1. トップ
  2. 誘拐劇の始まりや犯人の素性を写した場面写真『ブゴニア』ランティモス監督がエマ・ストーンを絶賛するコメントも

誘拐劇の始まりや犯人の素性を写した場面写真『ブゴニア』ランティモス監督がエマ・ストーンを絶賛するコメントも

  • 2025.12.24

『哀れなるものたち』(23)で世界を魅了したヨルゴス・ランティモス監督が、『ミッドサマー』(19)のアリ・アスターと『パラサイト 半地下の家族』(19)の製作陣をプロデューサーに迎え生みだした、前代未聞の誘拐サスペンス『ブゴニア』が2026年2月13日(金)より公開される。このたび、本作の場面写真が解禁となった。

【写真を見る】誘拐劇の始まりを写したワンシーン

【写真を見る】誘拐劇の始まりを写したワンシーン [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.
【写真を見る】誘拐劇の始まりを写したワンシーン [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.

『女王陛下のお気に入り』(18)や『憐れみの3章』(24)などで知られるランティモス監督が、再び誰も見たことのない作品を生みだした本作。アスターと、『パラサイト 半地下の家族』の製作チームがプロデュースを手掛けるという最強の布陣で、韓国の伝説的なカルト映画『地球を守れ!』(03)を、現代的なエンタメ作にパワーアップ。混沌とした時代を毒気たっぷりのユーモアで描きだすエンタテインメント作品に仕上がっている。

被害者となるカリスマCEOのミシェルを演じるのは、ランティモスとは5作目のタッグとなるオスカー俳優のエマ・ストーン。本作では製作も手掛ける彼女は、陰謀論者に囚われた人質を演じるために髪を剃り、丸坊主姿に変身。自ら演技の限界を更新し続け、誰もたどり着けない境地へと向かう。彼女を”地球を侵略しに来た宇宙人”だと信じてやまない誘拐犯の2人組には、『憐れみの3章』(24)や『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(24)で圧倒的な存在感を放ったジェシー・プレモンスと、オーディションで大抜擢された期待の新星エイダン・デルビス。「お前は宇宙人だ」と言い張る、真っ当な会話がまったく成り立たない犯人たちと、知恵で彼らを言いくるめようとする人質ミシェルのやり取り。犯人は「助かりたければ地球から撤退せよ」という支離滅裂な要求をするのだった。

本作は、アカデミー賞の前哨戦となる第83回ゴールデン・グローブ賞にて、ミュージカル・コメディ部門作品賞、ストーンの主演女優賞、プレモンスの主演男優賞と、主要3部門にノミネート。ランティモス監督は『哀れなるものたち』に続き2度目、製作のアスターは本作が初ノミネートとなり、現地時間2026年1月11日(日)に行われる授賞式に注目が集まっている。さらに、第98回アカデミー賞の撮影賞、作曲賞の2部門において最終候補作リスト「ショートリスト」にも選出。3月のアカデミーの作品賞ほか、主要部門へのノミネートなど、今後続く本年度の映画賞レースへ参戦する形となっている。

誘拐犯、テディの後ろにはミシェルの肖像が… [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.
誘拐犯、テディの後ろにはミシェルの肖像が… [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.

今回解禁されたのは、前代未聞の誘拐劇の始まりを予期させるものや、誘拐犯たちの素性が見えるシーンを捉えた場面写真。カリスマCEO のミシェルが突如覆面の男2人に襲われる、まさに誘拐の瞬間を押さえたカットに、大胆な丸坊主姿のエマとは一変、製薬会社を経営し業界を牽引するトップリーダーとして一流経済誌の表紙も飾る姿も公開。そんな彼女を宇宙人と信じ込み誘拐するテディとドンは蜜蜂の飼育家と思われる一枚も。さらに部屋でなにかを見つめるテディの後ろにはミシェルの肖像があるようだが…。

ランティモス監督は、これまで築き上げてきたストーンとの信頼関係から、ミシェルというキャラクターの解釈をほとんど彼女に委ねたという。そんなストーンはミシェルについて、「CEOの地位にいて、すべてを仕切っていることがミシェルにとっては一番自然なこと。彼女は、テディとドンに誘拐されて監禁されるという狂気的な状況のなかでも、すぐにすべてを仕切ろうとする」と分析。ランティモス監督は、「ミシェルは、自分が置かれた状況からなんとか抜けだそうとするが、なかなかうまくいかない。だからウソと真実を混ぜていく。でも、なにが真実なのか、実は誰にもわからない。真実と偽りの間、そして本当の自分の姿と演じている自分の間を行き来するのはとても複雑で繊細なバランスを要する。エマは、そのバランスを巧妙にとっていく。非常に繊細で複雑な演技をするんです」と話し、難解な役であり、役のために長い髪を剃り丸坊主にするという徹底ぶりのエマを大絶賛している。

ストーン演じるカリスマCEOのミシェル [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.
ストーン演じるカリスマCEOのミシェル [c]2025 FOCUS FEATURES LLC.

支離滅裂な要求をする相手に、突如誘拐されたカリスマCEOであるミシェルはどう切り抜けるのか?宇宙を巻き込んだ前代未聞の誘拐事件に、観るものの先入観は徐々に覆されていく本作に期待が高まる。

文/鈴木レイヤ

元記事で読む
の記事をもっとみる