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【2025年度版】ホテルは「個性」で選ぶ時代へ。注目の新規開業ホテル総まとめ

  • 2025.12.27

毎年人気のため恒例化した、年に1度の「ホテル総括座談会」。自由なスタイルのホテルが続々と誕生している潮流に注目を。

今年を振り返ったのは……


東カレ編集部・里見佳那子

ホテル担当の命を受けて1年弱。年末年始はずっと気になっている「ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts」への宿泊を計画中。真冬の京都で入る天然温泉のサーマルプール、確実に最高すぎではないですか?

ライター・大石智子

雑誌編集者を経てライターへ。ホテル、食、インタビュー記事を執筆する。温泉街から南米最南端まで、これまで泊まったホテルは950軒以上。直近のお気に入りはスリランカの「セイロン ティー トレイルズ」。

【Trend 1】東京初進出ブランドが続々開業。東京ホテルシーンがより色鮮やかに


大石:いや〜、今年も続々とワンダフルな新規ホテルが東京に誕生しましたね。特に芝浦エリアの初上陸ホテルがワンダフルです!

里見:ロビーに看板犬がいる「フェアモント東京」ですね(笑) 。

大石:役職もあって、“最高ハピネス責任者”ですよ。愛犬との宿泊プランの売り上げの10%は動物愛護団体に寄付されるらしく、かわいいだけの話じゃない。

里見:10%は大きいですね。

大石:ちなみにポルトガルの「シックスセンシズ ドウロ バレー」には保護犬が2匹住んでいて、将来日本でもそういうホテルが誕生するかも。小さい宿だと既にありますが。

10月に開業した「JWマリオット・ホテル東京」の「コーナージュニアスイート」(60㎡)


里見:「シックスセンシズ」といえば、新潟の妙高高原に2028年に開業しますね。外資の東京進出は、「JWマリオット・ホテル東京」や米国発の初上陸ブランド「1 Hotel Tokyo」が話題です。

「1 Hotel Tokyo」の「パノラミック ガーデン ジュニア スイート」(58㎡)


大石:JWは東京タワーも見える全長25mの屋内プールがインパクト抜群。

「1 Hotel」は“サステナブル・ラグジュアリーホテル”を掲げていて、サステナブルはもうカテゴリーの枕ことばになった感があります。

11月に開業した「ふふ 東京 銀座」のルーフトップラウンジ「ゆそら」


里見:パブリックスペースの植栽がかなり茂っていて、開業後にはお洒落女子によるSNS投稿が相次ぎそうです。

「ふふ 東京 銀座」のルーフトップラウンジも緑が豊富で、銀座とは思えないリゾート感が漂っていました。

【Trend 2】老舗ホテルがリニューアル。パワーアップして新しい遊び場へと進化!


大石:以前は敷地内に広い庭があるホテルが都会のオアシスという印象でしたが、いまは都市開発プロジェクトで生まれた新規ビルが緑化していますね。

新しいビルとは対極的に、1994年開業の「パーク ハイアット 東京」が12月にリニューアルオープン。パリ拠点のデザイン事務所が改修を担当していて、そのチームはモロッコ・マラケシュで1世紀以上続く超名門ホテル「ラ・マムーニア」も見事に蘇らせたから期待大です。

12月9日リニューアルオープンの「パーク ハイアット 東京」の客室「パーク スイート」の一例


里見:結構変わりますかね?

大石:大枠は変わらないですし、『ジランドール by アラン デュカス』になったあともモノクロ写真のコラージュは残ったままとか。

里見:それは嬉しい。さらに前の1980年開業の「ハイアット リージェンシー 東京」も巨大シャンデリア3台の下がラウンジ&バーになり、打ち合わせにも優雅。

「ハイアット リージェンシー 東京」は4月にロビーラウンジ『Nineteen Eighty Lounge & Bar』をニューオープン


大石:いまの時代珍しいくらいの圧巻の吹き抜けですからね。既存ホテルでいえば、「星のや東京」の『鮨 大手門』に先月行ってきました。開業から9年、初めてビジターも食事できる店の登場です。

