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佐藤健、「るろうに剣心」は「僕の誇りであり、自慢であり、宝物」武井咲&青木崇高&土屋太鳳ら仲間たちとワーナーに感謝

  • 2025.12.23

2025年内をもって、100年に渡る日本での劇場配給業務を終了するワーナー ブラザース ジャパン。ファンへの感謝を込めてこれまで同社が配給してきた数多くの洋画、邦画作品のなかから厳選された珠玉の13タイトルを特別上映するメモリアイベント「ワーナー・ブラザース映画ファンフェスティバル」が、9日間にわたって開催された。12月23日には丸の内ピカデリーでグランドフィナーレを飾る『るろうに剣心』(12)の上映が行われ、大友啓史監督、アクションを手掛けた谷垣健治が登壇。観客にはサプライズで佐藤健、武井咲、青木崇高、土屋太鳳が駆けつけ、大歓声を浴びた。

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グランドフィナーレを飾る『るろうに剣心』の上映が行われ、スタッフ&キャストが集結した
グランドフィナーレを飾る『るろうに剣心』の上映が行われ、スタッフ&キャストが集結した

和月伸宏の人気コミックの実写映画化した「るろうに剣心」シリーズは、明治維新を機に“不殺(ころさず)の誓い”を立てた伝説の刺客・緋村剣心が、大切な人たちを守るために新たな戦いに挑む姿を描く。世界100か国以上で配給、世界50以上の国際映画祭に出品されるなど、日本だけでなく世界を魅了してきた。シリーズ5作品の国内累計興行収入は194億円を超えるなど、ワーナー・ブラザース映画を象徴する映画となった。

「いろいろなものの礎になった作品」と語った大友啓史監督
「いろいろなものの礎になった作品」と語った大友啓史監督

2011年のクランクインから14年の歴史を持つ本シリーズ。その歴史をともに歩んできたキャスト&スタッフたちが、最後の上映を華やかに彩ったこの日。大友監督は「佐藤健と心中しようかなと思って始めた」とシリーズのスタートを回顧。「10年戦える若いスタッフを集めようと、面接をして。一番よかったなと思うのは、それぞれのスタッフ、キャストのキャリアのスタートになった。みんながいろいろなノウハウを知りながら、やっていった。ものすごく思い出に残っているし、いろいろなものの礎になった作品」だと自身にとって、極めて重要な作品だと語った。「死闘のなかで学んでいった」と同調した谷垣は、「実写でしかできないことはなにかを追求してきた」といい、「行き着いたのが役者に頑張ってもらうこと」と俳優陣への信頼感を口にしていた。

サプライズで劇場後方から登場!大歓声を浴びた
サプライズで劇場後方から登場!大歓声を浴びた

キャスト陣は、サプライズで会場後方の扉から客席の間を通ってステージに上がった。剣心を演じ続けてきた佐藤は、「こうやって集まれるのもうれしい。当時の記憶が一気によみがえってくる。みんな変わっていない」と共演者たちを見渡してにっこり。「『るろうに剣心』が上映されるとなって、こんなにも集まってくれてすごくうれしい。作品が長く愛されているんだなと感じました」と熱気と共に迎え入れたファンに感謝を述べた。神谷薫役の武井、相楽左之助役の青木、巻町操役の土屋もそれぞれが緊張しつつも、仲間や観客との再会に感激をにじませていた。

シリーズを愛し続けるファンに感謝を述べた佐藤健
シリーズを愛し続けるファンに感謝を述べた佐藤健

撮影当時を振り返ることになると、当初はここまでの大ヒットシリーズになるとは「まったく思っていなかった」という佐藤は、「今日を生き延びるのに精一杯。未来のことを考える余裕は一切なかった」と限界に挑む日々だった様子。アクションがカッコ悪かったら役者をやめると宣言していたそうで、「よかったです。まだ俳優を続けられているのは、皆さんのおかげ」とお礼。「それくらい原作が好きだった。これを映画化するなんてどういうことだと、原作ファンの立場から向き合っていた。谷垣さんのチームが作ったアクションの動画を見て、これだったら『るろうに剣心』の実写の実現が可能かもしれないと思った。あの動画からすべてが始まった」と語る。佐藤のアクションを目にした瞬間を思い出した大友と谷垣は、「剣心、いたんだ!実在した!と興奮した」と鼻息を荒くしていた。

「アクションは心」と谷垣健治からもらった言葉が俳優としての核になっているという土屋太鳳
「アクションは心」と谷垣健治からもらった言葉が俳優としての核になっているという土屋太鳳

シリーズの2作目から参戦した土屋は「今回上映される1作目は、高校生の時に客席で観ていた。衝撃で立てなかった。これはすごい作品になると確信しました。絶対(シリーズが)続くぞ、そのなかに絶対に入りたいと強く思った」と目を輝かせ、当時は漫画原作を実写化する「試行錯誤の時代だった」と分析。「そこをパーンと突き抜けたのが、『るろうに剣心』」と熱を込めると、会場からも同意を表現するように拍手が上がった。すると佐藤も「まさに」とうなずき、「アニメで観ていたものの実写化って、誰も正解がわからなかった。大友さんが『リアルに落とし込むんだ』と言い続けていたのを、すごく覚えている。それがアクションものというか、ヒーローもの、漫画原作の実写化の正解かもしれないと思った。大友さんが信念を持ってやった結果」と敬意を表した。

