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【最終回ネタバレあり】『ラヴ上等』は“令和版あいのり”? 視聴者の欲しかった「恋リア」を全部詰め込んだ最終回。8~10話レビュー

  • 2025.12.26

Netflixで配信中の『ラヴ上等』は、元暴走族総長、元ヤクザ、少年院出身など、社会の“はみ出しもの”として生きてきたヤンキー男女11人による恋愛リアリティシリーズだ。集められた参加者11人は山奥にある学校「羅武上等学園」に集められ、14日間の共同生活を送り、最終日に好きな相手に告白をする。

大盛り上がりの番組は、23日にとうとうクライマックスを迎えた。今回は成就したカップルを中心に8〜10話を振り返る。

※以下はがっつりネタバレなので、未視聴の方は要注意です!

恋は予想外の展開へ! Babyが選んだのは、ミルクではなく、つーちゃん!

まず、最初に告白が成就したのはつーちゃんだ。つーちゃんがBabyを選び告白。そこで「ちょっと待った」とミルクも手を挙げ、Babyに告白。Babyは最終的にミルクをフッて、つーちゃんを選んだ。

最初からBaby一択でアタックし続けていたミルク。だが、二世やつーちゃんの台頭、Babyの迷っているという発言のあたりから、次第に心が揺れ動く様子を見せていた。口では、Babyに冷めたような発言を繰り返していたが、実際にはツーショットデートでBabyを呼び出すし、Babyが自分を選んでくれた瞬間はすごく嬉しそうに「好きぃ」と顔をほころばせる。彼の「自分だって甘えたい」というのは、そういうところに出ていたのだろう。「おとさんも気になってる」という発言が、どこまで本意だったのかもわからない。

しかし、Babyも甘えたいタイプ。自分のことを好きと言いながら、気持ちがブレブレのように見えるミルクに少しずつ不信感のようなものを見せ始める。Babyとミルクは、最後まで「自分のことを好きだったらそうはならないんじゃない?」という気持ちを一方通行にぶつけあっているように見えた。

最終的に二人はすれ違い、全くブレずに気持ちを表現し続けたつーちゃんがBabyと結ばれるという結果に。第一話を見ていたときは誰も想像ができなかった(だって、つーちゃんは全女性陣から「無し」扱いをされていたのだ)、あまりに予想外の展開。しかし、つーちゃんのブレなさや包容力は、Babyがまさに求めていたものだったのかもしれない。Babyを受け入れる器の大きさをつーちゃんが見せつけたような結果となった。

でも、それはそれとしてミルクの毎秒変わっていく恋心と、てんてんにスキンケアされる姿、塚原とのマブっぷり、すべてが最高で、彼には絶対に幸せになってほしいと思った視聴者は大勢いるはずだ。

最後まで迷い続けた二世が最後に選んだのは……

おとさんの熱烈なアピールを受けながらも、Babyとあもに関心を見せて、最後まで3人の女性の間で迷い続けた二世。今回一番のモテ男となった。そんな彼が最後に選んだのは、あもだった。最初の出会いから彼女のことを可愛いと興味を持っていた二世。単純に顔が好みだったというのもあるだろう。

そのうえで、これは一視聴者の邪推でしかないが、中盤に今まで迷惑をかけた母親へ電話をして謝罪をするシーンがある。その中で、彼は母親のことを世間知らずの箱入り娘のような人で……と説明する。彼自身はヤンキーで壮絶な過去をもつが、生まれ育った実家自体は、ヤンキー家系ではないようだ。実際におとさんが「自分みたいなの(刺青だらけの女性)が来たら家族は驚くでしょ」という発言に、驚くだろうなあ、と返している。

なんとなく、彼が理想とする女性はタトゥーだらけの元ヤンではなく、家に来ても驚かれないような一般的な女性だったのかな、とそこで感じた。実際、あもは今回の参加者の中ではヤンキーが好きなだけでヤンキーの経験はなく、ぱっと見は清楚な女の子でしかない。最後に、二人が二世の地元でデートをしながら、彼にとって大切な存在である母親にそのまま会わせようとしている場面は、そんな推測を裏付けるようなシーンでもあった。

パンチラインだらけの恋リア。転入生制度だけは無くてもよかった?

ここまでキャラクターが濃くて、パンチラインだらけの恋愛リアリティは久しぶりで、たった二週間の共同生活でここまで色んなことが起こるかという充実度だった。

おそらく、今回のようなコンセプト(元ヤン縛りの恋愛リアリティ)じゃなければ、大炎上していたようなシーンもたくさんあったのではないか。Babyの水ぶっかけ事件が「水はやべえだろ」を生み出した名場面として扱われているのも、おとさんが感情を爆発させて所かまわず泣きまくるのも、てかりんが不機嫌をまき散らすのも、過去の別の恋愛リアリティだったら今頃視聴者が怒り狂ってSNSに誹謗中傷コメントを書きまくってたんじゃないか(もちろん、これはコンセプトがなんであっても許されない行為であることは大前提だ)と思う。

もちろん彼らの言動に賛否両論はあったが、彼らが自分の好感度よりも自分のそのときの感情を最優先に生きている姿に、どんな言動であっても清々しさを感じたのは事実だ。そして、同類同士だからこそ分かり合うのも早く、解決も早く、湿っぽさもない。最後の夜、恋のライバルでもあるはずの男同士で、お揃いのつーちゃんTシャツを着て高め合う姿には、もはや愛しさまで感じた。

ただ、共同生活の参加者が追加されていくことは恋愛リアリティにおいては珍しい話ではないが(番組側としては、そこで彼らの「真の愛」に揺さぶりをかけたいのだろう)、そんなことをしなくても勝手に恋愛の矢印が毎秒入り乱れていくような面子だったので、もし次があるなら最初から全員そろった上での真っ向勝負が見たいなと感じた。

『ラブ上等』は、新しいようでいて、なんだかなつかしさもある恋愛リアリティ番組といった感じで(私は昔の『あいのり』とかに近いものを感じた)、「そうそう、こういうのが観たかったんだ!」という満足度の高い番組であったことは事実だ。異例のスピードでシーズン2の制作が決定した本作。次回も熱い展開を期待したい。

文=園田もなか

Netflixリアリティシリーズ「ラヴ上等」独占配信中

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