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「ラーメン×ごはん」はありですか?「ときめき」で選んできた山ごはんを栄養学的に徹底検証!意外に理にかなった品も

  • 2025.12.23

北海道生まれ北海道育ち。生粋の道産子であるHBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)が、趣味である「登山」と「山ごはん」を紹介する連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」。

自分の足で歩いた先にある絶景と、おいしいごはんは、もう最高!
文化部出身・運動神経ゼロの私でも楽しめる「コスパはなまる山」が盛りだくさんです!

今回は、いつもの山ごはんと山おやつを徹底解剖!
どれだけ意義があって、どんなものを食べるといいのか…専門家である栄養士さんをお呼びして、その重要性や必要な栄養素を聞いちゃいました!

山×食べ物…一番のしあわせ!

登山の楽しみ。山頂の景色や心地よい風、下山後のお風呂などいっぱいありますが一番はやっぱり「ごはん」!!

Sitakke

がっつり食べるパスタやカレー。

さらさらいけるお茶漬け。

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山ごはんの可能性は無限です。
ザックの中に入っている食材を無事に山頂まで運ぶために、歩いているのです。

ごはんだけでなく、おやつも心と体のエネルギー!

アー!しあわせ…!
そんな気持ちのために、これまで山ごはんと山おやつをいただいてきました。

登山にはエネルギーがいるよね!

糖質が大事だよね!

Sitakke
利尻山が描かれたマフィンを利尻山で食べました

なんとなーくそんな知識はありつつも、それって実際『栄養学的には』どうなの?

登山も体が資本です。
登山前にとっておいたらいい栄養素、体を回復できる食べものを知っておくことは、とっても大切!

改めて、山ごはんと山おやつのポイントを栄養士さんに聞いてみました!
お話を聞いたのは、サッポロドラッグストアーの管理栄養士・宮本さんと、登山大好きなサツドラ店長・一戸さんです。

そもそも山おやつ・ごはんは必要?

Sitakke
お話を聞いた宮本さん(右)と一戸さん(左)

さて、まず大前提として山での飲食は、とても「良いこと」だと宮本さんが太鼓判を押してくれました!よかった!
失われたエネルギーやミネラルの補給、疲労回復という観点で大切だということです。

中でも宮本さんがおすすめするポイントが「ちょこちょこ食べ」。

空腹になったまま歩き続けていると、いわゆる「ハンガーノック状態」(長時間の激しい運動によってエネルギー源である体内の糖質を使い果たし、極度の低血糖状態に陥ることで、体が動かなくなる現象)になる可能性があります。

そうなってから一気に栄養をとっても、血糖値の乱高下を招いたり、胃腸にも負担がかかってしまいます。

そのため、少しずつこまめに栄養補給をするのが大事なんです。
「山ごはん」だけじゃなくて「山おやつ」も大事ってことですね。

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みたらし団子に豚肉を巻いてみたら甘じょっぱい絶品!これは栄養学的に…アリ?

適量は、1時間あたり100~150キロカロリー。
これはナッツなら20粒、ゆで卵は2つ分の量に相当します。

例えば札幌市にある「藻岩山」くらいの登山なら、往復3時間。摂取すべきカロリーは300~450キロカロリーくらいとなります。

何を食べたらいいのか

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そうなると、一体何を食べるといいのでしょう。

「体への負担を考えると、柔らかいものの方が吸収されやすいですが、噛むことで集中力がアップする効果もあります。どちらがいいとは一概には言えません」と宮本さん。

では、登山が好きな一戸さんのオススメを聞いてみると…

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「いつもグミを持ち歩いています。硬めのグミを合間合間にしっかり噛んでいますよ」

とるべき栄養素

山での活動に求める栄養素を教えていただきました。

糖質…すぐに使われるエネルギー源
脂質…体に蓄えられ長時間使えるエネルギー源
ビタミンB1…糖質をエネルギーに変え、代謝を助ける
ビタミンC…抗酸化作用があり肌や免疫の健康を保つ
たんぱく質…筋肉や臓器などからだをつくる材料
ミネラル…からだの調子を整える
アミノ酸…たんぱく質の材料となりからだの修復に関わる

このように、ずらり…。

普段生活していると、「糖質」や「脂質」はちょっと悪者にされがちですが、山では本当に大切な栄養素!
短い登山なら糖質重視で大丈夫ですが、長時間の登山の場合は脂質も意識して摂ることでしっかりとエネルギーが補えるということです。

そうか…背徳メニューも登山はOK!ということですね!うれしい…。

基本の「おにぎり」ならオススメ具材は?

Sitakke
山で食べるおにぎりは最高です!

では、山ごはんとしても、道中にパクっと食べるおやつとしても優秀な「おにぎり」だと、オススメの具は何になりますか?

宮本さんが真っ先にあげたのはたんぱく質が豊富な「鮭おにぎり」!

