテレビドラマや舞台で役者業に本格的に挑んでいく。映画デビューは18歳時の、ジェイソン・ライトマン監督の『ステイ・コネクテッド~つながりたい僕らの世界』(14)。キャリア初期の作品で最も有名なのは、クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』(14)だろう。本作でシャラメは、マシュー・マコノヒー扮する主人公の息子を演じたが、ナイーブな思春期の体現はまったく無名だったこの頃から光っていた。

【写真を見る】いまとそこまで変わっていない?『インターステラー』に出演した頃のティモシー・シャラメ [c]Everett Collection/AFLO
【写真を見る】いまとそこまで変わっていない?『インターステラー』に出演した頃のティモシー・シャラメ [c]Everett Collection/AFLO

『君の名前で僕を呼んで』でアカデミー賞主演男優賞の候補に

シャラメの繊細な演技力が大々的に注目されるようになったのは20代になってから。イタリアの名匠ルカ・グァダニーノ監督に認められた『君の名前で僕を呼んで』(17)に主演した彼は17歳の同性愛者役に挑み、せつない恋のドラマを築き上げた。本作がアカデミー賞で作品賞など4部門にノミネートされたのはご存知の通り。シャラメも同主演男優賞にノミネートされ、一躍世界の注目を集めることに。ちなみに、この年のアカデミー賞ではグレタ・ガーウィグ監督の『レディ・バード』(17)もノミネートされているが、こちらにも高校生役で出演していたことが追い風となった。

主演作『君の名前で僕を呼んで』での繊細な演技で大ブレイクしたティモシー・シャラメ [c]Everett Collection/AFLO
主演作『君の名前で僕を呼んで』での繊細な演技で大ブレイクしたティモシー・シャラメ [c]Everett Collection/AFLO

「デューン 砂の惑星」シリーズでハリウッド大作でも存在感を示す

20代で演技派として認められたシャラメは、名だたる鬼才たちの作品に次々と出演。ウディ・アレンの『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』(19)では主演を務め、ウェス・アンダーソンの『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(21)ではアンサンブルキャストの一員として個性を発揮。

主演を務めたウディ・アレン監督作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』 [c]Everett Collection/AFLO
主演を務めたウディ・アレン監督作『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』 [c]Everett Collection/AFLO

とりわけ評価と興行の両面で大きな成功を収めたのは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が名作SF小説の映画化に挑んだ『DUNE/デューン 砂の惑星』(21)だろう。シャラメは砂の惑星で過酷な運命をたどる主人公の若者を演じ、大作の主演を堂々と務め上げた。本作はパンデミック下で公開されたにもかかわらず、4億ドル超えの世界興収を計上し、アカデミー賞では作品賞など10部門にノミネートされる快挙を成し遂げた。この成功を受けて製作された続編『デューン 砂の惑星PART2』(24)では前作超えの7億ドルの世界興収を上げている。シリーズ第3作は2026年に全米公開予定で、もちろんシャラメは前2作に続いて主演を務める。

砂の惑星で過酷な運命をたどる主人公の若者を演じた『DUNE/デューン 砂の惑星』 [c]Everett Collection/AFLO
砂の惑星で過酷な運命をたどる主人公の若者を演じた『DUNE/デューン 砂の惑星』 [c]Everett Collection/AFLO

ボブ・ディランの若き日に完全になりきった『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』

ハリウッド大作でも主演を務められることを証明したシャラメは、『チャーリーとチョコレート工場』(05)の前日譚『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(23)にも主演し、さらなる大きなチャレンジに取り組む。

ウィリー・ウォンカの若かりし日を好演した『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』 [c]Everett Collection/AFLO
ウィリー・ウォンカの若かりし日を好演した『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』 [c]Everett Collection/AFLO

それはロック界最大のカリスマ、ボブ・ディランの若き日を演じること。ジェームズ・マンゴールド監督の『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(24)は、1960年代のディランの成功と、それに対する戸惑いや反骨をドラマチックに描いている。シャラメはギターやハーモニカを習得し、独特の歌唱をも自分のものにして驚くほどディランになりきった。この演技は高く評価され、20代のうちに2度目のアカデミー賞主演男優賞にノミネートされるという、ジェームズ・ディーン以来の快挙を果たす。

ボブ・ディランの若き日になりきった『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』 [c]Everett Collection/AFLO
ボブ・ディランの若き日になりきった『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』 [c]Everett Collection/AFLO

最新主演作『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』では人生のどん底で足掻きまくる男に!

そんなシャラメの最新主演作が『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』だ。卓球がマイナーなスポーツだった1950年代のアメリカで、世界チャンピオンを目指そうとした若者の奔走を実話に基づいて描いているが、彼の役どころは多くの観客を驚かせるに違いない。

世界チャンピオンを目指す卓球選手マーティを演じた『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』 [c] 2025 ITTF Rights LLC. All Rights Reserved.
世界チャンピオンを目指す卓球選手マーティを演じた『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』 [c] 2025 ITTF Rights LLC. All Rights Reserved.

卓球の卓越した腕を持ちながらも、口八丁手八丁の詐欺師のような男で、万年金欠状態、女性関係にもだらしがない、いわゆるクズである。しかし、クズにはクズの意地があり、そこから抜けだそうともがく。そんなキャラクターをシャラメはユーモアと人間味をにじませて演じ、なおかつどこか憎めない魅力を与えた。

クズにはクズの意地がある!(『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』) [c] 2025 ITTF Rights LLC. All Rights Reserved.
クズにはクズの意地がある!(『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』) [c] 2025 ITTF Rights LLC. All Rights Reserved.

そう、これはまさに彼の新境地。すでに第83回ゴールデン・グローブ賞にノミネートされているが、今後の全米賞レースを賑わせることは間違いない。30歳となり、役の幅を広げていくティモシー・シャラメから、ますます目が離せない!

文/相馬学

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