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貧困女子の初恋の彼がNo.1キャバ嬢になっていた!再会の夜から始まる80ページの衝撃と救いの物語【作者に聞く】

  • 2025.12.23
眼の前に立つ美女にはなぜか、初恋男子の面影が…。 (C)國里
眼の前に立つ美女にはなぜか、初恋男子の面影が…。 (C)國里

誰にでも、忘れられない初恋の記憶があるだろう。高校時代、クラスの中心にいて、いじめられていた主人公をさりげなくかばってくれた彼は、まさに憧れの存在だった。しかし年月は流れ、26歳になった主人公は恋どころか日々の生活にも追われる“貧困女子”として生きている。生活費の足しにと、仕事終わりに働けるキャバ嬢の募集に応募した彼女が体験入店初日に再会したのは、まさかの初恋の相手だった。しかも場所はキャバクラの開店準備中の店内。ドレス姿で現れたNo.1キャバ嬢は、かつて憧れていた“彼”その人だったのである。

恋も余裕もない貧困女子の日常に現れた、ありえない再会

周りの意見に流されがちの主人公 (C)國里
周りの意見に流されがちの主人公 (C)國里
初恋男子がNo. 1〇〇になっていた話_P002 (C)國里
初恋男子がNo. 1〇〇になっていた話_P002 (C)國里
初恋男子がNo. 1〇〇になっていた話_P003 (C)國里
初恋男子がNo. 1〇〇になっていた話_P003 (C)國里

本作「初恋男子がNo.1〇〇になっていた話」の主人公は、学生時代から自己主張が苦手で、周囲に合わせてばかりの性格だった。「何を聞いても同じ返事」「自分の意見がない」と陰口を叩かれていたその気質は、大人になっても変わっていない。そんな彼女が、明日の生活費にも困り、覚悟を決めて足を踏み入れたキャバクラで出会ったのが、「てっ、寺島悠司くん!?」と声を上げてしまうほど面影そのままの人物だった。フルネームで呼ばれて戸惑いながら返された「…フルネームで呼ぶなよ」という一言で、目の前のNo.1キャバ嬢が初恋男子本人だと確信することになる。

名前を変え、生き方を変えた彼女がくれた言葉

彼は手術を受け、戸籍も変え、「セイラ」という源氏名で新たな人生を歩んでいた。昔の名前を呼んでしまったことを必死に謝る主人公に対し、セイラは「なんで謝るの?秘密にしてって強要してるのはこっちじゃん」とさらりと言い切る。そして、「そんなんでキャバやってけんの?強くなんな」と背中を押す言葉を投げかける。その中身は、高校時代に主人公を守ってくれた頃と何も変わっていなかった。再会をきっかけに、主人公の価値観は少しずつ揺さぶられ、自分自身と向き合い始めていく。

性別に縛られない関係性を描きたかった

作者の國里さんは、本作を描いた理由について「性別にとらわれずに人間関係を築く話を描きたかった」と語る。その思いから生まれたのが、「異性として好きだった相手が、再会したら同性になっていた」という設定だったという。また、Twitter(現X)に投稿する作品として、冒頭数ページで強いインパクトを残す構成を意識したとも明かす。

流されやすく気弱な主人公が、大切な人の前では芯のある姿を見せる存在へと変わっていく過程や、セイラ自身が“本当の自分”を抑えていた過去と向き合う姿は、後半に向かうにつれて静かな力強さを帯びていく。80ページを通して描かれるのは、依存ではなく、「互いを尊重する関係性のかたち」だ。

現在、國里さんは新作の予定を決めず、不定期で作品を発表しているという。「描きたい衝動が湧いたときに、一気に描くほうが自分には合っている」と語る言葉からも、作品一つひとつに込められた誠実さが伝わってくる。pixivには過去作もまとめられているので、本作に心を掴まれた人はぜひチェックしてほしい。

取材協力:國里

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