長時間の登山には脂質も一緒にとれる「ツナマヨ」もオススメとのこと。

他にも「梅おにぎり」ならクエン酸で疲労回復を期待できたり、「塩昆布おにぎり」であれば不足しがちなミネラルや食物繊維がとれたり…と、様々です。

味の好みに加えて、摂りたい栄養素によって、おにぎりのチョイスを考えて変えてみるのも面白いかもしれませんね。

ラーメン+お米はさすがに…?

Sitakke
シェアして食べると、よりおいしく感じます

山頂でいつも私が楽しみに作っている「山ごはん」。
管理栄養士的オススメのメニューも宮本さんに教えてもらいました。

「たんぱく質や糖質などの栄養素を一気に摂るという点では『丼もの』がいいですね」

特に卵は、食物繊維とビタミンC以外のほぼ全ての栄養素が摂れるという点でイチオシ食材だそうです。

「親子丼は特にオススメできます!」

他にも水分と塩分を手軽に補えるラーメンなどの麺類や雑炊、脂質も豊富なカレーライスなど、普段私が食べている山ごはんも◎とのこと。

何というか…「山ごはん」ってすごく自由なんですね!

しかし私…さらにこんなわがままな悩みも聞いてもらいました…。

Sitakke

ずばり、「ラーメンとお米を一緒に食べたいのですが、いいですか?」

この質問に宮本さんは「普段だとカロリーオーバーになりかねませんが、うーん、山ならOK!!(笑)」

お墨付きもいただきました(笑)。
たくさんおいしく食べれるのも、登山ならではの楽しみ方ですね。

登山をする日や前日にも、糖質やたんぱく質を充分にとっておきましょう。
登山前の朝ごはんは、塩分も意識するといいそうです!

「納豆卵かけご飯にお味噌汁が特にいいです!」とのことでした。

和と洋!どっちのおやつがおすすめなの?

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真夏の十勝岳で食べた羊羹、沁みました

では、登山の休憩に…歩きながら…など、ごはんよりもより手軽にとれる「山おやつ」はどうでしょう。

まず私が気になったのは、「和風」か「洋風」かどちらのおやつが栄養学的にいいのか、ということ。

以前、47都道府県の銘菓を山で食べてみた結果としては、和のものがいいように感じましたが…

「栄養学的には、どちらもポイントがあります」とのこと!

「和菓子は、あんこやもち米など消化吸収しやすい点で優れています。それに比べると洋菓子は、一般的には脂質が多いため消化吸収には時間がかかりますが、逆にエネルギー補給の観点では高カロリーで優れているんです」

具体的には、ようかん(糖質が豊富)やドライフルーツ(ビタミン)、干し芋(糖質+食物繊維)、グミ(噛むことで脳を活性化)など、我々登山者には定番のおやつが栄養学的にもオススメなのだそうです!

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以前、山の日に山岳救助隊の皆さんを取材したとき、休憩時間に隊員の方が食べていた「あんぱん」も、和洋折衷。
必要な栄養素が入っていたのですね…!

また、登山好きの一戸さんオススメはグミのほかには「柿の種」なんだそう。

「食事で摂るProtein(たんぱく質)、Fat(脂質)、Carbohydrate(炭水化物)の3大栄養素の理想的な割合を示す『PFCバランス」というものがあるのですが、柿の種はほぼぴったりハマっているんです」

Sitakke

おつまみのイメージもある柿の種が「理想的な山おやつ」だなんて!
軽量で持ち歩きに便利なところもうれしいポイントですよね。

最後に…普段の食事もやっぱり大切!

宮本さんは普段の食事から、色を気にしているそうです。

「赤・黄・緑・白が食卓に並ぶように食材を選ぶことで、自然とバランスが良くなります」

これからも元気に登山をするためには、山の前後だけでなく、普段から食生活を意識しようと改めて決心しました。

そしていつも山で食べているごはんやおやつ。
ときめきを重視して選んでいましたが、分解して栄養素を考えてみると、意外と理にかなっていて驚きました。

Sitakke

ときめく=体が欲しているということ。

本能的にラーメンやカレーを求めていたのでしょうか…。そう思うと、自分の野生の勘は、なかなか捨てたもんじゃないのかなと思ったり、思わなかったり…。

ただラーメンにごはんをつけるのは、登山中…前後…数日以内だけにしておきます。

*****

取材協力:
サッポロドラッグストアー
管理栄養士:宮本さん
サツドラ店長:一戸さん

連載「堀内美里の言いたいことは山々ですが」

※北海道の山に登るときは、クマについても知っておきましょう。「クマに出会ったら」「出会わないためには」の基本の知恵は、HBCのサイト「クマここ」で、専門家監修のもとまとめています。

文:HBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)
北海道生まれ・北海道育ち。2021年入社。HBCテレビでは「グッチーな!」「ジンギス談」「吉田類 北海道ぶらり街めぐり」「大江裕の北海道湯るり旅」などを担当。登山歴4年。おいしくごはんを食べるために山に登っています。登山の魅力はインスタグラムでも発信中

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年11月)の情報に基づきます。

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