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【今行くならここ! 台湾の話題スポット】2025年オープン「台湾最大級スタバ」、グッズも話題「鐡道博物館」、大人気ウエア「ヂェン先生」工房

  • 2025.12.26

冬休みは台湾へという人も多いはず。食も買い物も目移りするほど充実の台湾で、間違いないスポットは? 現地在住コーディネーターの人気連載から、スペシャル版でもお届けします!(※価格等の情報は初出時のものになります。)


台湾最大級! 台北に誕生した新名所「スターバックス DREAM PLAZA 台北」は限定グッズも見逃せない

店舗全体がアート空間に! 台湾最旬スターバックス

台北101をはじめ、高層ビルがそびえ立つ信義都心エリア。7月25日には新たに商業施設「DREAM PLAZA」がオープンし、話題を集めています。なかでも台湾最大級の面積を誇る「スターバックス・リザーブ™ DREAM PLAZA 台北」は注目の存在です。

開放感にあふれ、リラックスできる空間です。初出:2025年9月19日

店内はいくつかのにエリアに分かれており、特に目を引くのは中央に設けられた階段式座席「山形客席區」。ここはコーヒー農園をイメージしたデザインが自慢。随所に置かれたグリーンは阿里山で生育する品種と同じで、低海抜、中海抜、高海抜のそれぞれの植物が見られます。

後方スクリーンには、店内の売り上げランキング上位商品のイメージカラーが映し出されます。抹茶ドリンクであれば緑色、ミルクドリンクであれば白色など「ホットな商品が何か」を視覚でキャッチできます。屋外の天気にも対応し、雨の日には雨粒が映し出されるとか。このユニークな映像は、台湾人クリエイターによってAI技術を駆使して制作された作品です。

そのほか、スターバックスが独自開発した最新エスプレッソマシーン「Oviso™」を設置した「スターバックス・リザーブ™・バー」や、創作コーヒーカクテルを楽しめる「ミクソロジー・バー」、上質な茶葉を取り揃えた「ティバーナ™・バー」、さらにコーヒー教室もあります。「ミクソロジー・バー」は24時間営業なので、夜遊びスポットにもおすすめです。

「スターバックス・リザーブ™・バー」や「ミクソロジー・バー」があるカウンター。天井が特徴的なデザイン。初出:2025年9月19日

ベーカリーや「ティバーナ™・バー」では、台湾を代表するベーカリー「呉寶春」のパンやカリスマシェフであるアンドレ・チャン氏が監修した軽食、人気ブランド「法朋」の洋菓子などを選べます。台湾が誇る職人たちの味を楽しめるのも、ここの魅力です。

通常のスターバックスの人気商品もアンドレ・チャン氏によりグレードアップされています。初出:2025年9月19日

店内には国内外のアーティストによる作品が10あり、アートにどっぷりと浸れるのも特色。

入り口にあるのは、スターバックスのシンボルマークであるマーメイドのオブジェ「閃耀女神」。これはアメリカ人デザイナーがラフを描き、台湾人の彫金作家が制作したもの。手には梅の花を持ち、腰には柿があしらわれ、尾っぽは台湾固有種のヤマムスメをモチーフにしています。さりげなく郷土の要素が取り入れられているのが素敵ですね。

「サイレン」をかたどったオブジェ。撮影スポットとしても人気。初出:2025年9月19日

また、天井から吊るされたカラフルな網のようなオブジェ「四季舞動」は、環境にやさしい繊維で作られた作品。これは「コーヒーが高海抜で栽培されている」ことを表現しているとか。花蓮に暮らすアーティストの林介文さんが手がけた作品で、思わず見とれてしまう美しさです。

ひと際目を引く圧巻な作品。初出:2025年9月19日

お店では「持続可能な経営」を理念に掲げ、スターバックスの「グリーナーストア」の認証も得ています。ベーカリーなどにある緑色のカウンターは3Dプリンターで作られたもので、再利用できる素材が用いられています。

手前の緑のカウンターが3Dで制作されたもの。奥は大理石製。初出:2025年9月19日

圧巻なのは、奥の座席にある「TAIPEI」という文字を囲むように、世界各地から仕入れたコーヒー豆のカードが一面に貼られた壁。台北と世界のコーヒー文化がつながっていることを表しています。

