探偵でも犯人でもないモブキャラが最後まで生き残る!?サスペンスの鉄則を生かしモブ大奮闘＆予想外の展開に！【作者に聞く】

「キャー!!」大きな洋館に悲鳴が響き渡る。そこには胸にナイフが突き立てられた死体があった。この漫画は殺人事件が起こったところからスタートする。そして「僕は知っている」と心の中でつぶやくモブキャラがいた。これから次々と殺人が起こることをモブキャラなのになぜ予期できるというのだろうか？

この漫画の主人公は、殺人犯本人でも、未来を予見できる超能力者でもない。殺人事件には何の関わりもない一般人、いわゆるモブ的立ち位置の人物である。だが、彼にはこれが連続殺人事件の序章に過ぎないことが分かっていた。なぜならば、彼は“サスペンスオタク”だから――!!

橋が落ちて孤立した洋館(※携帯電話の電波も届かない)というベタな条件下で、主人公の予想通りに次々と殺人事件が起こる。探偵役にはとてもなれない主人公は、サスペンスオタクの力を駆使し、襲い来る“死亡フラグ”を回避していくのだが…!?

本作を描いたのは、「ヤンデレカフェへようこそ」という作品で「第51回pixivコミック月例賞」の大賞を受賞したひのみや(@ominomiya3)さん。その後、商業連載を経て、2024年2月に第1巻が単行本化されている。ひのみやさんに本作について話を聞いてみた。

ヤンデレ顔に注目! 作者が一番楽しんで描いたシーン

「絶対に死亡フラグを回避したいサスペンスBL」は、孤立した洋館という王道のシチュエーションで巻き起こる連続殺人事件を舞台に、モブのような一般人である主人公が、サスペンスオタクとしての知識を武器に死亡フラグを回避していく異色の作品だ。

作者のひのみやさんは、「あとから見返すと少しゾッとするような小ネタを意識して描きました」と見どころを教えてくれた。例えば、探偵役の人物が物語を通して常に手袋を着用していたり、ダイイングメッセージも一見すると意味がわかりづらいが、よく見ると誰かの名前が書いてあるという仕掛けだ。そうした細部へのこだわりが、物語の緊張感をより高めている。ひのみやさんが特に力を入れて描いたのは最終ページで、「ヤンデレらしい顔は描いていてとっても楽しい表情なので、最後のページはワクワクしながら仕上げた覚えがあります」と語ってくれた。

読者からは「続編を求む」という声が多く寄せられているが、ひのみやさんは現在のところ続編の予定はないという。しかし「無事に逃げ出した2人の後日談として、また別の事件に巻き込まれる推理ものの漫画を描きたいなとは考えています」と続編への意欲を伝えてくれた。

物語は最終的に予想外の方向へ進み、果たして死亡フラグを回避できたと言えるのか、読者の解釈に委ねる終わり方となっているのでこれは続編に期待したい。FANBOXにはちょっとしたおまけ編も投稿されているのでそちらもぜひ読んでみて欲しい。

取材協力：ひのみや(@ominomiya3)

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