1. トップ
  2. グルメ
  3. ヒルトン京都で、ご褒美プチバカンス。

ヒルトン京都で、ご褒美プチバカンス。

  • 2025.12.24

ヒルトンホテルと聞くと、OFFよりはONなモードの時に泊まるところという勝手なイメージがあったのですが、その認識を鮮やかに覆されたのが師走半ばの京都旅。

ゆったりと贅沢なオフ時間を堪能できただけでなく、和の美を再認識するという、期せずして大人の修学旅行にもなった2日間のヒルトン京都滞在記をお届けします。

エントランスを入ると視界いっぱいにそびえる吹き抜けのロビー。織り糸をモチーフとした空間デザインは、高さ16mの天井まで本物の組紐が縦に連なる装飾が圧巻で、しょっぱなからすっかり雅な気分に。

京都の伝統工芸や和の要素は館内のあらゆるところに通底していて、客室もしかり。立涌文様と呼ばれる抽象柄を織り込んだタペストリーや組子細工による行燈風ライトは衣紋掛けのようなバーから吊り下げられ、極め付けは窓を覆うのがカーテンではなく障子! しかもよくあるアクリルやガラスではなく本物の和紙を貼ってあるというこだわりぶり。指を舐めて障子紙に穴を開けるという古典的ないたずらをやらかしたくなりましたが、出禁必至なのでグッと我慢。

部屋に荷物を置き、いそいそと向かったのは「エフォリア・スパ」。ここでは国内初、ヒルトン京都だけのオリジナルオイルを使ったトリートメントが体験できるのです。

私が選んだのは、"凝り固まった筋肉にアプローチする"のフレーズで即決した「ディープティシュー」70分コース(¥22,000)。ええ、凝り固まってますとも。まずはソファに座り、温かいジンジャーティーをいただきながらテーブルに並んだオイルから好きな香りを選びます。どれも京都の天然素材から作られた精油がふんだんにブレンドされているのが特徴で、3種ある中から京都産クロモジと京都産ヒノキ、ラベンダーが心身のバランスを整える「ハーモニー」をチョイス。

広々とした個室に入ると、帯と帯締めをあしらったベッドが、おいでやす〜と迎えてくれます。その側にはおりんと呼ばれる鈴が置かれていて、このおりんがトリートメントの始まりと終わりを告げる役目を果たすという具合。

強すぎず弱すぎずの施術テクニックも最高でしたが、おりんの「リーーーーーンーーーーー」という澄み渡った音色が神がかってるくらいに脳内に響いて、スマホのアラームをこれにしたい!と思ったほど。ちなみに「エフォリア・スパ」で使われているおりんは京都宇治市で190年余りの歴史を誇る老舗、南條工房の製品だそう。

ヒルトン京都には京町屋をモチーフにしたデザインや、京都の街中にある細い通路である「路地(ろおじ)」が何箇所もあるのですが、屋上の「クラウドネスト・ルーフトップバー」も、黒い壁に挟まれた細い回廊の向こうにアカマツと空が抜けていて魅了されました。

残念ながら春〜秋の営業のため宿泊時はクローズしていたのですが(今回は特別に入り口だけ見せていただいたので、右写真はリリースから拝借)、次回は秋に再訪して東山の上に浮かぶ満月を愛でるべし!と心に誓った次第。

季節営業なので、2026年の最新情報はホテルにお問い合わせを。

ホテルでの滞在をぐっと快適かつラグジュアリーに格上げしてくれるのが、9階にある「エグゼクティブラウンジ」。エグゼクティブフロアとスイートルームの宿泊客のみに無料で解放される特別な空間ですが、夕刻のカクテルタイムがやたら充実してると聞きつけ、抜かりなくチェックしてきました。

このラウンジもまた京町屋的なつくりになっていて、京都の街そのものを縮景&抽象化した坪庭を眺めながら回廊を抜けて奥に向かうという粋な設え。

ビュッフェスペースには各種揃ったドリンク類がもちろんフリーフローだし、フードはおばんざいやカレーなどもあり、ここで夕食を済ませる旅行客もいるというのが納得の、たんとお食べやす〜なラインナップ。

私はといえば秒速でスパークリングワインとオードブルを確保し、至福のアペロタイムを満喫。どんだけ満喫してたかは、傍のノートパソコンが閉じたまま単なる置物と化しているところでお察しください。

お待ちかねのディナーは、2025年に新コンセプトでオープンした「オステリア イタリアーナ セブン・エンバーズ」で。エグゼクティブシェフのマリアンジェラ・ルッジェーロによるイタリアの温もりと情熱を伝えるこのダイニングでは、ノンナ(おばあちゃん)や家族から受け継いだレシピをはじめとするオーセンティックなメニューが楽しめるとあって、期待満々。

今回は、アミューズ&7品で構成される「シェフのおまかせコース」(¥15,000)とイタリアワインのペアリング(3種で¥4,500)をオーダーしました。

エビのタルタルのアミューズを爽やかなプロセッコでシュワと流し込んだ後、登場した1品目は淡路産モッツァレラチーズと生ハムに自家製セミドライトマトとマイクロリーフをあしらったもの。イタリアンの定番メニューに地元の素材を盛り込みつつ、素材のおいしさをシンプルに生かした前菜で食欲が一気に加速します。

2品目は、アラカルトメニューでも人気の高いタコのトマト煮「ポルポ・アッラ・ルチーナ」。オリーブとケッパーを効かせたナポリの漁師料理に、土着品種であるファランギーナの白ワインが合いまくり。

1品目の写真の上に写っている、カフォーネというナポリ名物の食事パンでソースも残さず堪能し、3品目の手打ち竹炭パスタのラビオリ、4品目のスズキのカルトッチョへとヴォーノ街道を駆け抜けます。

5品目、チーズ詰め豚肩肉ロール「プーリア風ボンベッテ」のカリ&トロが好タッグな一皿もさることながら、歓声をあげてしまったのが6品目となる近江牛の炭火焼き。フィレンツェのビステッカも大好きですが、この地の肉界を牛耳る近江牛さまの降臨には思わず感涙。九条ネギや大黒しめじといった京野菜もナイスアシストで、土着品種ネグロアマーロの濃厚な赤ワインとともに舌鼓をどんどこ連打した一皿でした。

7品目はわんぱくサイズにカットされたカプリ島発祥のチョコレートケーキ、トルタ・カプレーゼでドルチェッシモな締め。食後は牛歩で部屋に帰るほどの満腹満足のディナーとなりました。

ヒルトン京都京都府京都市中京区丸屋町416tel:075-212-8007https://kyoto.hiltonjapan.co.jp/https://www.instagram.com/hiltonkyoto/エフォリア・スパ(要予約、ホテル代表番号またはWEBサイトから受付)営)10時〜19時30分最終受付オステリア イタリアーナ セブン・エンバーズ営)11時30分〜14時LO(ランチ)、17時30分〜21時30分LO(ディナー)

元記事で読む
の記事をもっとみる