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133cmという低身長のせいで、仕事で失敗すると「やっぱり」と言われてしまう。戦いに行く気持ちで会社に行く女性の覚悟【著者インタビュー】

  • 2025.12.24

【漫画】本編を読む

病気の影響で小学生の頃に身体の成長が止まってしまった吉乃華・25歳。小学生の時と同じ身長のまま大人になった華は、年齢と外見が乖離していることで「見た目がもたらす生きづらさ」に直面してゆく。華だけではなく、顔面麻痺を患っているために無愛想と思われてしまう同僚の岩見や、身長が高いことを気にする直美など、登場人物それぞれが抱える悩みを通じて、気づきと勇気をもらえる『133cmの景色』(ひるのつき子/新潮社)。著者であるひるのつき子さんに、本作を描いたきっかけや伝えたいテーマについて話を聞いた。

――華は低身長ゆえに、仕事をしていく上で不利になってしまうことがしばしば描かれています。そんな華の「戦いに行く覚悟で仕事している」というセリフと、そのあと岩見が「無理やり戦場に立たされている」と返すシーンが印象的でした。セットで思いついたセリフですか?

ひるのつき子さん(以下、ひるの):話を考えるときはいつも1ページ目から順に構成していくので、先に「戦いに行く覚悟で~」のセリフを思いつき、その後で岩見のセリフが浮かびました。

――どんなことを描こうと思って思いついたのでしょうか?

ひるの:華は何か悪いことをしているわけではないのに、日々を懸命に生きるだけで“戦闘態勢”を強いられてしまう。その違和感を描こうと思いました。しょげずに立ち向かおうとする華の強さや性格も表したかったので、自然とこんな感じになりました。偏見的な見方をしている側が何か工夫できればいいのですが、多くの偏見は無自覚であることが多い。だからこそ、“その目を向けられる側”が自分を守るしかないのが現状だと思います。

――このセリフ含め、華と岩見が打ち合わせに出向くエピソードは新社会人のような立場の人にも響くエピソードではないかと思います。反響はありましたか?

ひるの:「戦いに行く覚悟で~」は「ほんとそう!」というような反応をしてくださる方が多かったように記憶しています。華が責任者であるにもかかわらず、見た目が低身長な女性であることから、取引先が男性である岩見とだけ名刺交換をするくだりについては私自身の経験を反映している部分もあり、リアリティを感じていただけたのかもしれません。

取材・文=原智香

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