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ウィンドノーツの英雄/絶望ライン工 独身獄中記 第60回

  • 2025.12.24

『絶望ライン工 独身獄中記』を読む

興味本位で自分に関する匿名掲示板を見てみると、様々な角度から絶望ライン工chと運営者である私への批判がなされていた。

発信内容を非難する意見、容姿への厳しい論評、推測を根拠とした糾弾や醜聞。

肯定的な意見はついに見つけられず、なかなかの嫌われぶりに我ながら感心し、同時に深い悲しみに苛まれるのだった。

いくら悪口を書かれたって、全然効いてないよ? へっちゃらだよ。

そんな効いてないアピールをするつもりは毛頭無く、批判等しっかり受け止めバッチリ効いております。

皆に楽しんでもらうために続けている動画投稿で、こうして不快に思う方達がいる事実が何より堪える。

誰かに好かれるという事は誰かに嫌われると同意なり。それは分かっているつもりだ。

今この瞬間も本稿を読み不快に思われた方がいたら申し訳ないが、貴公らの批判に屈して活動を辞めるつもりはないし、ましてや反撃に打って出る計略もない。

どんな内容であれ加害を示唆する攻撃的な内容でない限り「誹謗中傷」には当たらないと考える。

否定的なスタンスではあるが、毎週見てくださる大切な視聴者だ。

掲示板にはハゲだのデブだのキモイなどと私個人を侮辱する言葉が目立つ。

その中に「コイツは性格が悪い」という一文を見出すことができる。

実に良く見てくださっている。

そう、私はきっと多くの人よりもうんと醜い性格をしている自負があります。

東にネット炎上あれば、とりあえず爆心地まで見に行くし、

西に卑猥な図画あれば、ブクマしてダウソして作者フォローしてコミケに買いに行く。

そういう者に私はなりたい。というかなっている。

自他共に認める性悪な自分ではあるが、唯一自身を評価している点がある。

それは人の努力を笑わない事です。

がむしゃらに頑張る人を嘲笑う風潮は殊にネットや田舎に蔓延っているように思うが、自分は誰かを笑うより笑われる方を選びたいし、実際そうしてきた気がする。

人によっては黒歴史になるような事ばかりやってきた訳で、もう取返しがつかないという実情もあるが、人に笑われてもへっちゃらさ。

昔の自分は精一杯頑張っていたし、それは今も変わらないからです。

10年後に「YouTubeでこんな事してたんだ(笑)」とか言われても多分平気だ、10年前の自分は一生懸命だったからと胸を張れる。

私に対しずっと批判的なスタンスだった方が、最近動画投稿を始めた。

内容は言うなれば私の模倣で、編集スタイルや喋り方を真似た動画だった。

「楽して稼ぎやがって」から「なら俺もやってみるか」になったわけだ、彼の心中を察するに有り余る賛美を送りたい。

奴の投稿動画は酷い。画質も音質も最低だしサムネまでパクっていやがる。

それでも笑う気にはなれない、彼なりに精一杯頑張って新しい事を始めたのだから、もう同じ仲間である。

2011年、東北は甚大な災害に見舞われた。

その年の夏に放映されたTV番組「鳥人間コンテスト2011」は当時の自分の価値観を大いに揺るがし、少なからずその後の人生に影響を及ぼしていると感じる。

東北大学ウィンドノーツのパイロット、中村拓磨の暑苦しい程にひたむきな情熱は放送後すぐネットで話題になった。

掲示板に動画が貼られ、彼を笑う者と胸が熱くなる者とで意見は綺麗に二分した。

自分は後者である、今でも彼の言葉に勇気づけられる。

「俺の人生は晴れ時々大荒れ。いいね! いい人生だよ」

あの夏から15年程経ち、中村拓磨がその後どうなったか──ぜひ調べてみてください。

彼の挑戦はまだ続いている、それを笑う者はもう誰もいない。

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