無数のコーヒー豆のカードが並ぶ壁。初出:2025年9月19日

さらに完全予約制ラウンジ「サイレンズ・ラウンジ」もあり、ランチやアフタヌーンティー、ディナーをコース形式で提供。ここの料理や洋菓子などもアンドレ・チャン氏が監修。値段はやや高めですが、台北101を眺めながらゆったりとした時間を過ごせます。

台湾では初の予約制ラウンジ。オンラインで予約できます。初出:2025年9月19日

コーヒーをさまざまな手法で楽しめるDREAM PLAZA 台北店。ドリンク類やグッズ類は100種類以上あり、グッズコーナーにはマグカップからエコバッグ、Tシャツ、お菓子までバラエティに富んだ商品が揃っています。台北を訪れた際には、お見逃しなく。

商品の数が多いので、じっくり選びたいところです。初出:2025年9月19日

【台湾最新スポット】台北で注目度No.1!「國家鐵道博物館」の見どころ&お土産をご紹介

鉄道工場の跡地を利用した台湾最大の鉄道博物館

台北で大人にも子どもにも人気のスポットといえば、7月31日に開館した「國家鐵道博物館」が挙げられます。

ここは、日本統治時代の1935(昭和10)年に建てられた「台北鐵道工場」の跡地を活用した施設で、豊富な鉄道資料のほか、多数の機関車や客車が展示されています。週末には動態保存された昔懐かしいディーゼルカーの乗車体験も楽しめる、誰もがワクワクする魅惑のスポットとなっています。

以前は「臺北機廠」という名で操業を継続していました。後方には台北101がそびえ立っています。初出:2025年10月27日

場所は、台北101がある信義新都心に近い一等地。商業価値の高い土地でありながら、文化的資産、産業遺産の観点から、保存と整備が進められてきました。

工場機能は2013年に郊外に移転しましたが、2015年に敷地のすべてを国家が管理する史跡となりました。そして、2016年には博物館として再利用することが決定しました。

こうした一連の動きには鉄道や郷土文化を愛する人々の熱意や後押しがあったのはもちろんですが、政府や行政担当者の英断によるところが大きいと言われ、評価されています。

子どもの頃から鉄道を愛し、現在は主任(博物館運営の最高責任者)を務める鄭銘彰さん。初出:2025年10月27日

17ヘクタールという広大な敷地には、工場の建物がほぼそのままの形で残されています。現在は第1期エリアとしてディーゼル機関車工場、工場事務所、従業員用大浴場など6つの建物が公開中。今後は第2期、第3期と整備されていく予定です。

中央は、長い歳月が刻まれた流し台。床部分は、日本統治時代の姿にあえて戻したそうです。初出:2025年10月27日

見どころの一つは、正面入り口の左手に位置する職員用の大浴場。中央にドーム形の高い天井をもつアール・デコの建築で、浴室両側には大きな半円形の美しい窓が見られます。丸い形の湯船は2つあり、北側の湯船からは湯気が出てくるという細かな演出もあって、見る者を飽きさせません。また、棚にはかつての職員の持ち物などが置かれ、往時の様子がリアルに再現されています。

職員用の大浴場。美しいアーチを描いた天井。初出:2025年10月27日
職員たちが実際に使っていたものがそのまま置かれています。初出:2025年10月27日

圧巻なのは、入り口の右手にある6600平方メートルを誇るディーゼル機関車工場エリア。ここは1962年に操業を開始した工場で、各種車両のメンテナンスが行われていました。

機関車の部品が展示されているほか、ディーゼル機関車のエンジンカバーをつり上げ、スライド式大型モニターを組み合わせて内部構造を紹介するというユニークな展示もあります。機械やモーターの動作音をアレンジした楽曲とともに、移動モニターが内部の様子や動力の仕組みを映し出します。鉄道に詳しくない人でも、直感的にイメージできる仕掛けが好評です。

