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【町田啓太】「思うようにいくことも楽しいし、いかないことも楽しい」俳優として大切にしていることは?働くってどういうこと?インタビュー後編

  • 2025.12.27

12月27、28日放送・配信、WOWOWの連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」で池井戸潤作品に初挑戦する町田啓太さん。働くことについての考え、役に向き合う姿勢、10年前との変化など、作品を通して語られた思いに迫ります。

Q 働くことについて、この役を通して考えたことはありましたか?

「働くって、今はいろんな価値観がありますよね。休みを満喫するために稼ぐのもいいし、好きだから信念を持ってやるのはもっと素晴らしいとか、いろんな考えがあっていいと思います。でも組織や社会では、どれだけやってもどうにもならないことがある。その時は叶わなくても、あとになって財産になることもあります。誰かしら見てくれていると思うので、自分を豊かにするものの一つとして仕事を使えばいいんじゃないかなと思います」

Q 今回の役を含めて、俳優として、役に向き合ううえで大切にしていることは?

「作品も役も、一緒にやる人も全部違うので、その都度準備をちゃんとして、撮影が終わるまで思考を止めないようにしています。気づきが多いほうがいいと思うんです。準備してロジカルに積んだからこそ、手放して自由になった時に起こる偶然があって。思うようにいくことも楽しいし、いかないことも楽しい。そこに行き着くまでは大変だけど、楽しみのほうが大きいですね

Q 作品の中で10年の時間が流れますが、町田さんは10年前と比べて変化はありますか?

「10年前というと、25歳くらいの頃ですね。その頃と比べると、フィジカルは確実に変わりました。疲れやすくなったし、眠くもなるし。“あと10年後、どうなっちゃうんだろう”って本気で思います(笑)。精神面では、考えるスペースがちょっと広がりました。話を聞いて整理して、言語化して伝えられるものが増えた気がします。根本はそんなに変わってないと思うんですが。あとは、環境も大きく変わりましたね。若手と言われて周りが助けてくれていた時期から、今は任されることも責任も増えて、ちゃんとやらなきゃいけないなと思うことが多くなりました

Q 今回、永島の10年前と現在を演じるうえで、ご自身の経験が生きた部分は?

「永島が抱えている、どうにもならなかった過去って、僕もすごくわかるんです。自分ではどうにもならないことってありますよね。それが何年も心に残る感覚。でも、10年以上経つと“このままでいいんだ”と思える瞬間が来たりもする。今回は、自分のその感覚を役にそのまま使えた部分があったと思います」

Q 視聴者にどんなふうに受け取ってほしいですか?

「“こう感じてほしい”というのはなくて、観てくれた方が自分の生活や価値観に照らし合わせて、何かしら還元してもらえたら、それだけでいいです。池井戸さんの作品って、エネルギーをもらえたり、人としての考えを自分と照らし合わせて考えるきっかけにもなったりするんですよね。今回もそうなると思います」

Q 最後に、この記事を読んでくださっている皆さんへメッセージをお願いします。

「今回の物語は、働く人の痛みや優しさを丁寧に描いていて、池井戸作品の魅力がしっかり詰まっています。永島慎司として生きた時間はすごく濃かったですし、現場でもたくさん助けてもらい、学びました。永島の10年を、視聴者のみなさんにも一緒に生きてもらえる作品になっていると思います。ぜひ楽しみにしていてください」


Information

連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」

池井戸潤の短編集『かばん屋の相続』から4篇を映像化した連続ドラマW。銀行員たちが直面する倒産、借金、不正、相続など、働く人々の苦悩と葛藤を描く人間ドラマ。第1話「十年目のクリスマス」では、町田さん演じる行員、永島慎司が、かつて関わった企業の“真相”を追う物語が展開する。 WOWOWにて12/27(土)、28(日)放送・配信
2夜連続 午後10:00
※第1話無料放送(全4話)

Profile

町田啓太
まちだ・けいた 1990年7月4日生まれ、群馬県出身。数多くのドラマや映画で活躍中。主な出演作はドラマ『失踪人捜索班 消えた真実』、映画『チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』、NHK『光る君へ』、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』『グラスハート』など。最新作は竹内涼真とW主演を飾るNetflix映画『10DANCE』で、2025年12月18日より世界独占配信予定。

Photograph=Shotaro Yamagoe
Styling=Eiji Ishikawa
Hair&Make-up=Kyohey〈HAKU〉
Text=Miku Sugishima

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