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「妹のために寿命をわけて」と迫る彼氏。都合よく利用される少女を守った、親友の“痛快な一喝”【作者に聞く】

  • 2025.12.23
都合よく利用される少女を守った、親友の“痛快な一喝”
都合よく利用される少女を守った、親友の“痛快な一喝”

命を他人にゆずることができる女子高生「ヒカリ」。死にかけの野良猫を助けたり、病気で困っている人の寿命を延ばすことができる。命を分けてあげることで、自分の寿命は少しずつ減っていく。「困っている人を助けたい」ヒカリと「自分のために生きてほしい」ミユキの2人が「生きること」に向き合っていく、マトマさん(@y_har3)の『寿命をゆずる友だちの話。』を紹介するとともに制作秘話を聞いた。

「寿命バーゲンセール女」が生まれた、作者の「自分をすり減らしていた」経験

【漫画】「寿命をゆずる友だちの話。」を読む 画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA
【漫画】「寿命をゆずる友だちの話。」を読む 画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA
寿命をゆずる友だちの話。(2) 画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA
寿命をゆずる友だちの話。(2) 画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA
寿命をゆずる友だちの話。(3) 画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA
寿命をゆずる友だちの話。(3) 画像提供:(C)マトマ/KADOKAWA

ヒカリは人の寿命が見え、自分の命をゆずることができる。貧乏だからとバーゲンセールのようにホイホイと寿命を渡してしまうヒカリが心配でならないのが、幼馴染みのミユキだ。ミユキは、命を削る代償でヒカリの指先がおばあちゃんみたいにシワシワなのを知っている。

ある日、ヒカリに彼氏ができるが、実は彼の妹は病気で入院中。ヒカリの寿命を少しゆずってほしいという魂胆にブチ切れたのはミユキだった。

ヒカリの命を誰よりも大切にしてくれるミユキに言われ、ヒカリは「命のバーゲンセール」をやめた。ミユキの「なんでヒカリが誰かのために生きなきゃいけねーんだよ!!」という叫びが、ヒカリの命を救った。

「フルカラー」のこだわりと、「優しさで心をすり減らす人ほど自分のために生きてほしい」テーマ

寿命が見える女の子が生まれたきっかけについて、作者は自身の経験を語った。

マトマさんは、「一時期自分自身が社会の中で人の顔色をうかがって、気にいられようと無理をして、自分が思ってるよりも他人には雑に扱われて、凄く自分をすり減らしてやっていたので、自分をすり減らしているヒカリみたいな『寿命バーゲンセール女』が生まれました」と述懐。

本作は読み切り版がベースになっているが、連載では「読み切り版では描いてなかった、ヒカリの生い立ちに触れたり、ヒカリとミユキの楽しい日常、そして2人の友情の行く末を最後までしっかり描いています」と答えた。

制作については、「かわいいプリクラやシールを眺める感覚で見てもらいたかったので、フルカラーで描いたのはこだわりです。また、各話のサブタイトルも一つひとつ意味を考えこだわってつけたので、ぜひ注目して見てもらえたらうれしいです」と創作秘話を明かした。

本作のテーマは、表が「女と女の友情」、裏が「人生の生き方」。「優しさで心をすり減らす人ほど、自分のために生きてほしい、そういうテーマが込められています」と、作品に込めたメッセージを語った。ヒカリはミユキのおかげで「そんなん、100年生きなきゃじゃん?」と、自分の生きる意味を見つける。生きるという重めのテーマを女の友情で描く、温かく切ない物語である。

取材協力:マトマ(@y_har3)

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