1. トップ
  2. 「これ詐欺じゃん」夫の一言で顔面蒼白…。欲しかった漫画全巻セットを買ったら偽サイトだった話【作者に聞く】

「これ詐欺じゃん」夫の一言で顔面蒼白…。欲しかった漫画全巻セットを買ったら偽サイトだった話【作者に聞く】

  • 2025.12.21
画像提供:みこまる(@micomalu)
画像提供:みこまる(@micomalu)

『お宅の夫をもらえませんか?』や『田端、明日は売るつもり』など、数々の話題作を発表している漫画家のみこまるさん(@micomalu)。 今回は、そんなみこまるさんが実際に遭遇したネット通販トラブルを描いたエッセイ漫画『詐欺師に日々の平穏と健康を祈られた話』を紹介。

欲しかった漫画を購入したはずが、商品が届かないばかりか、犯人から謎のメッセージが届くという不可解な事件。その手口と、被害者が陥りやすい心理についてご本人に話を聞いた。

画像提供:みこまる(@micomalu)
画像提供:みこまる(@micomalu)
画像提供:みこまる(@micomalu)
画像提供:みこまる(@micomalu)
画像提供:みこまる(@micomalu)
画像提供:みこまる(@micomalu)

夫の一言で発覚!怪しいサイトの正体

ことの発端は、みこまるさんがずっと欲しかった漫画の全巻セットをネットで見つけたことでした。早速注文したものの、いつまで経っても商品は手元に届きません。 「何かがおかしい」 不安を感じたみこまるさんが夫に相談し、購入先のサイトを見てもらったところ、夫の口から衝撃の一言が飛び出しました。

「これ、詐欺じゃん」

サイトの見た目はごく一般的な通販ページで、ファッションアイテムから食品、ペット用品、タイヤに至るまで、ありとあらゆる商品が並んでいました。しかし、よく見ると決定的な不審点があったのです。 それは「支払い方法」でした。みこまるさんがクレジットカード決済を希望して問い合わせた際、店側からは「割引商品のためカードやPayPay、代引きは使えない」との返答がありました。さらにメールには「銀行振込手数料を割り引くため、振り込んでほしい」という旨が記されていたのです。

「怪しい日本語」を脳内でポジティブ変換してしまう罠

なぜ、みこまるさんはその時点で詐欺だと気づけなかったのでしょうか。 メールの文面には「だから、しばらくは銀行振り込みで支払うしかありません」といった、微妙に不自然な日本語が使われていました。しかし、みこまるさんはこれを「日本語に慣れていない外国人スタッフが一生懸命対応してくれているのだろう」と、脳内で好意的に補完してしまったのです。

どうしても欲しい商品があるとき、人は都合の悪い情報を無意識に排除し、自分に都合よく解釈してしまう傾向があります。みこまるさんもその心理状態に陥っていました。 お金を振り込んだ後になって改めて運営元の会社概要を調べてみたところ、住所や電話番号、代表者名はすべて実在する無関係の別会社のものだと判明しました。しかし、ときすでに遅し。被害に気づいたのは送金後のことでした。

犯人からの不可解なメールと教訓

振込完了を知らせるメールを送ったみこまるさんに、相手から返ってきたのは予想外の言葉でした。 「到着までお待ちください」という事務的な連絡に加え、そこには「お仕事は順調で楽しいことを祈ります」と、なぜか被害者の幸せと健康を祈る一文が添えられていたのです。

みこまるさんは当時の心境について、「今まで詐欺被害に遭った経験がなく、『まさか自分が』という驚きが大きかったです。メールのやり取りを通じて相手を『良い人』だと信じ込んでいた分、ショックも倍増でした」と振り返ります。

今回の経験を漫画にした理由は、同じような被害者をこれ以上出したくないという思いからです。 「少しでも違和感を覚えたら、まずはこの漫画を思い出してほしいです。会社情報を検索するなど、相手が信用できるか十分に確認してから買い物をしてください」と、みこまるさんは警鐘を鳴らします。

みこまるさんのケースは少額被害で済みましたが、同様の手口に遭った人の中には、消費者センターや警察へ相談し、振込先の口座凍結に動いたケースもあるそうです。 一見しただけでは見抜けない偽サイト。「支払い方法が銀行振込のみ」など、少しでも怪しい点があれば、一度立ち止まって冷静になることが大切です。

取材協力:みこまる(@micomalu)

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。製品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格が異なる場合があります。

元記事で読む
の記事をもっとみる