細部まで精密に描かれた映像は見もの。鉄道ファンでなくても楽しめます。初出:2025年10月27日

ここには、製糖工場で使われていた軌間762ミリの小さな蒸気機関車や、「藍皮車」という愛称で親しまれた空調なしの旧型客車など、全24両が静態保存されています。

一部の車両は内部の見学も可能。そして、鉄道ファンにとって見逃せない存在なのが、JR東日本から譲渡された583系電車の中間車2両。世界でも類を見ない「昼夜兼用車両」です。

なお、博物館の大部分は無料ですが、このディーゼル機関車工場のエリアのみ有料(100元)です。

懐かしさと親しみを感じさせる車両の前で記念撮影をする人々が絶えません。初出:2025年10月27日
こちらは583系電車の中間車。鉄道ファンが歓喜する存在です。初出:2025年10月27日

また、週末には旧式のディーゼルカーの乗車体験というアトラクションもあります。年季の入った緑色のシートや扇風機、手動で開閉する窓など、旅情あふれる風情を味わえます。

走行距離は片道約400メートルですが、まるで遠くへ旅をしているかのような気分になります。年齢や性別を問わず人気があるので、事前にオンライン予約することをおすすめします。午後のほうが空いているそうなので、予約していない場合は午後の時間を狙ってみてください。

緑の中をディーゼルカーが走り抜ける姿には、誰もがときめきを感じるはず。初出:2025年10月27日

そのほか、事務所だった建物は資料展示スペースになっています。日本統治時代から戦後に至るまで、映画や文学、小説、歌謡、絵画などにおいて、鉄道がどのように表現されてきたかが紹介されています。

鉄道が単なる移動手段ではなく、文化的側面をもつことがよくわかる展示内容で、鉄道に関する人々の記憶が集められています。

侯孝賢監督による不朽の名作「戀戀風塵」の印象的なシーンなどが展示されています。初出:2025年10月27日

かつての集会場と職員食堂があった「大禮堂」には、鉄道グッズと軽食を販売するコーナーがあります。鉄道に関する書籍や絵本、記念カード、キーホルダー、メモ帳、クリアファイル、しおり、マグカップなど、バラエティに富んだグッズが揃っていますので、観覧の際にはぜひチェックを。

豊富な種類のグッズ。鉄道のほか、古地図などをモチーフにしたものも。選ぶのに迷ってしまいそう。初出:2025年10月27日

ちなみに食堂には、マンガによるパネル説明とともに調理場の様子が再現されています。こちらもリアルな作りで、一見の価値ありです。

大きな中華鍋が置かれた調理場。調理時の音も再現されています。初出:2025年10月27日

なお、2025年10月31日までの期間限定で、組み立て工場も公開されています。間に合う方はぜひ急いで出かけてみてください。

規模の大きさに圧倒される組み立て工場。車両が数両並べられています。初出:2025年10月27日

鉄道博物館の南側には、タバコ工場跡地を再利用したクリエイティブパーク「松山文創園區」もありますので、ぜひあわせて訪れてみましょう。台湾の人々がいかに歴史や文化を大切にしているかがわかり、いつもとはちょっぴり異なる視点から台北という都市を眺めることができます。館内はとにかく広いので、時間に余裕をもって訪れましょう。

ディーゼル機関車工場はライティングも工夫されており、雨の日も晴れの日も雰囲気があります。初出:2025年10月27日

【台湾で買いたい自分土産】日本でも大人気! 「ヂェン先生の日常着」工房で見つける、天然素材のおしゃれウェア<先生本人も登場>

台湾文化を象徴する存在! 鄭惠中先生の日常着

台湾だけでなく、海外の文化人や芸術家たちにも愛されている「鄭惠中布衣工作室」のリラックスウェア。日本でも雑誌や書籍で取り上げられ、「ヂェン先生の日常着」という愛称で親しまれています。

今回は台北市の隣、新北市中和にある工房を訪問。40年にわたり天然素材のウェアを作り続けている鄭惠中先生に、その思いと現在の夢について語ってもらいました。

来年70歳になる鄭惠中先生。現在は息子さんたちも事業のお手伝いをしています。初出:2025年12月13日

工房は昔ながらの集合住宅が並ぶ路地に位置し、風格のある門構えが目印です。門をくぐると庭に流れる水の音が聞こえ、まるでどこか遠い山里の修行場を訪れたかのような気分になります。