里見:玄関から一気に非日常に入り込めるから、初見は絶対楽しい。

大石:ペアリングに力を入れていて、例えば京都の日本酒「伊根満開」と甘鯛の前菜の相性が最高でした。

【Trend 3】豪華客船でクルーズ旅行という選択肢が身近になってきた


大石:ところで編集部の推しとしては、豪華客船がありますね。

「飛鳥Ⅲ」のデッキにあるプールは2台のジェットバス付き


里見:7月に34年ぶりの新造客船となった「飛鳥Ⅲ」が就航し、来年3月からは「ザ・リッツ・カールトン ヨットコレクション」のルミナーラの東京発着便が登場。

海の上で感じるラグジュアリーな世界に惹かれますし、ホテルに泊まる以外の選択肢が増えました。

【Trend 4】ライフスタイルホテルの多極化。キーワードは「繋がりとカルチャー」


大石:手頃な話題では、“ブティックホテル”や“ライフスタイルホテル”が続々と誕生。

里見:その違いって何でしょう?

9月に開業した「SOIL Nihonbashi Hotel」は計14室。全客室のバルコニーに植物が立ち並ぶ


大石:ブティックホテルは元々1980年代のNYで生まれた言葉で、端的にいうと個性派小規模ホテル。

最近の開業だと路地裏園芸がテーマの「SOIL Nihonbashi Hotel」が当てはまると思います。ライフスタイルホテルはカルチャーを発信してゲストの日常に影響を与える姿勢を表しています。

大きな施設にも言えて、例えば「W HOTELS」は2005年頃からライフスタイルホテルをうたっています。派生で「lyf渋谷東京」は“ソーシャル&ライフスタイルホテル”と表していますね。

2024年12月開業の「lyf渋谷東京」はシンガポール拠点のアスコットの次世代ブランド


里見:世界中どこの「lyf」に行ってもコミュニティと繋がれる“居場所”を目指しているとか。

【Trend 5】大阪・京都が開業ラッシュ。世界のブランドが2都市を席巻!
5月に開業した「パティーナ大阪」は、大阪城を一望できる


里見:ライフスタイルホテルの進化版として、「パティーナ大阪」は“トランスフォーマティブ・ラグジュアリー”を打ち出していて、これは日本で初めて聞く概念。「大きな変化をもたらす」「変革する力」という意味らしいです。

大石:大阪城の目の前という立地も、気分的に変革感が増す(笑)。2025年は打ち出すテーマがさらに多様になってきています。

4月に開業した「ウォルドーフ・アストリア大阪」のラウンジ『ピーコック・アレー』


里見:さらに、「ウォルドーフ・アストリア大阪」、間もなく「カペラ京都」が開業。関西の日本初上陸ブランドが豪華!

【Trend 6】小規模ブランドが全国に拡大。ラグジュアリーの価値が千差万別に
3月に開業した「ローズウッド宮古島」は、白砂のビーチの前にプールが


大石:地方でも富裕層ターゲットのホテルが増えていますね。

「ローズウッド宮古島」の開業は、リゾートからクルマで30分の下地島空港に去年プライベートジェット専用ターミナルが設けられたこととも関係が。

香港や上海から2時間ほどであんな綺麗な海に辿り着けるのなら、ニーズは高い。

5月開業の「富士青藍」は、1泊1室36万円~で、全5室が富士山を望むスイートルーム。全室に露天風呂とサウナ付き


里見:静岡の「富士青藍」など、東京近郊の新たな温泉宿も大胆な値付けが増えています。

大石:「強羅花壇 富士」はまだ見てないですが、写真で見る限りさすがに綺麗。

秋に温浴スペースを一新した「おちあいろう」は、1年前に完成した別邸「石楠花」が圧巻で、今年見た中で一番好きかも。2026年は「HOTEL THE MITSUI HAKONE」にも期待。

里見:温泉も目まぐるしい!

大石:最後にひとつ、やっぱり手頃な話を。「オークラ東京」が「オトナのポケット缶」シリーズという手のひらサイズのミニクッキー缶を出し始めていて、これが秀逸!既存ホテルの新発明も見逃せません!

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