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赤と黄色のパッケージでおなじみ「味の素KKコンソメ」を製造する現場で、大人の工場見学してきた!一般公開されていない訓子府工場へ潜入成功!

  • 2025.12.25

日本の家庭の味を支え続けてきたおなじみの存在、赤と黄色のパッケージが目印の「味の素KKコンソメ」は、1962年の発売から60年以上の長い歴史のなかで何度かその味をリニューアルしてきた。3年間、約400回の試作を重ねて、このたび2025年に17年ぶりとなる大幅な刷新を果たした「味の素KKコンソメ」の変化の秘密はどこにあるのか。普段は一般開放していない味の素のコンソメ工場に、今回特別に潜入、工場見学してきた!リニューアルの舞台裏と、生まれ変わったコンソメの魅力に迫る。

2025年に17年ぶりとなる大幅なリニューアルを行い生まれ変わった「味の素KKコンソメ」
2025年に17年ぶりとなる大幅なリニューアルを行い生まれ変わった「味の素KKコンソメ」

家庭ではおなじみの味「コンソメ」、でも手作りすると時間もお金もかかる

今回潜入したのは、黄色と赤のパッケージでおなじみ、日本の食卓に欠かせない洋風スープの素「味の素KKコンソメ」の製造現場だ。牛や鶏などの肉と、玉ねぎやにんじんなどの野菜をあわせて長時間煮込んだ、いわゆる出汁である「ブイヨン」に、塩や胡椒などで味付けしてスープにしたものが「コンソメ」。ポトフやロールキャベツなど、コンソメを使ったメニューは、日本でも家庭の味として親しまれている。ただ、このコンソメを手作りしようとすると、実は大変に手間暇がかかるのをご存知だろうか。

家庭ではおなじみの味だが、いざ手作りしようとすると時間もお金もかかるコンソメ
家庭ではおなじみの味だが、いざ手作りしようとすると時間もお金もかかるコンソメ

フレンチシェフがコンソメスープをイチから作ると、少なくとも2日以上の時間がかかるといわれている。長時間かけ、じっくり丁寧に煮込んだスープだからこそ、うま味やコクが生まれるのだ。家庭で手作りするのはハードルが高そうなコンソメも、「味の素KKコンソメ」なら手軽に本格的な味を楽しむことができる。そんな、ありがたい「味の素KKコンソメ」の知られざる製造工程とおいしさの秘密を解き明かすべく、北海道にある工場を訪ねた。

牛肉はニュージーランド産のファーストグレードを、鶏肉は500日以上ブロイラーで飼育した成鶏丸鶏を使用。ニンニク、ショウガ、玉ねぎに、さらに白菜を加えることで味の素のオリジナルコンソメが生まれる
牛肉はニュージーランド産のファーストグレードを、鶏肉は500日以上ブロイラーで飼育した成鶏丸鶏を使用。ニンニク、ショウガ、玉ねぎに、さらに白菜を加えることで味の素のオリジナルコンソメが生まれる

「味の素KKコンソメ」を製造している北海道の訓子府工場を見学しに行ってきた!

「味の素KKコンソメ」は、国内3カ所の工場で作られている。 肉と野菜を煮込み、「コンソメのエキス」を作る北海道の十勝工場、エキスを加工し「キューブタイプ」を作る同じく北海道の訓子府(くんねっぷ)工場、そして、「顆粒タイプ」を作る神奈川県の川崎工場だ。今回訪れたのは「キューブタイプ」を製造している訓子府工場。十勝工場で製造したコンソメエキスに味付けをして、キューブ状に成型、梱包までを行っている。

羽田から女満別空港までは、飛行機で2時間弱。意外と近い!
羽田から女満別空港までは、飛行機で2時間弱。意外と近い!

オホーツク海にもほど近い北海道常呂郡訓子府町(ところぐんくんねっぷちょう)。女満別空港から車で50分ほど走ると、広大な北海道の大地に佇む「訓子府工場」が見えてくる。北見や網走にも近い訓子府は北海道の北に位置し首都圏からは遠いイメージだったが、羽田から飛行機で女満別まで2時間弱、そこからさらにタクシーで約50分なので実際にはあっという間に到着してしまった。周囲を牧場や畑に囲まれ、まさに北海道といったイメージの土地だ。

北海道常呂郡にある味の素食品北海道株式会社訓子府工場
北海道常呂郡にある味の素食品北海道株式会社訓子府工場
周囲を牧場や畑に囲まれた広大な土地に建つ訓子府工場
周囲を牧場や畑に囲まれた広大な土地に建つ訓子府工場

「味の素KKコンソメ」ってどうやって作られてるの?まずは座学でお勉強

工場見学はまず、座学からスタート。コンソメとは一体どんなものなのか、「味の素KKコンソメ」がどのようにして作られているのかをレクチャーしてもらう。コンソメといえば、肉や野菜をじっくり時間をかけて煮込んで作るものだが、工場といえど工程は変わらず。特殊な機械で時短、あっという間にできあがるのかと思っていたが、もちろんそんなことはなく、家庭で作るのと同様にしっかり手間暇かけて作られているのだそう。