大きな甕が置かれた風情ある入り口。初出:2025年12月13日

鄭先生のキャリアは紡績メーカーからスタート。10年ほど働く中で、化学繊維の服が大量生産、大量消費されていく現実を目の当たりにし、天然素材の服作りに目覚めていきます。台湾原住民族の集落をよく訪れていたこともあり、彼らの伝統衣装からもインスピレーションを得たといいます。

こうして生まれた綿麻素材の日常着は、細かい皺ができにくく、風通しも良いので、台湾や日本など湿度の高い気候に合います。デザインは40年間変わらず、男女兼用で着られるものも多数あります。全体的にゆったりとしたデザインなので、着心地は抜群。どんな体格の人にもフィットします。

商品ごとに整理されている棚。じっくり見ながら試着すると半日はかかりそうです。初出:2025年12月13日

また、カラーバリエーションの豊富さも特色の一つ。たとえ同じ黄色でも、濃いものから淡いものまで微妙に異なる色合いとなっています。

草木染めは色落ちしやすく、コストが高いといった問題があるため、ここでは無毒の化学染料を使用。同じ染浴を何度も繰り返し使い、これ以上染められないという限界に達してから廃棄するため、環境にも影響を及ぼしません。

色見本。回を重ねるごとに淡い色になっていくのがわかります。初出:2025年12月13日

その生産過程はとてもユニークです。近所に暮らす女性たちが自宅で縫製し、できあがったら取りに行くという仕組み。結婚や出産、介護などでキャリアが中断してしまった人も働き続けられるようになっています。雇い主にも作り手にも理想的な関係であり、鄭先生のウェアにぬくもりが感じられる理由はここにもあるのかもしれません。

鄭先生によれば、40歳以降は単に服飾品を販売するだけでなく、教育機関や宗教団体、文化団体、台湾原住民族のパフォーマンス団体など、ジャンルを超えてさまざまな人たちと積極的にコラボレーションしてきたとのこと。

南投県鹿谷郷にある内湖小学校。最後列の真ん中が鄭先生。写真提供:鄭惠中布衣工作室 初出:2025年12月13日

1つ事例を挙げるならば、1999年の台湾中部大地震で大きな被害を受けた南投県の鹿谷という村にある内湖小学校との取り組み。ここは台湾を代表する凍頂烏龍茶の産地であり、茶農家の子弟が多く通います。学校では茶芸と台湾の伝統楽器・南管を学ぶ授業があり、鄭先生の服を着た生徒たちが茶会や演奏会を催しています。

今夏には静岡の茶農家とも文化交流をしたとのこと。こうした郷土文化の伝承、発展に深く関わることが鄭先生自身の夢の一つでもあるそうです。

なお、工房では内湖小学校の茶葉も販売しており、子どもたちの将来的な発展を支え続けています。

4種類のお茶が入った、内湖小学校とのコラボ商品。初出:2025年12月13日

このほか、新たに取り組んでいるのは「台湾産の天然素材」を用いること。台湾南部で農業廃棄物として捨てられたパイナップルやバナナの繊維を原料に活用できないか、試行錯誤を続けています。すでに少しずつ混ぜて使っていますが、今後はさらにその比率を増やしていきたいとのこと。

台湾には元々、花蓮県に暮らすクヴァラン族がバナナ繊維を用いていた歴史があり、こうした台湾古来の文化が失われないようにしていきたいという熱い思いがあるそうです。

コスト面では高くなりますが、地場産業を支えられるだけでなく、海外から原料を仕入れるよりも輸送に伴う二酸化炭素の排出量を減らせるので、温暖化対策にも貢献できるとのこと。期待は高まります。

パイナップルの葉や茎から取り出され、アップサイクルとして作られた繊維。SDGsの理念を体現する取り組みです。初出:2025年12月13日

数々のストーリーが詰まった日常着は、ぜひ自分や家族のお土産にしたいところ。工房では2、3階に商品棚があり、試着してから購入することができます。

楽しそうに試着する女性客。舞台衣装などにも用いられます。初出:2025年12月13日
刺繍が美しい「FUJIN TREE 355」とのコラボ商品。こちらは「FUJIN TREE 355」のみで販売。初出:2025年12月13日

文=片倉真理

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