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動員ランキングは半年ぶりの洋画ワンツー!『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』は前作対比7割強で2位スタート、“3D映画”復権のカギとなるか

  • 2025.12.23

12月19日から12月21日までの全国映画動員ランキングが発表。前々週、前週と2位以下に圧倒的な差をつけた『ズートピア2』(公開中)の勢いが止まらない。今週もトップの座を守り抜き、またもや圧勝で3週連続Vを達成。2位に『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』(公開中)がランクインしたことで、6月以来およそ半年ぶりに洋画作品のワンツーとなった。

【写真を見る】3年ぶりに帰ってきた“映像革命”…最新作もやっぱり3D推奨?

『アバター:FAA』は2位発進!“3D映画”復権なるか

『ズートピア2』が3週連続Vで、興収60億円を突破! [c] 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
『ズートピア2』が3週連続Vで、興収60億円を突破! [c] 2025 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

『ズートピア2』のこの週末3日間の成績は、観客動員85万3700人、興行収入11億6400万円と、前週比74%の成績をキープし3週連続で週末興収10億円を達成した。これで累計成績は、動員433万5911人&興収60億9575万円と、『アナと雪の女王2』(19)と同じ公開17日間で興収60億円を突破。いまのペースでいけば、年内にも前作『ズートピア』(16)の興収76億3000万円に届きそうだ。

一方、そんな『ズートピア2』の勢いに押され2位スタートとなった『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』だが、初日から3日間の成績は動員25万3520人、興収4億8093万9500円と安定感ある滑り出し。このオープニング成績は、3年前の同じ時期に公開された前作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(22)との比較で動員が72%、興収が74%となる。その前作の最終興収が43億1000万円だったことを踏まえると、今作は30億円前後の着地となるだろうか。

前作『ウェイ・オブ・ウォーター』とのオープニング対比は7割強に [c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
前作『ウェイ・オブ・ウォーター』とのオープニング対比は7割強に [c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

2009年に公開されたシリーズ第1作の『アバター』(09)は、最終興収156億円(その後の再上映などで現在は159億円)のメガヒットを記録。初動成績は初日から5日間(当時祝日だった水曜日公開のため)で興収13億円と堅調な滑り出しを見せ、当時“映像革命”と謳われた3Dによる映像体験が話題を呼び、9週連続で動員ランキングのNo.1に君臨するロングヒットとなった。

前作の興収が、第1作と比較して100億円以上の大きな差がついてしまったのは、13年ぶりの続編という大きなブランクや、同じ時期に『THE FIRST SLAM DUNK』(22)と『すずめの戸締まり』(22)というメガヒット作が重なったこと、コロナ禍を経て洋画人気が著しく低下したことなどいくつかの要因が考えられるが、なによりも大きいのは第1作が牽引した3D映画ブームが完全に下火となったからであろう。

【写真を見る】3年ぶりに帰ってきた“映像革命”…最新作もやっぱり3D推奨? [c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.
【写真を見る】3年ぶりに帰ってきた“映像革命”…最新作もやっぱり3D推奨? [c] 2025 20th Century Studios. All Rights Reserved.

それでもIMAXをはじめとしたラージフォーマット上映の拡大や、映画技術全体の発展にシリーズを通して大きく貢献してきたことはいうまでもない。今作も3Dでの上映が行われており、作品の真価を味わううえでそれは欠かせない要素。前作公開時以上に映画の体験価値が重視されていると見える現在、3D映画復権の大きな一歩となるのか注目が集まるところだ。

『新解釈・幕末伝』と『楓』も初登場!

ムロツヨシ&佐藤二朗主演の『新解釈・幕末伝』は3位スタート [c]2025 映画「新解釈・幕末伝」製作委員会
ムロツヨシ&佐藤二朗主演の『新解釈・幕末伝』は3位スタート [c]2025 映画「新解釈・幕末伝」製作委員会

今週は『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』以外にも2本の新作がランクインしている。3位に初登場を果たしたのは、福田雄一監督が自作の常連俳優であるムロツヨシと佐藤二朗を主演に迎えた『新解釈・幕末伝』(公開中)。

初日から3日間で動員17万5000人、興収2億4400万円と、5年前の年末に公開された『新解釈・三国志』(20)と比較して41%程度のオープニングに。前作『アンダーニンジャ』(25)は予想外のロングヒットとなったとはいえ、パターン化した笑いでコロナ禍前のような勢いを失っている福田作品。来年のゴールデンウィークに控える『SAKAMOTO DAYS』(2026年4月29日公開)に向けて、弾みを付けることができるかどうか。

スピッツの名曲から生まれたラブストーリー『楓』 は5位に初登場 [c]2025 映画『楓』製作委員会
スピッツの名曲から生まれたラブストーリー『楓』 は5位に初登場 [c]2025 映画『楓』製作委員会

福士蒼汰と福原遥が主演を務め、行定勲監督がメガホンをとった『楓』(公開中)は、初日から3日間で動員8万2900人、興収1億1600万円をあげて5位に初登場。スピッツが1998年に発表した同名楽曲を原案にした本作。近年相次いでいる名曲インスパイア系ラブストーリーでは、今年1月に『366日』(25)がサプライズヒットを記録。本作もその流れに続きたいところだ。

公開14週目を迎えた『チェンソーマン レゼ篇』(公開中)は、この週末から配布された入場者特典第7弾の効果などもあって前週の9位から一気に4位まで浮上。累計成績は動員641万人&興収98億円を超え、いよいよ興収100億円の大台が目前まで迫ってきた。

関西圏で高稼働の『栄光のバックホーム』、ついに興収10億円を突破! [c]2025「栄光のバックホーム」製作委員会
関西圏で高稼働の『栄光のバックホーム』、ついに興収10億円を突破! [c]2025「栄光のバックホーム」製作委員会

また、6位の『栄光のバックホーム』(公開中)は累計動員80万人&興収10億円を突破。先日、第98回アカデミー賞の国際長編映画賞とメイキャップ&ヘアスタイリング賞の2部門でショートリスト入りを果たした『国宝』(公開中)は7位となり、累計興収は181億4000万円となっている。

以下は、1~10位までのランキング(12月19日〜12月21日)

1位『ズートピア2』

2位『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』

3位『新解釈・幕末伝』

4位『チェンソーマン レゼ篇』

5位『楓』

6位『栄光のバックホーム』

7位『国宝』

8位『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』

9位『爆弾』

10位『TOKYOタクシー』

2025年最終週となる今週末は、2023年4月期に放送された福山雅治主演のテレビドラマの劇場版『映画ラストマン -FIRST LOVE-』(12月24日公開)、天海祐希主演のドラマシリーズの初の劇場版にして完結編となる『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』(12月26日公開)、深緑野分の同名小説をアニメ映画化した『この本を盗む者は』(12月26日公開)などが控えている。

文/久保田 和馬

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