武井咲、「自分を奮い立たせるようにしていた」とプレッシャーを告白
武井咲、「自分を奮い立たせるようにしていた」とプレッシャーを告白

大友監督は「最初は、モーションキャプチャーでアクションをやるというアイデアもあった」と告白。「スパイダーマンならいいけれど、それだと剣心の動きにならない。スパイダーマンはスリムスーツだけれど、剣心は和服。風になびく和服の表現はVFXだと難しい」と生身の人間が挑むアクションにこだわったと続けた。リアリティにこだわった大友監督は、薫役についても「17歳の人を探そうとしていた」といい、「テレビを観ていて(武井を)見つけた。武井さんの名前をメモした」とのこと。「初めて知りました」と驚いた武井は「現場で自分を奮い立たせるようにしていた」と明かし、「生のお芝居を教わった現場。応えなければいけないというプレッシャーを、自分に与えていた」と上を目指す大友や佐藤たちの気概に緊張感と刺激をもらっていたという。

石の入ったペンダントを披露
石の入ったペンダントを披露

「アクションを頑張ってやっていた時に体調を崩して、尿路結石になった」と苦笑いを見せたのが、青木だ。青木は「その時に詰まっていた石をペンダントにした」とこの日も身につけてきたペンダントを披露しながら、「2018年の12月23日。その石が出た日が12月23日だった!」と思わぬ巡り合わせに会場も大盛り上がりだった。

谷垣健治は、スタッフやキャスト「一人ひとりの努力で形になった」と熱を込めた
谷垣健治は、スタッフやキャスト「一人ひとりの努力で形になった」と熱を込めた

思い出話の尽きない面々だったが、佐藤が「またなにかやりましょう。別の形で」と再会を願うと会場も大興奮。大友監督も「やるか!みんな、身体は動く?」と乗り気になり、青木も「このチームワークをこのまま解散させるのはもったいない」と意気投合。トークが熱を帯びるなか、司会を務めた荘口彰久から「佐藤さん以外、皆さんご結婚した」というコメントが差し込まれる場面も。爆笑に包まれるなか、佐藤は「そうなんですよ。どうしたらいいですか、僕は」と委ね、再び会場は大笑い。「クリスマスはどうするの?」という声が飛ぶと、青木が「トナカイやる?」とジョークを飛ばし、佐藤は「トナカイをやっても解決しない。じゃあ、みんなでまた集まる時には僕も仲間に入れるようにしたい」と結婚への意欲をのぞかせた。ファンからの「やだー!」という悲鳴を浴びた佐藤は、「たしかに孤独だなと思います。どこを見渡しても、みんな『夜泣きが…』という話で盛り上がったりする。疎外感がある」と肩を落とし、これには青木が「剣心!ひとりじゃねえって!」とエールを送っていた。

「るろうに剣心」チームが、ファンに感謝を伝えた
「るろうに剣心」チームが、ファンに感謝を伝えた

ステージと会場が一体となり、「るろうに剣心」シリーズへの愛をたっぷりとあふれさせたこの日。谷垣は「毎日が危機一髪だった。それが5本も作れたのは、スタッフ、キャスト、スタントマンの人たち、一人ひとりの努力で形になった」、大友監督は「俳優たちはとんでもない俳優たちになり、それぞれの道で思うことをやっている。僕にとっても忘れられない作品。観客の皆さんも、大友組の一員だと思っている」と頭を下げた。

会場はファンの熱気にあふれていた
会場はファンの熱気にあふれていた

土屋は「『るろうに剣心』は人生を変えてくれた。皆さんと一緒に、これからもずっとこの作品を愛し続けたい」と熱を込め、青木は「左之助としては、おもしろい風を吹き込みたい一心だった。タフな現場で、へこみそうになる時もあった。映画を楽しんだ皆さんの顔を見た時にまたエネルギーをもらって、次の作品に注入できた。そういう熱気に包まれた、僕個人としても忘れられない作品」とコメント。「『るろうに剣心』は帰ってくるような場所」だという武井は、「人生の節目節目で『るろうに剣心』に携わらせていただき、たびたび試されるような気持ちで現場に行き、成長した姿を見せなければと奮い立たせられるような現場でした。インスタグラムには、いまでも“薫”と書いてあることが多い。いまでも私と共に薫がいるんだと心強い気持ちになる」と目尻を下げた。

がっちりと握手を交わした
がっちりと握手を交わした

最後に佐藤は、「『るろうに剣心』は、僕にとてもたくさんの大切な出会いをくれました。大切な仲間ができました。皆さまとも出会いました」と会場を一望し、「この作品は僕の誇りであり、自慢であり、宝物です。ずっと愛し続けてくれたらうれしいです。この作品と出会わせてくれた、そのきっかけをくれたワーナーさん、本当にありがとうございます。形は変わるかもしれないですが、終わりではないとも思ってます。また一緒に、おもしろいことを一緒にやりましょう。僕たちも頑張っていきますので、皆さんも一緒に映画界を盛り上げていきましょう」とメッセージを送り、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田おり枝

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