まずは座学で、「味の素KKコンソメ」についてや、コンソメスープの作り方を学ぶところからスタート
まずは座学で、「味の素KKコンソメ」についてや、コンソメスープの作り方を学ぶところからスタート

まずは丸鶏、ニンニク、ショウガを一緒に細断してミキサーで混ぜたものを10時間以上かけて煮込む。ここでチキンエキスが完成する。ビーフエキス、白菜エキスを加え、さらに3時間以上煮込む。フランスのレシピでは白菜は使わないことが多いが、「味の素KKコンソメ」では日本人好みの味にするため白菜を入れるレシピを採用しているのだそう。煮込んだエキスを濃縮させるところまでが十勝工場での工程となる。

細断した材料をミキサーで混ぜ合わせていく
細断した材料をミキサーで混ぜ合わせていく
煮込んだエキスを濃縮させるところまでが十勝工場での工程になる
煮込んだエキスを濃縮させるところまでが十勝工場での工程になる

濃縮させたエキスはここ、訓子府工場へ運ばれてくる。エキスに塩や砂糖、スパイス、うま味調味料を混ぜ合わせるところから、訓子府工場での製造はスタートする。完成した粉状の「味の素KKコンソメ」を、特殊な機械を使ってキューブ状に成型、箱に詰め込んで出荷する状態にしていく。

白衣に着替えて、いざ!工場内部へ潜入!

予習をすませたら、いざ、工場見学へ。食品を扱う工場のため、身支度はしっかりと行う。アクセサリーや時計などはすべて外し、不織布の白衣や帽子などを着用。

不織布の白衣や帽子などを着用して、工場見学ファッションに変身
不織布の白衣や帽子などを着用して、工場見学ファッションに変身

今回は撮影用にスマートフォンの持ち込みが許可されたが、持ち込み品は名簿に記入して管理する徹底ぶり。マスクと手袋を装着して工場見学スタイルが完成した。このあと、さらに靴を履き替え、埃を取る専用の機械で全身をきれいにしてから、最後にしっかり手洗いも行う。いざ、工場の内部へ。

掃除機のような機械で体に付着した埃などをとっていく
掃除機のような機械で体に付着した埃などをとっていく
最後にしっかり手洗いを行う
最後にしっかり手洗いを行う
いざ、工場の内部へ
いざ、工場の内部へ

先述の通り、十勝工場で肉や野菜などの材料を煮込んで濃縮させたエキスに、塩や砂糖、スパイス、うま味調味料を加えて混ぜ合わせていくところからスタートする。実際のエキスは粉状で、カレー粉のようにも見える。エキスに調味料を加えて混ぜ合わせた「混合材料」を乾燥、冷却していく。コニカルビンと呼ばれる円錐形状の装置を使って型に充填、加圧して、キューブ状に成型していく。

濃縮されたコンソメエキスにグラニュー糖を投入していく
濃縮されたコンソメエキスにグラニュー糖を投入していく
グラニュー糖や塩、スパイスなどで味付けされたエキスを乾燥、冷却していく
グラニュー糖や塩、スパイスなどで味付けされたエキスを乾燥、冷却していく

キューブになったコンソメは、1個ずつ銀紙で包装されて出てくる。コンソメを料理に使っている人にはおなじみの姿だ。流れてくるキューブの個包装を目視でチェック。問題のないキューブはさらに流れに乗って次の工程へと進んでいく。キューブ7個を1セットにして、ピローと呼ばれるアルミの内袋に詰め込んでいく。

成型されたコンソメキューブたち
成型されたコンソメキューブたち
銀紙に包まれたキューブを目視でチェックしていくスタッフ
銀紙に包まれたキューブを目視でチェックしていくスタッフ

このラインでは、「固形7個入箱」を梱包していた。キューブが7個入ったピローが勢いよく流れ、次々に外箱に収められていく。

キューブが7個入ったピローがラインを流れていく
キューブが7個入ったピローがラインを流れていく
「固形7個入箱」を梱包するライン
「固形7個入箱」を梱包するライン

隣のラインでは7個入りのピローが3つ入った「固形21個入箱」を梱包中。入り数が異なるだけで、基本的な流れは同じだ。最後にパッケージの箱をスタッフが目視で確認、チェックしてから段ボール箱に入れていく。

隣は、キューブが7個入ったピロー3つを1箱に梱包する「固形21個入箱」のライン
隣は、キューブが7個入ったピロー3つを1箱に梱包する「固形21個入箱」のライン
「固形21個入箱」が次々に流れてくる
「固形21個入箱」が次々に流れてくる
1箱1箱を丁寧に手作業で段ボール箱に収めていくスタッフ
1箱1箱を丁寧に手作業で段ボール箱に収めていくスタッフ

