1. トップ
  2. ダイエット
  3. 幸せ100%でいるために。カップルで読みたい「月経」の話|女性ヘルスケア専門看護師マリリンのおしゃべり相談室 第6回

幸せ100%でいるために。カップルで読みたい「月経」の話|女性ヘルスケア専門看護師マリリンのおしゃべり相談室 第6回

  • 2025.12.22

なんとなくの不調、見過ごしていませんか?
月経のリズム、気持ちの波、ちょっとした体のサイン。
女性の毎日には、理由のわからない「ゆらぎ」がつきものです。

企業で働く女性たちの健康を長年支えてきた産業看護師が、
女性ホルモンと心と体のつながりについて、やさしく、ていねいにひも解いていきます。

「自分をもっといたわる」きっかけに、今日のお話を読んでみませんか?

女性の健康と月経の深い関わり

月経に関わる症状について、まったく悩みのない女性はほとんどいないと思います。
私自身、小学校高学年で初潮を迎えたときに、
(こんなめんどくさいものが毎月続くのか……)
と、女性であることへの小さな絶望のような、がっかりした想いを抱いたことを今でも覚えています。

女性の健康と月経が深く関係していることは、女性なら誰でも実感として知っていますよね。初潮から閉経まで、女性は月経とともに日常を過ごしているのですから。

月経にまつわる“こんな悩み”ありませんか?

月経にまつわるお困りごとは、本当にさまざまです。

「お腹が痛くなるのは当たり前? みんな痛いの?」
「痛み止めを飲めば大丈夫ってCMでは言うけれど、それだけでいいのかな?」
「月経量が多いかそうでないのか、他の人と比べることができないし。わからないわ」
「ナプキンの多い日用でも間に合わなくて困っています」
「周期がバラバラだけど、こんなもの?」
「月経前のイライラや頭痛がひどくて、家族に当たってしまう。あとで自己嫌悪になります」
「月経が止まったけど妊娠ではない。受診しなくていいですか?」

これまで面談で伺ってきた内容の一部ですが、月経の悩みは本当に幅広く、深いものばかりです。
それでも、すぐに婦人科を受診する方は多くありません。
もしかすると「月経のつらさは医療で軽くできる」ことを知らない方も多いからかもしれません。

では、どうしてこんなに多彩な症状が出るのでしょうか。
我慢するしかないのでしょうか?
そして月経をどう捉えるべきなのでしょうか。健康の指標? めんどうくさいもの?

働く世代の女性が、今より少しでも楽になれるように。
深くて広い月経のお話の始まりです。

月経はどう起こる? まずは仕組みから

今回は月経の仕組みからご説明します。
まず、月経周期にともなう女性ホルモンの変化を見てみます。

資料提供:公益社団法人女性の健康とメノポーズ協会

女性ホルモンの代表的なエストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)は卵巣から分泌されますが、そのコントロールは脳の視床下部と下垂体が担っています。

(1)視床下部より下垂体へ、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(ゴナドトロピン放出ホルモン)を分泌します。
下垂体は、二つの性腺刺激ホルモンを分泌しますが、卵胞刺激ホルモン(FSH)黄体形成ホルモン(LH)があります。

(2)FSHは卵巣よりエストロゲンを分泌させ、卵巣の中の卵を内包する卵胞を成熟させて、排卵の準備を行い、準備完了するとフィードバック機能で脳に指令が届き、LHの大量分泌があり、排卵をおこします。

(3)排卵後の卵胞はプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌します。
妊娠が成立すれば妊娠黄体として、より多くの黄体ホルモンを継続的に分泌するのですが、妊娠しなければ排卵後、大体2週間くらいで小さくなりエストロゲンもプロゲステロン(黄体ホルモン)も減少して、月経が始まります。

月経とは、プロゲステロンの働きで厚くなった子宮内膜(妊娠した卵のベッドになるもの)が剥がれ落ち、血液とともに排出される現象です。

こうしたホルモンの増減とフィードバックが毎月繰り返され、妊娠・出産だけでなく、心身の健康にも影響を与えているのです。
人の体って本当にすごい仕組みになっていますよね。

月経周期と心と体に起きる変化

月経周期や子宮内膜の厚みの変化、そしてそれにともなう症状は、次の図で表されています。

資料提供:公益社団法人女性の健康とメノポーズ協会

ここまで精密なリズムを毎月繰り返しているのですから、女性の体はとても繊細です。
女性ホルモンの変化が心身に影響する一方で、ストレスや体調不良がホルモンバランスを乱すことも。相互に影響し合っています。

次回は、この月経にまつわる“具体的なお困りごと”を取り上げます。

教えてくれた人看護師マリリン

在阪企業の産業看護師として活動中
女性の健康のサポートの必然性を感じ、セミナーなど多数実施
女性医学学会認定女性ヘルスケア専門看護師 女性心身医学学会認定専門看護師

写真/ピクスタ 文/看護師マリリン

元記事で読む
の記事をもっとみる