さらにその奥のラインでは、「固形30個入パウチ」の梱包を見学できた。流れてくるパッケージを、青と緑の吸盤のようなものでキャッチし、手前の段ボール箱に入れていく。機械によって自動化されているラインは、眺めているだけでおもしろい。まさに工場見学、といった感じの眺めだった。

青と緑の吸盤のようなもので流れてくるパウチをキャッチ、手前の段ボール箱に入れていく
青と緑の吸盤のようなもので流れてくるパウチをキャッチ、手前の段ボール箱に入れていく
白い大きなアームが、パウチの梱包された段ボール箱を積み重ねていく
白い大きなアームが、パウチの梱包された段ボール箱を積み重ねていく

訓子府工場では主にキューブタイプの製品を製造している。今回は「味の素KKコンソメ」のキューブタイプの製造を見学したが、ほかにも「鍋キューブ」や「パスタキューブ」などがこの工場で生まれている。

味の素の工場見学に行ってみたいなら!?国内3カ所で工場見学実施中

訓子府工場では現在、一般の工場見学は行っていない。味の素の川崎工場、東海工場、九州工場では一般向けの工場見学を実施しているので、実際に工場見学に行ってみたい!という人におすすめしたい。公式サイトで予約ができるのでチェックしてみよう。

神奈川県の川崎工場では、「味の素(R)」や「ほんだし(R)」、「クノール(R)」、「Cook Do(R)」の製造ラインを見学することができる。また、うま味の仕組みを学ぶ講座や、製品の試食、親子で楽しめる調理体験など、大人から子どもまで楽しめて、盛りだくさんな内容だ。川崎工場には、味の素の「アジパンダ(R)」グッズが購入できるショップもある。

神奈川県の川崎工場
神奈川県の川崎工場

三重県四日市市にある東海工場の「ほんだし」コースなら、小さな子どもから大人まで幅広く、製造や包装ラインの見学、ほんだしを使った味噌汁やおにぎりの試食体験や、かつお節削りにチャレンジしたりと、「ほんだし」について知ることができる。

三重県四日市市にある東海工場
三重県四日市市にある東海工場

佐賀県佐賀市の九州工場では、「味の素」の歴史や製造方法、アミノ酸のうま味について学べるプログラムを実施。また、21万平方メートルの広大な工場の敷地内を、「アジパンダ」バスに乗って見学できる。

佐賀県佐賀市の九州工場
佐賀県佐賀市の九州工場

「味の素KKコンソメ」がリニューアルして味が変わったって知ってた?

それまで白飯と味噌汁が中心だった日本の食卓は、高度成長期に洋風化が進んだ。パン食にも合う洋風スープとして、1962年に「味の素KKコンソメ」が誕生。誰でもおいしく簡単に、家庭で本格的なスープが作れるようになった。そんな「味の素KKコンソメ」は、発売以来64年の歴史のなかで何度となく、日本人のライフスタイルや、味覚の変化にあわせて味を改良してきた。

1962年発売当初のパッケージ
1962年発売当初のパッケージ

スープの具材といえば野菜がメジャー、また、コンソメといえば用途はスープがほとんどだった発売当初から、栄養いっぱいの具だくさんスープがブームになったり、コンソメをさまざまなメニューに活用するアレンジレシピがネットを中心に広まったりと、コンソメの需要もどんどん変わってきている。日本の食卓の変化にあわせ、今年2025年、2008年の改訂以来、実に17年ぶりに「味の素KKコンソメ」もリニューアルを行った。

2025年にリニューアルした新パッケージ
2025年にリニューアルした新パッケージ

現在、新しい「味の素KKコンソメ」が店頭に順次並べられている。スーパーなどで見かけた際に、パッケージの右上に「New!お肉のうま味とコクがUP!」と記載されているものが新しい「味の素KKコンソメ」だ。もし、自宅にリニューアル前の「味の素KKコンソメ」が残っていたら、新商品と比べてみてほしい。湯に溶かして匂いと味わいを比較してみると、その違いがはっきりとわかるほどにリニューアルされている。肉のコクとうま味が強くなり、存在感もアップ。スープだけでなく、パスタや炒め物、ポテトサラダやハンバーグに入れたりと、調味料のように使える「味の素KKコンソメ」は、よりアレンジの幅が広くなった。

11月27日から数量限定で「くまのプーさん」デザインパッケージが登場!

「味の素KKコンソメ」のブランドカラーである「赤」と「黄色」にぴったりマッチした、「くまのプーさん」がかわいらしいデザインとなっている。今だけ限定のパッケージなので、店頭で探してみてはいかがだろうか。

「くまのプーさん」デザインパッケージも数量限定で登場中
「くまのプーさん」デザインパッケージも数量限定で登場中

リニューアルを繰り返し、時代とともに進化し続ける「味の素KKコンソメ」。長年に渡って日本の食卓で愛される、そのおいしさの秘密に触れることができた。今回訪れた訓子府工場は一般には公開されていないが、工場見学が可能な味の素の工場を訪れてみてほしい!

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

(C)Disney. Based on the "Winnie the Pooh" works by A.A. Milne and E.H. Shepard.

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